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日本版tktsがオープン!「販売チケットのラインナップ」や「海外との違い」について検証


日本版tktsがオープン!販売するチケットや海外との比較について検証

2019年末に東京(渋谷ヒカリエ1階エントランス)と大阪(南海ターミナルビル 総合インフォメーションセンターなんば内)、そして順次Tickets Todayをtktsとして運営してゆくとカンフェティを運営しているロングランプランニングより発表されました。

この記事では、日本版tktsで扱うチケットのラインアップや、海外版tktsとの違いについて検証します。

 

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日本版tktsが普及するかは、「performing arts to everyone」という想いに主催者が共感するかどうか

「チケッツ」として日本人にもお馴染みのtktsですが、

すごく簡単に説明すると、

ニューヨークやロンドンにあるミュージカルや演劇の当日券(翌日の券も)を割引で販売するディスカウントストアです。

今回は、ロングランプランニングが数年前から運営するディスカウントストアTickets Todayを、tktsという名前に変えるという話です。

ちなみに、日本版tktsの母体となるTickets Todayは、「訪日外国人向けのチケット販売ブース」として、海外から日本にやってきた人向けに、日本のエンターテインメントのチケットを販売しております。

注意点は、「日本人向け」ではなく、「外国人向け」のチケットカウンターということです。

なので、日本の伝統芸能や、「ロボットレストラン」など日本らしいショー、またライブエンターテインメントだけでなく「はとバスツアー」「着物ツアー」「相撲の朝稽古見学」、そして美術館や野球のチケットもあります。

一方で、HPをのぞいて見ると、日本人でも買いそうなものがあるか、、、と思ったのですが、正直ない。

劇団四季はアラジンやキャッツ、パリのアメリカ人のC席が定価で販売されていますが、平日の当日券であれば劇場に行けば買えますし、定価なのでこの店舗で買う必要があるか?と言われれば微妙なところです。

現状、ニュースリリースを読むと、

日本版「tkts」はミュージカルや演劇はもちろん、日本の伝統芸能の能や歌舞伎、小規模劇団の演劇から音楽ライブ、スポーツや展覧会まで幅広いエンタテインメントのチケットを当日・翌日分のみ割引価格(一部定価あり)で購入することができます。

と記載してありますが、

正直なところ、宝塚や、劇団四季、帝国劇場やジャニーズの公演はわずかな当日券を残して、一般発売日に基本的に完売するため、日本版tktsのためにわざわざ主催者が座席を残して配券するかどうか。

したとしても、結局「performing arts to everyone」というtktsの理念からは外れ、当日ファンの人が大勢店舗に押し寄せるだけでしょう。

「訪日外国人向けにチケットを」という大義名分を掲げ、外国人しか変えないようなサービスになった瞬間に、日本人にとってはあまり意味のない、「観劇のインフラ」とは呼べないようなサービスになるのではないでしょうか。

一応プレスリリースには、「「TKTS」は⽇本の素晴らしいエンタテインメントを、訪⽇外国⼈だけでなく、⽇本⼈を含むすべての⽅へ提供する店舗となります。」と書かれております。

 

また、海外との大きな違いは、tktsを運営しているのがカンフェティを運営しているロングランプランニングという株式会社、

一方で、海外のtktsはtdf(Theatre Development Fund)が運営しており、こちらは「Not-For-Profit Organization for the Performing Arts」

つまり非営利団体なのですね。

非営利団体だからこそ、各劇場のチケットを平等に扱える(信頼される)のだと思うのですが、

営利組織であるロングランプランニングに、他プレイガイドの圧力もある中、各主催者が人気チケットを日本版tktsのために配券するか?と言われると、少し考えものかと思います。

後は、世界中でも一緒だと思いますが、公に割り引いて販売すると、

  • 公演の印象を損ねてしまいかねない
  • 定価で買った人から文句がくる

だけど大義名分を掲げた非営利組織だからこそ、そういったリスクを回避できていた部分があると思うのですが、この点に関してもどうなるか。

劇団四季が定価で販売しているのも上記の理由かと思います。単なる当日券窓口のサテライトになってしまうのであれば、「格安で見られる」という多くの方がtktsに抱くであろうイメージからはズレたものになります。

ただし、ミュージカルブームの最中、現状席の埋まっていない公演や舞台も実際にはあるので、そういった公演に関しては、どうにか日本版tktsでディスカウントで販売することにチャレンジして欲しいなと思います。


 

日本の土壌にtktsが根付くかはまだわかりませんが、色々なハードルを乗り越えて、より観劇が身近なものとして根付くと良いですよね。私も、今後のtktsの成長を追っていきたいと思います!

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