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劇団四季「パリのアメリカ人」感想・評判 | 見るべきか・見ないべきか?作品の魅力を徹底解説!


劇団四季「パリのアメリカ人」感想・評判 | パリアメ見るべきか・見ないべきか?作品の魅力を徹底解説!

1月26日、東急シアターオーブにて上演中の劇団四季「パリのアメリカ人」を観劇してきました。

今回は、ミュージカル大好きな二人が作品の魅力を解説します!

  • 「ダンスの多い作品だけど楽しめるのかな?」
  • 「キャストの評判はどうだろう」
  • 「映画とどんなところが違うのかな?」

と観劇前の疑問から、

  • 「あのセリフの意味はどういうことだったのだろう」

観劇後の疑問まで、幅広く二人で徹底討論しました。ぜひ、最後までご覧ください。

 

※劇団四季「パリのアメリカ人」プロモーション動画

※製作発表動画

 

【キャスト】

ジェリー・マリガン 酒井 大
リズ・ダッサン 石橋杏実
アダム・ホックバーグ 斎藤洋一郎
アンリ・ボーレル 小林 唯
マイロ・ダヴェンポート 岡村美南
マダム・ボーレル 秋本みな子
ムッシュー・ボーレル 味方隆司
オルガ 木村智秋
ミスターZ 金久 烈

<アンサンブル>

吉岡慈夢 篠原真梨子
ツェザリモゼレフスキー 吉村菜奈子
照沼大樹 森田美穂
田中勇人 武田恵実
皆川知宏 塩住珠希
高橋伊久磨 藤本典子
渡邉寿宏 村上今日子
山崎遥香 (22日~25日)
森 真琴 (26日~27日)
平井佑季

 

舞台転換にまでストーリーが込められている

「パリのアメリカ人」率直な感想としてTwitterでもつぶやいたけど『自分の好きなタイプの作品』だった。表現主義的な舞台セット、ファニーな動きの入ったバレエ、照明の使い方も上手だし、視覚がバシバシ刺激された。

どのシーンも目に焼き付けたいという感じ。今どきの言い方だと「インスタ映えするシーンの連続」。

私が一番素敵だな、と思ったのは場面転換の仕方!

この舞台は、場面転換の過程を見せてくれる。

たとえば?
吊り物(セット)をただまっすぐ降ろすんじゃなくて、斜めに降ろしたり。そこへ映す映像も、その場で画家が描いているように線がだんだんと描き加えられて建物が完成していく。

セットの出ハケも、女性がピアノの上でポーズをとって、男性が数人でそのピアノをゆっくり回しながらハケたり。

椅子を出すときも、アンサンブルが椅子を頭の上に掲げてダンスしながら入ってくる。

舞台転換すらダンスで、ストーリーの一つで、視覚芸術として成り立ってた。

 

舞台セットはボブ・クローリー。「アイーダ」「メリー・ポピンズ」でトニー賞も受賞しているベテラン。
メリーもそうだけど、「パリのアメリカ人」は出てくるセットがとてもシンプル。

シンプルっていうのは手がかかって無いってことじゃなく、余計なものが無いってこと。

シンプルなセットに鮮やかなイラスト調の映像の組合せ。とってもセンスが良い。

吊り物以外のセットは、全部役者たちが手動で動かしているのも良かった。

演出家は、舞台セットがゆっくり組まれていく過程を、戦争で破壊されたパリの街を人々が時間をかけて再生してゆく過程として表現してるんだって。
そうだったんだ。私はパリの再生とまでは読み取れなかったけど、場面転換にストーリー性を持たせているってこと自体に感動して観てたな。
ワクワク感のあるガーシュウィンの音楽に、セットがマッチしてたよね。
本当に!目も耳も本当に幸せな2時間50分だった。

 

パリのアメリカ人の正体

巴里のアメリカ人 (字幕版)

気になったのは、映画版もミュージカル版もアメリカ人の芸術家たち(画家のジェリーと音楽家のアダム)は、いわゆるヨーロッパ的な「芸術」を求めてパリに残っているじゃない?

日本人にも、「芸術家になるならパリに行かなきゃ」みたいな感覚が昔から根強いと思うんだけど、アメリカ人にもヨーロッパやパリへの憧れ、コンプレックスみたいなのがある。

でも、今回面白かったのはパリの人達(アンリやその両親)は、アメリカ的なジャズが大好きってこと!

