『グレイテスト・ショーマン』ブロードウェイ舞台化の可能性について!映画監督が語る未来図。
今までに舞台化されたミュージカル映画
映画が原作のミュージカル。その中でもヒット作品はブロードウェイで上演されやすい傾向にあります。ジーン・ケリー主演の「雨に唄えば」「巴里のアメリカ人」や、フレッド・アステア主演の「トップ・ハット」など。数えたらきりがありません。
昨年公開された「ラ・ラ・ランド」。アカデミー賞では史上最多タイの14部門ノミネート。ミュージカル映画としては過去最多。
この大ヒット作も2018年以降ウエストエンドでの舞台化。上演が計画されていることは前にご紹介しました。
「グレイテスト・ショーマン」も舞台化の可能性が高い!
そして、2018年2月日本公開で最も注目されているミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」。ヒュー・ジャックマン主演。アメリカの興行師P・T・バーナムによるサーカス団の経営を描いた作品です。
作詞・作曲を手がけたパセク&ポールが「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞。「ディア・エヴァン・ハンセン」でトニー賞を獲得。さらに2018年ゴールデン・グローブ賞でも主題歌賞を獲得。
もし舞台化されても、素晴らしい音楽に彩られた作品になることは容易に想像できます。
一方で、作品内では宙吊りなどサーカスならではのアクロバット。大きな動物たちが登場。これをどう演出するのか。現実的な考えが求められるところです。
実は、舞台化に関してすでに監督であるマイケル・グレイシーがこんなアイディアを出しています。
ミュージカル映画の素敵なところは。作品をそのままブロードウェイ上演へとつなげることができる点です。CGで創作した動物たちは、「ウォー・ホース ~戦火の馬~」「ライオン・キング」のように人形を使って代わりに再現することができます。
なんて魅力的なことなのでしょうか。もちろん舞台化は映画の成功にかかっています。しかし、私は「グレイテスト・ショーマン」が素晴らしい舞台作品になるのではないかと信じているのです。
舞台化されるために必要なこと:評価と興行収入
「グレイテスト・ショーマン」は貧しい家庭の父親だったP・T・バーナムが、興業を通して富や成功。そして、それ以上に愛を探し求めてゆく物語です。ロマンスあり、名曲あり、喜怒哀楽をすべて味わえる作品なので、大衆を惹きつける魅力を持っています。そういった点ではブロードウェイ向きの作品として考えられるでしょう。
また、マイケル・グレイシー監督の発言からは、彼が映画だけでなく舞台化にも今後携わる可能性があることが分かると思います。実際に、グレイシー監督はエンターテインメント・ウィークリーに彼が手掛けた「グレイテスト・ショーマン」のブロードウェイ上演にも言及しています。
彼の言うようにアクロバティックなシーンや、動物たちは演出・舞台美術次第でどうにでもなります。舞台化されるのかどうか。それは、結局興行収入や評価にかかっているでしょう。
では、肝心の評価はどうなっているでしょうか。
以前、このサイトでもお伝えした「グレイテスト・ショーマン」の評価。
3つにまとめれば
- 観客からの評価は2000年以降のミュージカル映画で最高
- 批評家からの評価は低い
- 音楽への評価は高い(ゴールデン・グローブ賞獲得)
となります。音楽への評価が高いと言いましたが、ミュージカル映画にしては曲数が少ないので、舞台化した際には2倍くらい曲を増やす必要があります。
日本公開は2月16日です。「ラ・ラ・ランド」ほど注目されてはいませんが、いかにもハリウッドっぽいミュージカル映画です。
深く考えずパーっと楽しめる作品なので、「ラ・ラ・ランドよりもグレイテスト・ショーマンの方が好き」と思う方も多いでしょう。