今回の記事では、2017年5月12日に日本で公開される最新マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の評価・感想をお伝えします。
果たして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は前作より面白いのか?『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は見るべきなのか?
あらゆる疑問に答えます!
さあ、ついにマーベルファンお待ちかねの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開されました!
2014年に公開された前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は高い評価を得たゆえに続編での期待も高い中、本作は見るべき作品であるかどうか。評価はどうなのかといった点をじっくり解説したいと思います。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の感想&評価!3つの点をクリアできるのか?!
私がこの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を評価する上で重要にしているポイントは3つ。
①アクションの楽しさ
②キャラクターの深み
③ストーリーへの深み
この視点でのリアルな感想を率直にお伝えします。
①アクションの楽しさ
おそらく、本作は大人から子供まで楽しめる作品です。「なんだか面白そうだから行ってみよう!」「アニメよりもアクションものが見たいからこれにしよう」という気軽な感覚で映画館に足を運ぶ観客も多くいるのです。
そういう点では、他のマーベル作品に比べ、観客の幅広い層を受け入れられる素晴らしい作品だと言えます。
では、幅広い層を楽しませるのに大切なのなのは何か?子供を楽しませるのに重要なのは何か?
それは濃厚なラブストーリーでも、複雑なトリックでもなく、派手に作り込まれたアクションです。戦闘シーンがあっさりしすぎていたり、ハラハラドキドキ感が味わえなかったらアクション映画としては楽しめないのです。
鑑賞後の感想
アクション最高!いきなりアクションからはじまるスリリング感はまるで「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
しかし、描きた方が上手すぎる!小さなベビー・グルートをいかにして新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の世界観に馴染ませるのか気になっていたのですが、
可愛さを前面に押し出してきました!
エレクトリック・ライト・ オーケストラの「ミスター・ブルー・スカイ」で踊るベビー・グルート。
上映前の映画の宣伝で『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』が流れたのですが、コトラよりも可愛い。オープニングで観客全員にグルートへの親心を抱かせます。グルート出せばそれだけで喜ぶ。そんな状況を作り出した監督の手腕に拍手!
アクション、戦闘シーンが数々登場しますが、これでも死なないのか!?やられないのか!?と現実に覚めてしまう一歩手前の見事にギリギリのラインで描かれており、数々多くのアクションシーン。一度も飽きませんでした。
ヨンドゥの武器ヤカが最強すぎてちょっと冷めてしまった観客の心は、最後のシーンでちゃんと取り返します。どれだけヨンドゥがすごかったのかと。
②キャラクターの深み
続編が前作を超えるのが難しいと言われる一番の理由がここです。
初めて見た観客なら前作と同じキャラクターの描き方でも良いですが、すでに前作を見ているファンにとって同じレベルでキャラクターを描かれても満足することはできません。
ピーター・クイルの過去や、ガモーラの過去、そして新しいキャラクターの登場、キャラクターの生死など、物語はキャラクターレベルで深く掘り下げられなければ、アクションがいくら良くたって、音楽がいくらかっこよかったって、ストーリーは自然と浅はかなものへと変化してしまいます。
重要なのは、新しいキャラクターであるエゴの存在。クイルの父親であると名乗る謎の存在です。彼とクイルの関係があっさりしていたり、エゴがつまらない理由でクイルの父親であると嘘をついているレベルであれば、作品は崩壊するでしょう。
鑑賞後の感想
エゴはピーターの実の父親でした。最初は父親の可愛いたくらみに対して殺すまでしなくてもと心残りがありましたが、可愛いたくらみが凄まじく悪いたくらみだと分かると大義名分が立ち、観客の勧善懲悪の心に火を灯し、見事に悪を倒す快感を与えてくれました。
キャラクターの生死…ちゃんとマーベルはこのポイントをつかんでいました。ストーリー的には勧善懲悪で観客の快感を生み出しながらも、悪にも善の心があるというハートフルな人物の描き方に観客でウルっとこなかった人はいないでしょう。
③ストーリーへの深み
ストーリーに納得するには、物語の必然性や妥当性、登場人物たちへの共感によって生み出されます。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は続編である第3作目が今後製作予定ですが、その前に2018年公開の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にピーター・クイルが登場します。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にピーター・クイルをつなぐ理由が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』にあるはずですが、それが非常にちゃちなものであると作品全体の整合性が問われてきます。
鑑賞後の感想
勧善懲悪、悪にも善の心があるというキャラクターの描き方、最高のアクションに、数々の音楽や名作へのオマージュ。
そして他のマーベル作品へ言及したことで世界観の広さや、次作へ期待を抱かせるオチ。
全てがパーフェクト。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の海外映画サイトの評価ランキング
ここでは、今までのマーベル作品の中で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』への評価の位置付けをお伝えします。
客観的な評価はいかに!