舞台セット、音楽、ダンスと様々な視点からパリとアメリカの対比を見ることができそうだね。

ちょうど、第二次世界大戦後に芸術の中心がヨーロッパからアメリカへと移ってゆく。そういう文化的背景もこの作品から感じた。

マイロが破り捨てられたジェリーの絵を組み合わせて新しいものを発見する。それが、アメリカで生まれる抽象表現主義やカラーフィールドペインティングの兆しだったのかなと。

そうなの?
衣装デザインは戦前に活躍していたモンドリアンっぽいっていう声もあるけど、最後のバレエの舞台セットや、吊り下げられていた大きな物体に色がどこまでも広がってゆきそうな感じに、自分は戦後に活躍する画家バーネット・ニューマンを思い起こした。

彼はポーランド系ユダヤ人の移民の子供で、ニューヨーク生まれ。ガーシュウィン兄弟とも年齢はそこまで変わらないので、同じ時期にニューヨークで過ごしていたのかもね。

映画版だと、アンリは実はジャズを否定して「ワルツこそ素晴らしきヨーロッパの音楽だ!」と言ってる。

ミュージカル版はそういうアメリカからの憧れやコンプレックスだけじゃなくて、クロスオーバーな目線を入れ込んだことも、現代になってミュージカル舞台化した意義だったのかな、と思ったりも。

パリとアメリカ、そういった文化の差を作品に埋め込むことで、差を乗り越える人間のドラマを生み出している。

アメリカ⇄ヨーロッパという構図が様々な領域で見られて、そこも面白いよね。

映画版では、ジェリーに扮したジーン・ケリーがことあるごとにパリの町でタップを踊りまくるじゃない?彼はまさしく「パリのアメリカ人」だった。

でも、ミュージカル版ではジェリーは最初からバレエを踊る。それでは「パリのアメリカ人」にはなれない。

一方で、ミュージカル版では、アダムは「人生はそもそも真っ暗なものなんだ、だったら音楽ぐらいは楽しいものでいいんだ」って気づいて「パリのアメリカ人」というシンフォニック・ジャズを作るよね。
暗くて陰鬱な、いわゆる「芸術」的な音楽を作っていたアダムが、終盤でアメリカ的な明るい音楽を書き上げる。リズの言う通り、このミュージカルではまさにアダムが「パリのアメリカ人」だった。

ミュージカル版ではアダムの役割がとても大きくて、作曲のガーシュウィン自身とも重なる役になっていたね。

アダムはユダヤ人だと言っていたけど、ガーシュウィンもユダヤ系。やはり繋がりを感じるよね。

ガーシュウィンはジャズとクラシックを融合させていくわけだけど、そんな彼の音楽性を表現したのがこの舞台だったのかなと思った。

 

バレエって面白い

※「パリのアメリカ人」海外公演の紹介動画

ディズニー・ミュージカルなどの劇団四季のイメージと本格的なバレエが結びつかなくて、ダンス面に不安を感じている観客もいると思うけど、そこはどうだった?
私、ミュージカルで歌のないダンスだけのシーンが長く続くと、退屈してしまうタチなの。

だけど今回は、むしろ歌も台詞もいらない、ずっとダンスだけでも良うほどダンスが素晴らしかった。

「ダンスシーンが多すぎて退屈だった」という口コミや評判が少なからずあるのだけど、実際は「白鳥の湖」のようなガチガチのクラシックバレエだけでなく、様々なジャンルのダンスで構成されていたよね。

レパートリーが多くて、ダンスに飽きは全くなかった。

バレエファンには、クリストファー・ウィールドンの振り付けが見られるというのも魅力的だと思う。

バレエといっても、クラシックバレエから、モダンバレエ、さらにモダンダンスっぽい振り付けでも【重力を感じさせない系】【重力を感じる系】といった幅広さがあって、見ていて本当に飽きなかった。

※クリストファー・ウィールドン振付のバレエ「不思議の国のアリス」

あと、主演二人に、アンサンブルのダンサーもレベルが高くて、あとで経歴を見たら、過去にバレエで実績を残した人たちが出演していることを知って納得したよ。

 

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外部のバレエダンサーが演技していたことについてはどう思う?
台詞や歌に関しては、やはり完璧ではないなと思う。それは、彼に演技力がないとか、演技が下手だったという意味ではない。

彼の演技の表現手段はダンスなのであって、ダンスの中に十分演技を見たよ。

ただ、素晴らしいダンスの中でも岡村さんの歌唱は輝いていたなと。

岡村さんの歌本当によかったね。
カーテンコールも、岡村さんが一番拍手をもらってた。

彼女の存在が、この作品をミュージカルにしていたと言っても過言ではない。

でも、バレエ版『パリのアメリカ人』も見てみたいけどね。

 

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で、誰派?

リズはジェリーを選ぶけど、あの三人の中なら誰がいい?
完全にアンリだわ!

 

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今回は劇団四季「パリのアメリカ人」の感想をお届けしました。

東急シアターオーブでは2019年3月8日まで、KAAT神奈川芸術劇場では3月19日から5月31日まで上演されます。

とても良いミュージカルなのでもしお時間あればぜひ!

劇団四季「パリのアメリカ人」公式サイト

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