2018年に上演される帝国劇場ミュージカル「ナイツ・テイル」ネタバレ・あらすじ【DVD発売の可能性について】
2018年7月から帝国劇場。9月から梅田芸術劇場メインホールにて堂本光一&井上芳雄主演ミュージカル「ナイツ・テイル」の上演が決定しました。
多くの人がジャニーズとミュージカル界のトップスターが競演するというニュースに興奮したことでしょう。
今回は、ジョン・ケアード脚本・演出の新作ミュージカル「ナイツ・テイル」のネタバレ・あらすじ。
そしてDVD発売の可能性についてご紹介します。
あらすじ
ミュージカル「ナイツ・テイル」はジャコビアン時代に活躍した二人の劇作家が手がけた戯曲を原作にしています。
一人目は「ハムレット」「ロミオとジュリエット」などを世に生み出したあの有名なウィリアム・シェイクスピア。
そしてシェイクスピアの後に国王一座の座付作家となったジョン・フレッチャー。
「ナイツ・テイル」はこの二人が手がけたとされる1634年出版の喜劇「二人の貴公子」(The Two Noble Kinsmen)を原作にしたミュージカル作品です。
メモ
「ナイツ・テイル」はシェイクスピアの喜劇「二人の貴公子」が原作。
基はカンタベリー物語
東宝の公式チラシを見ると原作にジェフリー・チョーサーの名前があります。ハムレットとフレッチャーの「二人の貴公子」は、ジェフリー・チョーサー作「カンタベリー物語」に含まれる『騎士の話』を基に書かれています。
『騎士の話』には、
- ヒュメーン
- テーセウス
- ヒポリタ
- エミーリア
- 妖精
- 三人の王妃
- 三人の勇敢な騎士
- パラモン
- アーサイト
- ウァレーリウス
- ペイリトオス
- 伝令
- 紳士
- 使者
- 召使い
- 求婚者
- 護衛
- 牢番
- 牢番の娘
- 牢番の弟
- 医師
- 四人の田舎者
- 二人の牢番の友人
- 三人の騎士
- ネル
- 田舎娘たち
- 太鼓叩き
- ジェロルド
と数多くの登場人物がいます。
- ヒュメーン
- テーセウス
- ヒポリタ
というギリシャ神話の神や王の名に気づいた人も多いでしょう。
「二人の貴公子」はギリシャのアテネを舞台にしているのです。
主人公は
- パラモン
- アーサイト
と二人の貴公子。そしてテーセウスの妹であるエミーリアがヒロインです。東宝の新作ミュージカルではアーサイトを堂本光一。パラモンを井上芳雄。エミーリアを音月桂が演じます。
メモ
「二人の貴公子」はギリシャのアテネを舞台にした騎士の話
カンタベリー物語について
まず、チョーサーの「カンタベリー物語」を簡単に説明すると、英語ではThe Canterbury Tales。
イングランドの詩人として活動していたジェフリー・チョーサーが14世紀に描いた物語集です。
カンタベリー大聖堂への巡礼の途中の宿で、あらゆる身分・職業の人々が自分の知っている物語を順番に話してゆく形式を持つ物語集です。「二人の貴公子」のような騎士道物語、寓話、説教、韻文世話など多種多様なジャンルで成り立っています。
『騎士の話』は総序の次話としてメジャーな物語。さらに付け加えれば、この物語はジョヴァンニ・ボッカッチョの叙事詩「Teseida delle nozze di Emilia」に基づいています。
東宝のチラシにも原作ジョヴァンニ・ボッカッチョとしっかり書かれていますね。
ネタバレ
では、ここではネタバレをご紹介します。ラストの結末までさらっとご紹介しますね。
従兄弟のパラモンとアーサイト二人がエミーリアに恋に落ちる
テーバイの王族(テーバイ王クレオンの甥)。かつ従兄弟、そして親友でもあるアーサイトとパラモン。
彼らの暮らす都市テーバイは敗戦した後。セーセウス公によって捕虜としてアテネに二人は連れてこられる。最初はお互いに励ましあっていた。しかし、牢獄の窓から二人は美しいエミーリア王女に同時に一目惚れし、同時に恋に落ちる。
この恋により、二人の友情は突如不和になり、相手を裏切り者と罵り合う敵同士となる。
アーサイトはアテネから国外追放される。だが、エミーリアへの恋ゆえに変装してアテネへと戻り、エミーリアの従者となる。
一方でパラモンは牢獄に残されるのだが、牢番の娘がパラモンに恋をした結果。娘はパラモンを脱走させる。
パラモンとアーサイトは決闘
そして、パラモンとアーサイトは再会。その再会をセーセウス公に見つかる。二人はセーセウス公から100人対100人の大がかりな決闘を提案される。二人はこの決闘を受け入れる。
パラモンに恋をして脱走させた牢番の娘だったが、結局パラモンに捨てられ、気が狂ってしまう。一方でその娘に恋をする求婚者はパラモンに変装し、気が狂った娘を治そうとする。
決闘の前。神に勝利を祈るアーサイト。エミーリアとの結婚を祈るパラモン。二人の無事を祈るエミーリア。
決闘ではアーサイトがパラモンに決闘に勝利する。しかし、決闘の後に落馬してしまう。アーサイトは、かつて深い友情を築き上げた従兄弟のパラモンにエミーリアと結婚するよう頼み、生き絶える。
東宝版ではこうなる!
