トニー賞13部門ノミネート.8部門受賞のブロードウェイミュージカル『Hadestown/ハデスタウン』ってどんな話?評判やあらすじについて調べてみた
『ハデスタウン』は、シンガーソングライターのアネイス・ミッチェルと『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』の演出家レイチェル・チャフキンが手がけたギリシャ神話「オルフェウスとエウリディケ」の話を現代化させた新作ブロードウェイミュージカルです。
2019年度のトニー賞では13部門にノミネートされ、日本でも注目を集めています。
そこで、今作の評価や、あらすじについてご紹介します。
※紹介動画
目次
観客からのレビュー点は「ライオンキング」や「カム・フロム・アウェイ」と同等
SHOW-SCOREという海外の舞台レビューサイトでは下記の得点となっています。
批評家からのレビューは、46件中93%でポジティブな評価。
注目すべきはネガティブな評価をしている人がいないことでしょうか。
「今シーズン最高のミュージカル」(ウォール・ストリートジャーナル)
「壮麗で、ゴージャス。最高に素晴らしい」(ニューヨークタイムズ)
など、各メディアが賞賛の声を掲載しています。
また、このレビューサイトのメンバーからの評価も高いアベレージスコアとなっています。
他のブロードウェイミュージカルと比較すると、
- ハミルトン:97点
- ウィキッド:93点
- ディア・エヴァン・ハンセン:93点
- ライオンキング:91点
- カム・フロム・アウェイ:91点
- ハデスタウン:91点
- ビューティフル:90点
- ブック・オブ・モルモン:90点
- マイフェアレディ:88点
- オペラ座の怪人:87点
- アラジン:86点
このように、「ライオンキング」「ビューティフル」といった評価が高くロングラン上演するミュージカル作品と同じ点数となっています。
一方で、「神話と同じ結末なので先が読めてしまった」「オフ・ブロードウェイの時よりも魅力が薄くなった」という声も
一方で、ネガティブな評価の内容も記載すると、「プロット(脚本)が薄い」という声がありました。
神話をベースにしている作品であり、演出や歌に関しては評価が高いものの、ストーリーに関しては深掘りされないということでしょうか。
実際に、日本人の方のレビューでも、「誰もが知るストーリーで、神話と同じ結末なので先が読めてしまった」という声がありました。
トニー賞では8部門受賞するも、ストーリーを対象にした脚本賞では「トッツィー」が受賞を果たしています。
音楽面では、「フォーク音楽や、ファルセットの曲が好きでない人には向いてない」という意見もあります。
さらに、「キャストや演出の変化で、オフ・ブロードウェイで観たときよりも魅力が削がれた」と、2016年初演との比較について触れた意見もありました。
トニー賞では【13部門(14つ)ノミネート】という評価
2019年4月後半にトニー賞ノミネート作品が発表されましたが、本作はなんと13部門でノミネートされました。
そのうち8つの賞を獲得しています。
・作品賞/主演女優賞/助演男優賞(2人)/助演女優賞/作曲賞/脚本賞/演出賞/振付賞/舞台デザイン賞/衣装デザイン賞/照明デザイン賞/音響デザイン賞/編曲賞
まず、13部門のノミネートは、今でもチケット入手困難とされる2016年の「ハミルトン」以来です。
また、アウター・クリティック・サークル賞という権威あるアワードでも12部門にノミネートされています。
「グレートコメット1812」のように12部門ノミネートでも2部門の受賞に留まるケースもあります。
ただ、8つの部門で賞を獲得しており、また今年度の最多ノミネート作品でもあり、間違いなく批評家からの評価については高い作品だといえるでしょう。
キャストの注目は「ミス・サイゴン」キム役のエヴァ・ノブレザダ
主演女優は「ミス・サイゴン」の25周年キャストのキム役、またブロードウェイでエポニーヌ役を演じた23歳のエヴァ・ノブレザダです。
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日本でもよく知られるミュージカル女優で、エヴァ・ノブレザダを目的に劇場へ訪れるファンも多いのではないでしょうか。
本作でも、高い歌唱力を発揮していますね。
※ソングナンバー「All I've Ever Known」
あらすじ:ギリシャ神話「オルフェウスとエウリュディケ」を現代化した『Hadestown/ヘイディズタウン』
誰もが知る有名なギリシャ神話をベースにした作品で、滅亡後の世界を舞台にしているようです(post-apocalyptic)。
愛するエウリディケを亡くしたオルフェウスが、ハデスが治める「死の国」へ旅立ちます。
門番やハデスを自慢のギター(神話では琴)で魅力すると、ハデスはエウリディケを死の国から連れて帰ることを許します。
しかし、人間の国に着こうとしたその時、帰り道で後ろを振り向いてはいけないという条件をオルフェウスは破り、後ろを振り向いてしまいます。
エウリディケはまだ人間の世界にはついておらず、人間の国で愛が成就されることはなかったのでした。
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最後に、少しだけ個人的な感想ですが、動画を見る限り、音楽も演出も『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』の雰囲気にとても似ているなと思いました。
同作の雰囲気や世界観が好きな方にはとてもハマるミュージカルだと思います。
また、上記の作品同様に、原作がしっかりしているので、演出の新奇性だけで中身がない作品ではないと思います。
とにかく、、、
日本での上演にも期待しています!!!
※ブロードウェイ版のサウンドトラック
※シンガーソングライターのアネイス・ミッチェルが2010年にリリースしたミュージカルの原作となるアルバム。
※アネイス・ミッチェルによる「Hadestown- Way Down Hadestown」