これから起業やノマドなど独立して事業を進めて行く人が、事業や心の支えとする本とは何かー
起業家向けのWEBサイトEntrepreneurが12人の起業家から人におすすめしたい一冊を調査し、発表した。また、今回調査した起業家はHootsuiteやWeeblyなど世界中でビジネスを展開している一流スタートアップ企業の設立者ばかりだった。
その結果、デール・カーネギーの「How to Win Friends and Influence People(邦題:人を動かす)」や、ダニエル・カーネマンの「Thinking Fast and Slow(邦題:ファスト&スロー)」など一般的に知られているビジネス書から、「The Alchemist(邦題:アルケミスト)」などの小説まで幅広い本が選ばれた。
つまり、一流の起業家はビジネス書だけでなく、歴史や科学、小説などあらゆるジャンルの書からビジネスに関する知識やノウハウを得て、自分たちの事業に役立てていると言えるだろう。
スタートアップやベンチャーとして起業を目指している人、すでに起業しこれからさらに事業を大きくしようと考えている人は、これらの本を読めば海外で活躍する一流の起業家たちと同じレベルの知識やマインドを得られるかもしれない。
幸運なことに、すべての本が日本語に翻訳され、Amazonで購入できる本であった。
選ばれた本はこの12冊
- ダニーは世界チャンピオン
- ポジティブ心理学が教えるこころのトレーニング
- ファスト&スロー
- 世界でいちばん大切にしたい会社
- 原子爆弾の誕生
- 人を動かす
- アルケミスト―夢を旅した少年
- アメリカからやってきた薬なしで不眠症を治す本
- まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
- ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
- 宇宙飛行士が教える地球の歩き方
- チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」
以下はEntrepreneurに掲載された起業家たちの推薦文を紹介する。
12人のアントレプレナーがいつもおすすめしている本とは
"12 Entrepreneurs Share the Books They Always Recommend"Entrepreneur
目次
ダニーは世界チャンピオン
私は児童書が全般的に好きです。多くの児童書は大人にも良い影響を与えるものばかりです。特に、ロアルド・ダールの「ダニーは世界チャンピオン」はストーリーの素晴らしさや語りの上手さだけでなく、親と子のリレーションシップを学ぶのに最適な本です。
また、ダニーとダニーの父の姿勢には私の起業精神にも良い影響を与えました。
二人は几帳面に物事を進める性格なのですが、物語ではプランよりもパートナーシップや仲間意識を最終的に重要なものと判断し、優先するのです。期待通りにプランが進まない時、私はいつもこの二人のことを心に思い浮かべます。
【Merrill Stubbs/Food52】
ポジティブ心理学が教えるこころのトレーニング
私が薦める本はシャザド・チャミンの「ポジティブ心理学が教えるこころのトレーニング」。
何十年もの調査から、人々がネガティブな考えをどのようにして自信のある考えや行動、感情に変えてゆくのかを明らかにする内容の本です。この本を読み終わった時に、シャザドは事実を語っており、彼のアプローチ方法は実際に使えるものだと確信しました。
ポジティブ心理学の要点とは、つまり「脳をポジティブに考える方向へトレーニングすれば、それだけ幸せを感じやすくなる」ということです。この本を読んだことで、私は毎日脳に休息の時間を与え、活力や集中力を取り戻すようにしました。
【Jessica Dilullo Herrin/Stella & Dot】
ファスト&スロー
私が薦める本はダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」。
カーネマンは最初で唯一のノーベル経済学賞を獲得した心理学者です。他者、感情、人間関係が私たちの意思を決定づけ、意思決定が深いメカニズムに根ざしているという考え方は、今ではより理解しやすく、また受け入れやすいものとなっています。
また、その考え方はビジネスでは基本です、なぜならあなたは誰とビジネスをしてますか?あなたは人々、つまり他者とビジネスをしているのです。この本は、他者をよく理解した上で一緒に働く方法について深い洞察を与える本です。
【Oren Frank/Talkspace】
世界でいちばん大切にしたい会社
「世界でいちばん大切にしたい会社」はジョン・マッカニーとラジェンドラ・シソディアによって書かれた本です。
もしあなたが起業家ならば、決して一つのものの見方にとどまるべきではありません。今紹介した本は、あなたの会社や仕事とは違うワークスタイルからどんな発想が生まれ、またそれがあなたにどう影響を与えるかを見つけ出せる本です。
