オスカー・ワイルドの小説の中で最も読むべきものはどの作品だろうかー
オスカー・ワイルドの作品で最も内容が深く、海外から評価されている作品とは?
これは、ワイルド作品を読もうと考えている人にヒントを少しだけ与える記事です。
《内容が深い作品》、《海外からの評価》この2点を決める上で参考にしたのは「The Open Syllabus Project」
英語圏の大学のシラバスを9年間調べ上げ、授業で使われる本を使用数でランキング化されています。
1位 真面目が肝心
ワイルドが絶世期の時に書いた風習喜劇。これを読まなければワイルドは理解できないというレビューが多く、海外でもワイルド作品の中で最も評価の高い作品。恋愛をテーマにしたドタバタ劇。
2位 ドリアン・グレイの肖像
美貌の青年ドリアンが主人公。自分の肖像画に歳をとらせ続けるが、重ね続ける奔放な生活と罪悪が肖像画を醜くしてゆく。心を入れ替えようと思ったドリアンだが... ワイルドの芸術論が色濃く反映された小説で今までに3度も映画化されている。
3位 嘘の衰退
オスカー・ワイルドの芸術論。「芸術が人生を模倣する、というよりはむしろ、人生が芸術を模倣する」という有名な一節にワイルドの芸術観が現れている。ワイルドのみならず芸術論や美学を語る上でも欠かせない論評。
4位 サロメ
オスカー・ワイルドの戯曲。主人公の王女サロメはヘロデ王から踊りを見せれば好きなものを与えると約束される。サロメは預言者ヨカナーンの首を望み、踊りはじめるのだった...。ビアズリーの挿絵が引き立てる異常な愛の物語。三島由紀夫も絶賛した日夏耿之助の訳がおすすめ。
5位 獄中記
アルフレッド・ダグラス卿の同性愛ゆえに逮捕されたワイルドの獄中記。獄中のつらい日々から生まれたワイルドの芸術論や人生論は、短い本ながらもその内容において他の本を圧倒している。
わずか46歳の人生だが、「真面目が肝心」などの喜劇から、「嘘の衰退」などの後世に残る芸術論まで生み出したオスカー・ワイルド。
ワイルドの美的感覚、才能を味わいたい人は「サロメ」、ワイルドの美的感覚、芸術論どちらにも興味のある人は「ドリアン・グレイの肖像」、ワイルドの芸術論を深く知りたい人は「獄中記」をおすすめします。