世界のトップで活躍するビジネスマンが読む本は何かー
英語圏における大学のシラバスを分析している「The Open Syllabus Project」。
この記事では「The Open Syllabus Project」から特定の大学における課題図書のランキングを発表する。
特に、今回は「ハーバード大学」に限定したランキングを紹介したい。
「ハーバード大学」の授業で扱われているビジネス本とは?
ハーバード大学の歴史はイギリス植民地の1600年代までさかのぼる。現在に至るまでに100人以上のノーベル賞受賞者を輩出し、また世界の大学ランキングでも常にトップを維持するアメリカの高等教育機関である。
また、数多くの億万長者を生み出しているのも特筆すべきである。では、そのハーバード大学の学生が普段授業で読んでいるビジネス本とはどのようなものだろうか。
1位はロナルド・ハイフェッツの「リーダーシップとは何か!」
1位はロナルド・ハイフェッツの「リーダーシップとは何か!」だった。
ロナルド・ハイフェッツは公共政策や国際関係の部門において断トツのトップを走るハーバードの大学院「ケネディスクール」において何十年もの間「リーダーシップ」とは何かを問い続けてきた教授である。
まさに、国際的規模でのビジネスにおいて必要とされる「リーダーシップ」を身につけるチャンスが眠ってる本だと言える。呼び起こすかどうかは読者次第だ。
2位には「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」がランクインした。日本でも多くのビジネスマンに読まれている人気のビジネス書だ。
また、4位に「つきあい方の科学」という面白い本がランクインした。ロバート・アクセルロッドはミシガン大学で政治学・公共経済学を専門に教える教授である。ゲーム理論を用いてバクテリアから国際関係にまで通じる関係論を組み立てた。
それでは、ハーバードの授業であつかわれるビジネス本5冊をランキング形式で紹介しよう。
ハーバード大学で最も読まれるビジネス本ランキング
1位 「リーダーシップとは何か!」ロナルド・ハイフェッツ
解説
深い霧の中をさまよう現代の政治、経済、社会―。厳しい問題に直面して解答の見つからない不安から、「リーダーシップ」を求める声が、高まりつつある。だが、私たちはリーダーシップに間違った期待を抱いていないだろうか。リーダーシップとは、問題の解答を人々に与えるリーダーのことではない。
リーダーも含めて誰にも簡単な解答が見つからない難問だからこそ、リーダーシップが必要なのだ。その場合のリーダーシップとは、いったい何か。私たちは、どのようにして、困難な挑戦に立ち向かい、問題を解決していくことができるのだろうか。
リーダーシップ研究の世界的な権威が、10年間の研究のエッセンスをこの1冊の書に著した。
2位 「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」ダニエル・カーネマン
解説
整理整頓好きの青年が図書館司書である確率は高い? 30ドルを確実にもらうか、80%の確率で45ドルの方がよいか? はたしてあなたは合理的に正しい判断を行なっているか、本書の設問はそれを意識するきっかけとなる。
人が判断エラーに陥るパターンや理由を、行動経済学・認知心理学的実験で徹底解明。心理学者にしてノーベル経済学賞受賞の著者が、幸福の感じ方から投資家・起業家の心理までわかりやすく伝える。
3位 「企業変革力」ジョン・P・コッター
解説
企業変革を成功に導くリーダーシップには、強い意思とスキルが要求される。
変革を推進する具体的な実証・実例に基づき、たどるべき8つのステップを提示、リーダーシップとリーダーの役割を論理的に明示する。
4位 「つきあい方の科学」R. アクセルロッド
解説
日常の人間関係をユニークな視点で捉えた本書。
人間社会、あるいは生物界に見られる多くの「つきあい」には、いろいろな利害対立がある。本書は、その中で「協調か裏切りか」というジレンマ状況を、ゲーム理論をとり入れた進化生物学の視点から解き明かす。
5位 「ハーバード流交渉術」ロジャー・フィッシャー
解説
ハーバード大学交渉学研究所のメイン・スタッフが開発・構築した交渉術の決定版を全て公開。
「相手のほうが強いとき」「相手が話に乗ってこないとき」「相手が汚ない手口を使ってきたとき」でも、その上をいく画期的な、この方法を会得したあなたの交渉力は飛躍的に向上。
年間約300万の学費を必要とするハーバード大学だが、ここで紹介した本を読み、熟考を重ねればハーバードでの教育に近い知識を得られるだろう。
まだまだ多くの本が授業で扱われているのだが、ビジネスマンであればぜひこの5冊をまずは手にとって欲しい。