今までは私の評価&感想でしたが、ここからは映画サイト、つまり何万もの観客が投票した客観的な評価をご紹介します。
比較対象はフェーズ2&フェーズ3
参考にしたのは海外最大の映画レビューサイトであるロッテン・トマト。比較対象にしたのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第1作目が含まれるフェーズ2、そして『ドクター・ストレンジ』など現在公開されている映画が含まれているフェーズ3の作品群です。
Marvel Cinematic Universe
同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズでは、作品を3つのフェーズに分けています。それがフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3なのです。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』はフェーズ3の3作目。全体では15作品目になります。
フェーズ2全6作品、フェーズ3の3作品の中で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』はどの順位なのか。
海外最大の映画レビューサイトであるロッテン・トマトの点数で比較
監督や公開日、キャストの情報を含めてご紹介します。また、ロッテン・トマトでは作品へ肯定的な評価をした人数のパーセンテージが作品への評価になっています。
つまり90%であれば100人中90人が肯定的な評価を下したということです。
それでは発表しましょう!
9位 71.5% マイティ・ソー/ダーク・ワールド
- 公開:2013年11月8日(フェーズ2)
- 監督:アラン・テイラー
- キャスト:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン、アンソニー・ホプキンス、ステラン・スカルスガルド、イドリス・エルバ、浅野忠信
- 批評家:66%/観客:77%
8位 78.5% アイアンマン3
- 公開:2016年5月3日(フェーズ2)
- 監督:シェーン・ブラック
- キャスト:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、ガイ・ピアース、レベッカ・ホール、ジョン・ファヴロー、ベン・キングズレー
- 批評家:79%/観客:78%
7位 79% アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
- 公開:2016年7月17日(フェーズ2)
- 監督:ジョス・ウェドン
- キャスト:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ポール・ベタニー、ジェームズ・スペイダー
- 批評家:75%/観客:83%
6位 83.5% アントマン
- 公開:2016年7月17日(フェーズ2)
- 監督:ペイトン・リード
- キャスト:ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、コリー・ストール、ボビー・カナヴェイル、マイケル・ダグラス
- 批評家:81%/観客:86%
5位 85.5% ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス
- 公開:2017年5月5日(フェーズ3)
- 監督:ジェームズ・ガン
- キャスト:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カート・ラッセル
- 批評家:81%/観客:90%
4位 88.5% ドクター・ストレンジ
- 公開:2016年11月4日(フェーズ3)
- 監督:スコット・デリクソン
- キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ティルダ・スウィントン
- 主な受賞:アカデミー視覚効果賞ノミネート
- 批評家:90%/観客:87%
3位 89.5% シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
- 公開:2016年5月6日(フェーズ3)
- 監督:ジョー&アンソニー・ルッソ
- キャスト:クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、エリザベス・オルセン、ジェレミー・レナー、チャドウィック・ボーズマン、トム・ホランド
- 批評家:90%/観客:89%
2位 90.5% キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
- 公開:2014年4月4日(フェーズ2)
- 監督:ジョー&アンソニー・ルッソ
- キャスト:クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、ロバート・レッドフォード、サミュエル・L・ジャクソン
- 主な受賞:アカデミー視覚効果賞ノミネート
- 批評家:89%/観客:92%
1位 91.5% ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
- 公開:2014年8月1日(フェーズ2)
- 監督:ジェームズ・ガン
- キャスト:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ジャイモン・フンスー、ベニチオ・デル・トロ
- 批評家:91%/観客:92%
評価を比較した結果
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の評価は全体の5番目でした。総合評価は85.5%、つまり100人に面白かったかどうか尋ねたら89人くらいは面白かったと答えるということです。
ただし、批評家の評価が81%、観客の評価は90%。観客の評価は『ドクター・ストレンジ』よりも面白く、批評家的には『アントマン』と同じくらいの出来だったと言えます。
観客の評価が高く、批評家の評価がそこまでということは、内容的には満足できるが、目新しさはあまりないと考えられます。
鑑賞後思ったこと
なぜ批評家の評価が低いのか分からないほど最高に面白い作品でした。
確実に「ドクター・ストレンジ」「キャプテン・アメリカ」以上。
まさか、マーベル作品、それもコメディに特化した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで感動で涙があふれるとは思わなかった。
エゴとの戦い、アクションも倒し方が分からなくなるまで追い詰められたりとスリル感があり、そのエゴとの戦いのクライマックスにもコメディ要素をきちんと入れる徹底さ。
ガモーラとピーター・クイルの恋の行方にも展開があって、わざわざ観客をじらして視聴率を下げないようにする海外ドラマ的な展開にもせず、ちゃんと観客を楽しませる。
続編となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』への伏線としてコミック版でガーディアンズの強敵となるアダム・ウォーロックも登場させ、同じくコミック版で加わるシルベスター・スタローン演じるスターホークも次作に出演する終わり方をします。
そして、マーベル/ディズニー作品だけあってまさかのメリーポピンズ!!!
最初から最後まで観客、ファンを飽きさせなかった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』。
満点です!!!