4月29日(月)、宝塚大劇場で宙組「オーシャンズ11」を観劇してきました。
早速、作品の感想をご紹介します!
目次
1幕ラストで際立つ、真風の"背中で語る男役力"
1幕のラストは、オーシャンズのメンバーが観客に背中を向けて舞台後方に歩いて行くシーンです。
11人のメンバーの中でも、特にダニー・オーシャン役を演じる真風の"背中で語る男らしさ"に心打たれました。
個人的なエピソードですが、真風が夢に出てきたとき、男である私は初めて宝塚のスターに"ドキッ"としました。
男さえもときめかせる真風の男役力。
特にあの場面は今まで感じたことないくらい最高にかっこ良かったです。
真風涼帆の語尾「だぁあ⤴️」炸裂
真風って台詞の語尾に独特な癖がありますよね、
語尾があ行、特に"だ"の時には、「だぁあ⤴️」と揺れながら伸ばす。
例えば、オーシャンズ11では
テスにビンタされた後、「快感だ」という台詞があるのですが、
その時も例にもれず、「快感だぁあ⤴️」と言っていて、私たち夫婦には方言のように聞こえて、不謹慎ながら面白かったです。
ですが、真風の台詞回し自体はゆっくりと波打つように心地よいものなので、聴きやすくてとても好きです。
あと余談ですが、真風って歌うときも喋るときもあまり口閉じませんよね。妻に言われて気づきました。
オーラを増した桜木みなと
桜木みなとの今までの私たちのイメージは「可もなく不可もない優等生タイプで、逆に少し面白みに欠ける男役」でしたが、それが悪役ベネディクトで覆されました。
前々から弱点があるとすれば歌かなと思っていましたが、今作ではそれも克服され、重要なソロナンバーを堂々と歌い上げていました。
芝居面でも、テスには優しく紳士的な笑みを向ける一方で、手下たちに声を荒げ、感情を爆発させる。表裏の顔を見事に演じていました。
妻は、桜木みなとの持ち味である優等生的品の良さを発揮しつつも、「どんな手を使ってものし上がってやるんだ!」という上昇志向、貧乏人根性のようなものが感じられ、最後に大金を失っても諦めないベネディクトを、つい応援したくなったそうです。
妻は常々、「優等生タイプに見られがちな海宝(直人)さんは殻を破るためにも、腹黒で、裏で女を泣かせるような悪い役をやれば良いのに、絶対似合う」と言っていましたが、まさにそれが桜木みなとにも当てはまったと思います。
この役でトップに続く梯子をがっしりと掴んだように感じました。
また、桜木みなとファンの皆さんは、パレード階段降りの"お辞儀のタイミング"にどうやって拍手を合わせているのか気になりました。私は、あの独特のタイミング&素早いお辞儀に惑わされました(笑)。
演技面でもすごく信念を持っていると思います、「周りがこうだから」といったルールや感覚に流されない姿勢は、お辞儀にも通じるところがあると思いました!
ダンスで魅せた和希そら
和希そらのダンスは「ウエストサイドストーリー」のアニータで圧倒された記憶がとても強いのですが、今回もダンスを披露するシーンが多く、彼女の魅力を存分に味わうことができました。
特に登場の場面。シカゴの電車で次々とスリをはたらくシーンでの群舞は、和希そらの持ち味である"キレのあるダンス"を披露していて、非常にワクワクしました。
また、偉大な父のプレッシャーに押しつぶされそうになる青年の等身大の姿を上手に表現していました。
さすがの貫禄、寿つかささん
ソール役を演じた組長の寿つかささん。私の妻も「シトラスの風」のMr.ボージャングル役が大好きなのですが、今作でも引退した元天才詐欺師の"枯れ感"を見事に演じていました。
2幕でロシアの武器商人に扮するのですが、男役としての重厚感を醸しつつも茶目っ気がある。長い経験と、確かな演技力で舞台を支えていました。
あらためて、「本当につかささん巧いな」と思わせる場面がたっぷりあります。
退団が惜しまれる純矢ちとせと澄輝さやと
抜群のスタイルとその美しさでちょいワルディーラーのフランクを演じた澄輝さやと、そしてラスベガスの大物(お局)歌姫のダイアナ役を演じた純矢ちとせ。作品、宙組を支える重要な役回りをこなせる二人のスターがいなくなる、正直とても惜しまれます。
オーシャンズ11でもとっても重要な役を演じており、二人の偉大さを再確認する結果となりました。
105期生について
「オーシャンズ11」で初舞台を踏んだ105期生ですが、妻と感想が同じで、本当にみんな可愛いかったです。
内容としては、「ネバーギブアップ」という未来を感じる掛け声が続き、これからの彼女たちの宝塚人生を応援したい、頑張って欲しいという気持ちが自然と湧いてくるようなロケットでした。
去年はチアリーダーをモチーフにした「さくらルージュ」で可憐さ満点という感じでしたが、
今年は新体操でよく見る前回転(前方倒立回転というらしい)など、アクロバティックでパワフルな仕上がりになっていましたよ。
彼女たちの活躍に期待ですね。今からすでに彼女たちが89期や95期に並ぶ「美人の期」と呼ばれると確信しました。