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ダンス 映像

世界のコンテンポラリーダンス振付家おすすめ8人~これだけはおさえておこう!


世界のコンテンポラリーダンス振付家でこれだけはおさえておきたい8人とはだれか―

今回の記事では、今なお輝き続ける「存命」のコンテンポラリーダンス振付家を、コンテンポラリーダンス初心者にも分かりやすく紹介します。

また、最後には海外コンテンポラリーダンスの公演を数多く上演している劇場をお伝えします。

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2000年代に偉大な振付家3人がこの世を去る

2000年代に3人の偉大な振付家がこの世を去りました。

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1人目は視覚芸術や環境音楽などの「アート」と「ダンス」を結びつける運動をいち早く行ってきたマース・カニングハム。

 

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2人目はあの「ボレロ」を生み出し、そして三島由紀夫を取り上げた作品など、日本文化にも造詣が深かったモーリス・ベジャール。

 

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3人目が、半径50cmの世界を誰よりも上手に表現し続けたピナ・バウシュです。

 

しかし、まだまだ現代には注目すべき振付家がおり、各々が素敵な世界観を表現しているのです(ダンスは着実に進化し続けています)。


 

実は、私自身。学生時代にダンス目当てにドレスデンのゼンパーオーパーやロンドンのサドラーウェルズまで行ったほどのダンスフリーク。

今回はその知識を生かし、現代の振付家やダンサー、観客すべての人に絶大な影響力を与え続けている8名を厳選して選びました。

 

それでは、ご覧あれ!!

 


 

 

2017年現在、世界で最も有名な振付家8人

 

William Forsythe ウィリアム・フォーサイス (1949年12月30日- アメリカ)

フランクフルトバレエ団の芸術監督として1980年代から2000年代にかけて活動後、現在はドレスデンとフランクフルトに基盤をおくフォーサイスカンパニーの主宰であり振付家。

おすすめポイント

視覚芸術とバレエの動きを結びつけた作品が特徴。バレエダンサーの身体的に秀でた部分を誇張したような振付が多く、一言で「スリリングでかっこいい!」。

使用曲は環境音楽が多く、世界観は「The Second Detail」や「In the Middle, Somewhat Elevated」のように宇宙のどこかにある近未来都市を感じさせます。

おすすめ作品①【The Second Detail】

おすすめ作品②【Enemy in the Figure】

 

 

 

Jiri Kylian イリ・キリアン (1947年3月21日- チェコ)

チェコ・プラハ生まれの振付家。

シュツットガルトバレエ団でジョン・クラシコに師事。クラシコ亡きあとは、ネザーランド・ダンス・シアターにて芸術監督に就任。

おすすめポイント

1970年代から今に至るまで作品を作り続けています。舞台装置等に頼った作品作りをせず、ライヒの音楽を使用するように(音楽を使用しないなんてこともある!)、群舞全体がシンメトリーでミニマムな踊りをします。

おすすめ作品①【Petite Mort】

 

 

 

Mats Ek マツ・エク (1945年4月18日- スウェーデン)

スウェーデン出身の振付家。

「カルメン」や「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」などの古典作品から、「Apartment」などの新しい作品まで幅広く独自の振付をしている。

おすすめポイント

マツ・エクの解釈、そして振付の特徴を一言で語ると「病理的」。

背景に性的なモチーフが登場するなど、心理学的アプローチを通して、作品に潜むダークな深層を生々しく表に出しています。

フォーサイスがモダンの振付家であれば、マツ・エクはポスト・モダンの振付家です。

おすすめ作品①【白鳥の湖】

おすすめ作品②【She was Black】

おすすめ作品③【Appartement】

 

 

 

Nacho Duato ナチョ・ドゥアト (1957年1月8日- スペイン)

スペイン・バレンシア出身のダンサーそして振付家。

ベジャールやアルヴィン・エイリーのダンス学校で学び、そしてイリ・キリアンの下で振り付けを行うという様々な要因が彼に影響しています。作風もいろいろなものが複雑に絡み合っている印象です。

おすすめポイント

アルヴィン・エイリーのように、あえて黒人にスポットを当ててもマイノリティは強調しないような、どこか無機質なヨーロッパ的世界観が見て取れます。

*きっとスペイン人ナチョの思うヨーロッパであり、故郷バレンシアでしょう。

おすすめ作品①【Por Vos Muero

 

 

Ohad Naharin オハッド・ナハリン (1952年6月22日- イスラエル)

芸術家の両親のもとに生まれる。22歳の時から踊りはじめる。前妻、後妻とも日本人。2018年までイスラエルのダンスカンパニー"バットシェバ舞踊団"の芸術監督を務めていました。

おすすめポイント

偉大なる振付家マーサ・グラハムに教わった影響か、フォーサイスのようなバレエ系(重力を感じさせない系)ではなく、ピナ・バウシュやマツ・エクのように普通の動きをダンスに変化させる方法が特徴的(重力を感じる系)。

