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東宝『エリザベート』古川雄大トート×成河×京本大我 感想 シシィを溺愛する麗しの死神


だいぶ間が空いてしまいましたが、新キャストである古川雄大のトート閣下を観てきたので、

彼を中心に『エリザベート』の感想を対談形式で綴りたいと思います。

ちなみに、観劇回のキャストは以下の通りです。

  • エリザベート:愛希れいか
  • トート:古川雄大
  • ルキーニ:成河
  • フランツ:田代万里生
  • ルドルフ:京本大我
  • ゾフィー:香寿たつき

 

副業でモデルしてそうな黄泉の帝王

古川トートどうでした?

私は、天井から釣り下がってくる登場の瞬間から、美しくて耽美なトートにゾワゾワした。

「帝王」というか完全に「プリンス」だったね。
立ち姿にいちいち「細っ!長っっ!」って突っ込んじゃったし、衣装変わるたびに「なんじゃこりゃ、美しすぎか!!」とびっくりしてたよ。
自分と同じ男性、しかも同年代とは全く思えなかった。

周りのダンサーさんや、役者も身長が高い人が多いけど、生まれが違うというか。別格だった。

きっと黄泉の国で帝王業のかたわら、副業でモデルとかアーティスト活動とかして、カリスマ的人気を誇ってるんじゃないかと思ったわ。

もちろん、アーティスト活動する時もトートダンサーがバックダンサーで。

というか歌わず、セリフもない、ダンス版「エリザベート」が見てみたい。

古川雄大がダンスでトートを表現するという演出。ちゃぴもダンスが一番の魅力だし、二人でダンス版やらないかな。絶対面白いと思う。デュエダンが見たい。

ちゃぴとゆんのダンスは見たいね!!

東宝版の『エリザベート』って、宝塚版より陰鬱というか、キラキラ感がなくなってる(のに装置はやたらゴチャゴチャしててそれがさらに退廃的な雰囲気にしてる)と思うのだけど、古川トートは宝塚版を見ているようなトキメキがあった。

まるで少女漫画か恋愛小説を読んでるような感覚でしたよ。

井上芳雄のトートはたまきち、古川雄大のトートはみりお。
…たまきちか?みりおはなんか分かる(笑)

純粋に楽しいなって思いながら東宝版『エリザベート』見たの久しぶりかも。

 

シシィを溺愛する古川トート

芳雄トートってシシィに拒絶されても、「ふん、いくらあがいてもお前はいずれ俺のものだ」みたいな余裕がある。

一種冷めてる感じというか。

だけど古川トートはシシィをめっちゃくちゃに溺愛してた。

恋してたね!
古川トートは、自分からこんなに好きになるなんて初めてで、空回っちゃうという感じ。

良かれと思ってしたことでどんどんシシィに嫌われて…。なんかもう不器用すぎて応援したくなったよね。

さっきも言ったけど、井上芳雄は帝王だけど、古川雄大はプリンス。良い育ちで、まだ恋を知らないというか。ピュアだよね。
ピュアかな?私の中では女遊びもしてきたイメージなんだよね。

きっと黄泉の国ではとてもおモテになって、女に不自由したことないんだけど、シシィほどのめり込んだ相手は初めて、的な。

「俺と二人きりになれるんだよ?嬉しいでしょ?」って迫ってくる感じが、今まで女にチヤホヤされてきて、「俺と一緒=ご褒美」という認識になっちゃてるんだろうな、とか思った。

俺としては彼はザ・プリンスだね。そういうところはゴリゴリに演劇畑の人はおそらく出せないのでは?と思う。2.5次元とかディズニーダンサー出身だからこそなのかな。
私の中で印象的だったのは、シシィの長女を死なせた時。

それまでは自信たっぷりだったのに、シシィに拒絶されると急にオロオロしだして、「僕のこと嫌いだなんて嘘だよね?怒らないで?ねっ??」って感じで優しく近づいてきて、抱きしめるときは「お前は俺の物なんだから逃げられると思わないでよ!?」みたいにキツく締め上げる。

プリンスどころか、これめっちゃDV男じゃん!!ってなったよね。

確かに(笑)
芳雄トートは黄泉の帝王としてのプライドがあって、人間と同じ土俵に立とうとしないから、フランツのことも「人間なんぞ俺様の相手にもならん。この虫けらめ」って思ってるように感じたんだけど、古川トートはめちゃめちゃ嫉妬深そうだった。

恋のためならめちゃめちゃ人間の土俵に降りてきてくれる黄泉の帝王。

 

ストーリーテラー以上の存在感

成河は悪夢の場面で過激な巻き舌でフランツの名を呼ぶけど、もはやプロレスの呼び込みみたいになってたね。
成河は終始歌の場面もセリフだった、演劇の発声で音をメロディーに乗せているというか。歌を聴くという側面からは満足はしてないけど、演劇畑だとこういうルキーニになるんだと凄く面白かった。
「役者はまず声が大事!」というのを体現していたね。とにかく良い声だった。

台詞は発声のしっかりした芯のある声なのに、歌い出すとイケメン声になるのとか、面白かった良かったよね。

腹から声出てんなー。演劇人だなー。って思った。
成河って一人だけ小劇場みたいな芝居するじゃない?

初めて『エリザベート』に出演したとき、それが世界観に全く馴染んでいな異様に見えて、正直苦手だった。

院の先輩方にはとても好評だったのだけど、私は物語から浮いている感じが受け入れられなくて。

だけど、今回その浮きまくってるマッドな感じから、「この話は全てルキーニの頭の中ででっちあげられたこと」という説得力をものすごく感じた。

今年は山崎育三郎のルキーニを最初に見たけど、山崎育三郎は自分の話に酔っている、だからこそ最後に首を括るシーンの残酷性が高まっていて、本人も凄く暴れていたよね。

でも、成河は自分に酔っているのではなくて、元から狂っているので最後のシーンには憐れなものを感じた。

ただのストーリーテラーというより、この物語の真の支配者って感じがしたな。

 

アイドル王子<骨太な王位後継者

木村ルドルフの時は、まっすぐで純な性格をトートに焚き付けられ、いいように弄ばれた感じに見えたんだけど、

京本ルドルフは、トートに背中を押されてはいるけど、自分の意思によるクーデターに見えた。

自分は幼いが故の過ちというか、幼少時代からの繋がりが見えた。子供のまま成長してしまったのだと。
京本ルドルフの魅力のひとつに、ジャニーズで鍛えたキラキラのダンスがあると思う。

特にこれまでは踊れないトートだったので、「さすがアイドル」というダンスは魅力的だった。

けど、今回はゆんが踊れるし、そういう所以外も注目できたかな、と思う。

京本くんも良かったけど、やっぱり俺は木村くんのルドルフ推しだから!
いやマジどんだけ好きなん?笑

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