他の会社の意見に同意できなくても、あなたが意思決定をする際の重要な資料となるでしょう。
【Gavin Armstrong/Lucky Iron Fish】
原子爆弾の誕生
リチャード・ローデスによって書かれた「原子爆弾の誕生」。
内容は、アメリカ合衆国が原子爆弾を作るまでの努力と過程について書かれており、原子爆弾開発の裏側にある「科学」と「テクノロジー」を美しく描いた本。ページをめくるたびに、多くの読者がこの本をノンフィクション小説として読んだとは思えないほど私も内容にのみ込まれた。
原子爆弾を生み出すことのモラル、エゴと人間性のぶつかり合い...ヨーロッパにおけるナチズムの拡大を食い止めるために生み出された最終兵器、すべて理解できる範囲でとてつもない科学の持つ力が描かれている。
本当に良い本だ。多くの人がノンフィクション小説から今までに素晴らしい経験を味わったことがないと思う、きっとあなたにも驚きを与えるだろう。
【Jeff Chapin/Casper】
人を動かす
「人を動かす」はダール・カーネギーによって書かれた本。
善人になるための素晴らしいヒントと青写真が書かれている。「他者の欲しているものに注目をむければ、それはきっとあなたの利益になる」という言葉はとても現実的だ。
【Dave Rusenko/Weebly】
アルケミスト―夢を旅した少年
人からおすすめの本を尋ねられた時、いつも教えるのがパウロ・コエーリョの「アルケミスト」です。一年に一度は読むようにしています。
おそらく、この本は読者によって学ぶことが異なると思います。私にとっては「旅」について考えさせるのです、私の道は私の道であり、その道は私にとって必要な道であり、道を楽しく歩もうと。
あなたの人生に今起きていること次第で学ぶことが変化してくる本ですよ。
【Melissa Ben-Ishay/Baked by Melissa】
アメリカからやってきた薬なしで不眠症を治す本
私が今までに人に薦めてきた本は、まあ私が少し睡眠障害を持っているからでもありますが、ピーター・ハウリの「アメリカからやってきた薬なしで不眠症を治す本」です。
不眠症について書かれた本で、良い睡眠を得るための実生活で使えるガイド本です。私は今までに多くの人にこの本を薦めてきました。理由は、実際は不眠症で悩む人がかなりのパーセンテージでいるからです。実践本でビジネス本ではありませんが、あなたの生活に大きな影響を与える本です。
【Aaron Hirschhorn/DogVacay】
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
ナシム・タレブの「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」を読んで、私は偶然に対する自分の考え方や、意思決定の仕方、物事への解釈方法を変えました。
【Jack Groetzinger/SeatGeek】
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
私が薦めるのはジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則」です。
この本は、特にCEO(最高経営責任者)や起業家に読んでほしいと思っており、卓越した考え方が身につくでしょう。
同じくらい薦めたい本がエリック・リースが書いた「リーン・スタートアップ」。ビジネスを始めたばかりの起業家が会社の作り方を考えるのには最高の本です。
【Matt Ehrlichman/Porch】
宇宙飛行士が教える地球の歩き方
「宇宙飛行士が教える地球の歩き方」はカナダ人宇宙飛行士で、国際宇宙ステーションの指揮官でもあるクリス・ハドフィールドが書いた本です。彼は私の友人でもあり、私が知っている中でも最も勇敢で、高い精神性を持った人間の一人です。
この本は、クリスが宇宙飛行士として体験した信じられないような話が中心に書かれていますが、同時に「不可能に思える目標を現実にする方法」をも紹介しているのです。
私はこの本を、大きな夢を抱き、自分にとっての真実を貫くために努力している人に薦めたいと思います。
【Ryan Holmes/Hootsuite】
チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」
私はトーマス・キャンベルとT.コリン・キャンベルによって書かれた「チャイナ・スタディー」を薦めます。
類まれな研究によって明らかになった、普段の生活で見落としている「食べ物の栄養」が私たちに与える影響、そしてどのようにして「食べ物の栄養」と向き合えば良いのかが書かれています。
この本は「食べ物の栄養」に対する私の考え方を変えました。そして、体力から外見まで人間のすべてに影響を与える栄養の巨大な力を知ることができました。
【Daniella Yacobovsky/BaubleBar】
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