ご無沙汰しています。妻です。
旦那に遅れ、ようやく私も花組公演『花より男子』を観てまいりました!
率直に、とっっっても楽しい大満足の舞台だったので、早速感想を綴りたいと思います。
歌唱力重視の私は、今まで柚香光の魅力に気付けないでいたのですが、今回はベタ褒めする予定ですので、ファンの方も安心して読んでもらえれば!笑
さすがの脚本・演出:野口幸作!!
開演早々、「こりゃー楽しい舞台になるわ!!」と確信させてしまう野口先生、天才ですか?
映像から始まり、次々にF4が登場する演出、まるでライブさながらのキラキラ演出に最初っからテンションが爆上がりしました!
私は野口先生の大劇場デビュー作となった星組レビュー『THE ENTERTAINER』が人生のベスト・レビューなのですが、なぜそこまで好きなのかというと、
「私が今観たいと思っていたものが詰まっている」から。
網羅的に宝塚を観ていると、レビューにしても芝居にしても、「センスが古いな」とか「今ファンが求めているものとズレがあるな」と思う舞台に少なからずぶつかることがあります。
宝塚の偉大な演出家先生達であることは理解していますが、「本当に、現代の宝塚ファンの需要や要望を理解して作っているのだろうか?」と疑問に思うことも。
しかし、野口先生の舞台は(もちろん例外もあるけれど…)、「これこれ!これが観たかったの!」というファンのツボをガンガン突いてくる。
何より、野口先生自身の溢れる宝塚愛、レビュー愛、ミュージカル愛がひしひし伝わって来る!
今回の『花より男子』では、「まるでブロードウェイ・ミュージカル!」と思うほどコーラスワークや群舞で繋ぐ場面転換が多く、ストーリー構成もすっきりとわかりやすく、
さらに、マンガ原作らしいキラキラ感(思わず「キャー!」とか「フー!」とか言いたくなるシーンが満載)、
宝塚らしいショーの要素(道明寺のダンスシーン、つくしのラインダンスなど)がお芝居の中にうまく盛り込まれていて、
(桜子ちゃんの豹変シーンなどは分かりにくかったので、もう少し丁寧に描いてあげても…という思いもあるものの)
トータルで素晴らしいミュージカル作品になっていました!!
そして、野口先生の原作への愛、花組生への愛の深さ。
私は、学生時代に松潤のドラマ版を毎週楽しみに楽しみに見ていたのですが、その時の気持ちが舞台を見ていて猛烈によみがりました。それと同時に、「きっと野口先生も、当時花男の漫画やドラマを楽しみに見ていたに違いない!」と思えたんです。
ファンの気持ちを誰よりも理解し、ファンが観たいと思うものを作ってくれる。
現代の宝塚には、野口先生のような感覚の演出家が求められていると思います。
柚香光の道明寺に恋してしまった
これまで、本ブログでは柚香光に辛口なことが多かったんですが、今回は違います!
柚香光の道明寺、最高!!!
柚香光以外の道明寺は考えられないくらい、本当にぴったりな役柄でした。
小芝居やアドリブもいちいち道明寺で、ファンの皆さんがその一挙手一投足にときめいて沸くのをヒシヒシ感じました。
最初、道明寺は金や権力に物を言わせて牧野つくしをイジメる最低な野郎です。それが、つくしを好きになってその気持ちが抑えられなくなって、全力で「好きだ!!」という気持ちをぶつけるようになる。
これは演出の巧さもあると思いますが、柚香光の全身全霊、全力投球の道明寺は、「自分に対してあんなひどいことをした相手に魅かれていくつくしの気持ち」に物凄い説得力を持たせていました。
だって、観ている私もつくし同様に道明寺に恋をしてしまっていたから!
こんなにまっすぐに愛してくれる男に出会えたら、本当に幸せなんだろうなぁ。
先日の『恋スルARENA』でも、柚香光の「熱さ」が炸裂していましたが、
ファンの皆さんが彼女のこの「全力な姿」に魅かれる理由が、道明寺という役を通してやっと私にも理解できたように思います。
ネックの歌も、私は許容範囲内でした。公演期間終盤で歌い慣れてきているというのもあるでしょうが、「あれ?なんか上手くなってる?」と思ったほど。
『恋スルARENA』ではいつも通りの歌唱力だったので、根本が向上したわけではないのでしょうが、
柚香光に合った音域で作られたのであろう『花男』の歌は柚香自身も歌いやすそうで、主演の歌唱として十分だと思いました。
そもそも、歌唱面では、牧野つくし役のしろきみちゃんの高音が伸びやかで心地よく、三条桜子役のおとくりちゃんに至っては素晴らしい歌声を堪能させてくれたので、十分に満足できました。
今作のように、柚香光に合わせた歌をオリジナルで作っていけば、大劇場でも主役を張れるのでは?と、トップになった時の姿が想像でき、
『花より男子』の成功は、柚香光にも宝塚側にも大きな収穫になったのではないでしょうか。
城妃美伶とF4メンバーの活躍
しろきみちゃん無くして、この舞台の成功はあり得なかったはず!
2.5次元系の舞台を観ていると、三角関係やハーレムを形成する女主人公の描き方って難しいな、と思うんです。
乙女ゲームの主人公はどっちつかずで思わせぶりで優柔不断で、女性から嫌われる、というのはもはやあるあるですよね?
ですが、つくしと道明寺と花沢類との三角関係は、観ているこっちがキュンキュンしてしまうくらいときめきの塊でした。
これはしろきみちゃんのたくましさと媚び過ぎないキャラクター性のおかげかな、と感じました。
きっと、ふわふわルンルン甘々キャピキャピ♡した「ザ・ヒロイン」タイプの娘役が演じていたら、全く違う出来になっていたと思います。
それでいて、「キッズ・ウォー」の野性味を残したドラマ版の井上真央より、宝塚の娘役らしい可愛げや上品さがありました。
もう、完璧だったんじゃないかな。
そして、F4メンバーの麗しさ!
みんな脚長いのなんのって!びっくりするほど長い!!特に西門総二郎役の希波らいと、175㎝だそうですが、大きかった!
お芝居面で印象的だったのは、美作あきら役の優波慧。お顔やスタイルの良さに加え、余裕溢れる佇まいやお芝居は、間違いなくF4の中で一番のお兄さんでした。
忘れちゃいけない、花沢類を演じた聖乃あすかは、本当にオーラがあるスターですね。
今回の抜擢にはプレッシャーもあったでしょうし、滑舌や発声などこれから研鑽を積むべき課題も見えましたが、
今作の花沢類は、聖乃自身が持つ柔らかで人の良さそうな雰囲気と、大きな体と端正なお顔から発せられるスターオーラに溢れていました!
私、オープニングで思ったのですが、聖乃あすかのダンスが大好きです!!
キビキビとしていて無駄な動きが無く、キメをしっかりと魅せてくれる聖乃のダンスは、とにかくダイナミックな柚香のダンスと対照的で、まるで花沢類と道明寺の性格の違いのようだな、と思いました。
小2からダンススタジオに通っていたとのことですが、私も将来子どもが生まれたらジャズダンスを習わせようと心に決めた次第です。
バレエ経験者が多い中で、ジャズやヒップホップを経験してきたジェンヌさんの踊りはやっぱり目を引きますよね。
メインキャスト以外も、コーラスワークに群舞にと大活躍で、花組の団結力を見せつけられた公演でした。
残念ながら、これが最初で最後の観劇なので、DVDの発売を全力で待機したいと思います!!
柚香光が言う通り、花組は一つでした!!!