口コミでは高評価!ミュージカル『PIPPIN(ピピン)』の感想をズバリ!「新しいラストシーン」が意味するものとは?
2019年6月22日(土)、ミュージカル『PIPPIN(ピピン)』@東急シアターオーブ を観劇してきました。
当初は行くかどうか迷っていましたが。
ブロードウェイでもトニー賞のリバイバル作品賞を獲得。TwitterなどSNSでの口コミや評判が良く、当日券で観てきました!
※当日券は開演の1時間前で10人くらい並んでいました。少なくとも40〜50席くらいはまだ余裕がありました。
女性のパワーが溢れる新演出版『ピピン』
約10年前に観た『ピピン』では、この役は男性(大澄賢也さん)が演じていて、歌というより踊りで見せている印象だったのだけど、今回の新演出版では歌、踊り、アクロバットに芝居と大活躍。
彼女の歌手的な歌い方もとても役に合っていた。
その辺りは女性演出家というところが影響しているのかとも思ったり。
お茶目でキュートなおばあさまに、みんな心奪われてた。
ピピンのフィナーレでの行動には、彼女(キャサリンを演じている役者)の存在が必要不可欠で、そこがきちんと出来ていないと全て台無しになってしまう。私はすごく納得して観れた。
最近、「メタ」って廃れてきたように思ってたんだけど、ここまでベタにわかりやすくメタ・ミュージカルをされると、やはりオリジナルの古さや時代を感じる一方で、もはや清々しい。
『ピピン』の初演は1972年、寺山が活躍したのも同時期。1971年に上演された「邪宗門」を思い出した。この作品は芝居が虚構の世界に生きていることを、舞台機構を曝け出したりすることで伝えるのだけど、最後のピピンの方が「エンターテイメント」に注目して、その汚いところも美しいところも描こうとしていたと思う!
フィナーレに思うこと
ハードワーク以外に、頭を使って業務を効率化したり、社員のワークライフバランスを考慮することで、むしろパフォーマンスを上げたりできないのか。
でも、そういった組織に入っていると、周りが見えなくて、手段が目的化していって、簡単に火に飛び込むし、簡単に会社に従うようになるというのは良くある話かと。
周りが見えないときに、助けてくれるのは、「そんなことしなくても、あなたなら大丈夫」といってくれるまさに、「愛」のある人なんだよね。
ピピンにとって、自分を変える出来事は、テオとの出会いと、キャサリンとの出会いがあった。
自分以外の悩みを解決する責任感をテオから学び、自分のため以外の目的にも意味があることを知る。
そしてキャサリンからは愛をもらう。愛って偉大だなと。例え「自分はダメだ」「自分はこんな人間だ」と思っていても、自分から見えない「もう一人の自分」を見つけ出してくれることで、生きる意味を与えてくれる。
クリスタル・ケイが教祖で。
生きる意味や、より良い人生を教えてあげると誘い込んで、殺していくような…
新しい主人公を得て続くピピンの旅
「ピピンは”ただそこにある幸せ”で充分だなんて言っていたけれど、あなた達は今日も私たちを求めて劇場にきているじゃない?」
「あなた達にはどうしたって私たちが必要なのよ?」
そう言われてる気がした。まさにその通りで、劇場がなきゃ生きていけないし、今日も明日も「何かドキドキすること」を求めて劇場に行ってしまう自分がいる。
男性キャストについて
主役が日本人顔じゃないことで、色んな人種のキャスト陣が集まってまとまっている印象を持った。