マツ・エク程の「病理」さはないですが、ギエムに宛てたマツ・エクの作品「BYE」に類似したところもあります。

おすすめ作品①

 

 

 

Maguy Marin マギー・マラン (1951年6月2日- フランス)

ベジャールのバレエ学校そしてバレエ団で学び、またピナ・バウシュの「タンツ・テアター」(演劇的な動きをダンス取り入れてゆく)に影響を受けています。

おすすめポイント

ベジャールというよりかは、半径50cmの世界を描くスペシャリストのピナ・バウシュに近いです。

おすすめ作品①【May B】

不条理演劇の大御所であるサミュエル・ベケットの作品に触発され、1981年に上演されました。マギー・マランの国際的な評価を高めた作品です。

 

 

Akram Khan アクラム・カーン (1974年7月29日- イギリス)

ロンドン生まれ。家族はバングラディッシュからの移民。

7歳の時からインドの伝統的踊りである「カタック」を習い始めます。

13歳の時からピーター・ブルック作「マハーバーラタ」の世界ツアーに参加し、それ以降西洋と東洋のダンスをミックスさせて独自の振付、作品を作り始めました。

おすすめポイント

日本ではシルヴィ・ギエムと二人だけで踊る「聖なる怪物たち」で有名。カタックの魅力を現代の人にも分かりやすく感じさせることができる演出で多くのファンから支持を集めています。

あと、舞台セットなどの演出も凝っています。私はアクラムの踊りも好きですが、毎回彼の舞台セットを見るのも楽しみにしています。

おすすめ作品①【聖なる怪物たち】

おすすめ作品②【Chotto Desh】

 

 

Matthew Bourne マシュー・ボーン (1960年1月13日- イギリス)

最後は日本のバレエ・コンテシーンでいまや知らぬ人のいない振付家マシュー・ボーン。

「アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ」を設立し、「くるみ割り人形」から「シザーハンズ」まで広い範囲で、再解釈&振り付けを行なっています。ウエスト・エンド・ミュージカル「メリー・ポピンズ」の振付も担当しました。

作風は「白鳥の湖」や「ザ・カーマン」、「ドリアン・グレイ」のように男性同士の愛を描く点が特徴です(全て報われない、でもそれがまたいい)。

おすすめ作品①【ザ・カーマン】

おすすめ作品②【Swan Lake】

 


 

コンテンポラリーダンス初心者にオススメの振付家ランキング

今ご紹介した8人の振付家から、初心者に最もオススメの3人をお伝えします。

1位 マシュー・ボーン

「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「カルメン」と有名な作品を扱っており、ストーリーも大きく逸れることなく初心者でも分かりやすい内容になっています。ミュージカル「メリーポピンズ」も担当したように、振付もミュージカルに比較的近く「よくわからない…」みたいなことになりません。

8人の振付家の中でも、日本で最も多くの公演が企画されてきたのがマシュー・ボーンです。

 

2位 ウィリアム・フォーサイス

バレエを少しでも見たことある人ならすぐに受け入れられる振付です。コンテンポラリーダンスの中でもピナ・バウシュのような演劇に近い作品ではありません。

ある意味ストーリーを追わず、深く考えずに目の前の綺麗なダンサーさんと、美しい踊りを見られます。ウィリアム・フォーサイスの公演も日本で年に何回か上演されています。

 

3位 アクラム・カーン

インド伝統の踊りカタックを現代的な振付にしており、純粋にカッコいい。コンテンポラリーダンス初心者でも間違いなくアクラム・カーンのダンスを見たら酔いしれると思います。

アクラム・カーンの公演も彩の国さいたま芸術劇場で数年に一度企画されています。

 

 

海外コンテンポラリーダンスの公演が見られる劇場4選

コンテンポラリーダンスの公演が多く企画される日本の劇場を3つご紹介します。

東京文化会館

東京文化会館では、ベジャールの作品が多く企画されます。偉大なる振付家ベジャールの公演を観てみたい人は東京文化会館をチェックしましょう。

 

彩の国さいたま芸術劇場

アクラム・カーン、ピナ・バウシュ、メジャーなコンテンポラリーダンス振付家の公演が企画されています。

 

世田谷パブリックシアター

ここで紹介できなかった今後頂点に立つと期待されるコンテンポラリーダンス振付家や、日本では知名度がまだ低いものの、海外では有名な振付家の公演が企画されています。

 

東急文化村&東急シアターオーブ

東急文化村&東急シアターオーブの東急系列ホールではマシュー・ボーンの公演が観られます。

コンテンポラリーダンス初心者は、最初に文化村やシアターオーブ、彩の国さいたま芸術劇場で企画されている公演を観てみましょう。

また、コンテンポラリーダンスは習うこともできます。神楽坂にあるセッションハウスでは初心者から学べる教室が企画されています。興味のある人はググってみて下さいね。



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