つまり、堂本光一と井上芳雄が従兄弟。仲の良い二人は音月桂演じるエミーリアに恋をして、仲違いになる。
エミーリアと結婚をかけて勝負。堂本光一演じるアーサイトが井上芳雄演じるパラモンに勝利するものの、落馬し、パラモンにエミーリアを託して死ぬ。
という展開になると思います。
今までの上演歴
宝塚歌劇団
日本では2009年に宝塚歌劇団月組が宝塚バウホールで上演しています。主演は後に月組男役トップスターになる龍真咲。そして花組男役トップスターとして現在も活躍する明日海りお。
パラモンに龍真咲。アーサイトに明日海りお。エミーリア役には「ME AND MY GIRL」サリーなどを演じた羽桜しずくが起用されました。他にも、蘭乃はなや珠城りょうが出演しています。
この作品はジョン・ケアードら海外のクリエイターの作品ではなく、「ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-」「幕末太陽傳」など高い評価を作品を手がけてきた小柳奈穂子が脚本・演出を手がけました。
個人的に小柳奈穂子の作品はとても好きなので、「二人の貴公子」再演してくれないかと待ち望んでいます。
メモ
宝塚では2009年に上演。パラモンに龍真咲。アーサイトに明日海りお。
松竹
また、同じく2009年に蓬莱竜太脚本、栗山民也演出の「二人の貴公子」を基にした松竹製作「赤い城黒い砂」が上演されています。この作品は片岡愛之助、中村獅童、黒木メイサが出演しました。
DVD化の可能性
「二人の貴公子」は今までに一度も映像化されていない唯一のシェイクスピア作品だと言われています。堂本光一主演のEndless SHOCKもDVD化されていますし、ブロードウェイ作品でもない全くの新作ミュージカルなので、東宝からのDVD化は十分にあり得ますね。
【「ナイツ・テイル」帝国劇場・梅田芸術劇場 公演情報】
キャスト
- アーサイト:堂本光一
- パラモン:井上芳雄
- エミーリア:音月桂
- フラビーナ:上白石萌音
- シーシアス:岸祐二
- ジェロルド:大澄賢也
- ヒポリタ:島田歌穂
スタッフ
- 脚本・演出:ジョン・ケアード「レ・ミセラブル」「ダディ・ロング・レッグズ」
- 音楽・歌詞:ポール・ゴードン「ジェーン・エア」「ダディ・ロング・レッグズ」
メモ
「ダディ・ロング・レッグズ」を手がけた二人の新作。
公演スケジュール
プレビュー
帝国劇場
2018年7月25日・26日
本公演
帝国劇場
2018年7月27日〜8月29日
梅田芸術劇場メインホール
2018年9月18日〜10月15日
チケット発売日
5月13日(日)~17日(木) はがき抽選
6月5日(火)~8日(金) 東宝ナビサーブ先行抽選
6月23日(土) 一般発売
■ローソンチケット:0570-084-713
■チケットぴあ:0570-02-9920
■CNプレイガイド:0570-08-9955
メモ
東宝ナビサーブ・梅田芸術劇場会員先行。ハガキ抽選。プレイガイドでの一般発売を予定。
キャスト経歴
堂本光一
1979年1月1日(39歳)兵庫県出身。ジャニーズ事務所所属。KinKi Kidsのメンバー。
2000年に「MILLENNIUM SHOCK」で帝劇最年少座長に抜擢。2005年からは脚本・演出・音楽も手がけた主演作「Endless SHOCK」が上演され続けている。
井上芳雄
1979年7月6日(38歳)福岡県出身。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。妻は知念里奈。
2000年に「エリザベート」ルドルフでデビュー。代表作に「モーツァルト!」ヴォルフガング・モーツァルト役。「ダディ・ロング・レッグズ 〜足ながおじさんより〜」ジャーヴィス役。
またストレートプレイへの出演も多い。
音月桂
1980年6月19日(37歳)埼玉県出身。元宝塚歌劇団雪組男役トップスター。
在団中に「ロミオとジュリエット」 ロミオや「JIN-仁-」南方仁などを演じる。退団後はミュージカルだけでなくテレビやラジオと幅広く活動。1月より放送のドラマ「越路吹雪物語」に出演。
上白石萌音
1998年1月27日(19歳)鹿児島県出身。妹も女優として活動する上白石萌歌。
2011年に東宝「シンデレラ」オーディションで審査員特別賞。映画「舞妓はレディ」で主人公の春子役を演じる。ミュージカルでは「赤毛のアン」アン・シャーリー役など。
岸祐二
1970年9月28日(47歳)東京都出身。
「激走戦隊カーレンジャー」などのテレビドラマから「ストリートファイター」の声優まで幅広く活動。ミュージカルでは「レ・ミゼラブル」ジャベール役など。
大澄賢也
1965年10月26日(52歳)静岡県出身。
ダンサーとして活動後、ミュージカルでは「DRACULA」「シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜」に出演。近年では「Messiah メサイア-翡翠ノ章-」など2.5次元系の作品にも出演している。
島田歌穂
東京都出身。
1987年「レ・ミゼラブル」日本初演のエポニーヌ役に抜擢。世界ベストキャストにも選ばれ、エリザベス女王陛下御前コンサートに日本女優としては初出演。
2018年にはミュージカル「メリー・ポピンズ」へも出演。