ついにアメリカのコロラド州デンバーにあるビューエル劇場にて大人気「アナと雪の女王」のミュージカル版が初演を迎えました。
来年2月にはブロードウェイでの公演も控えており、観客の反応も気になるところ。
そこで、今回の記事では、デンバー公演の初日を鑑賞した海外の観客の反応をご紹介します。
ミュージカル版アナ雪のコスチューム紹介動画
来年ブロードウェイで上演されるミュージカル「アナと雪の女王」。
8月17日にコロラド州デンバーのビューエル劇場にてプレビュー公演の初日を迎えました。
果たして作品の出来はどうだったのでしょう。作品として完成度が高かったのか、それとも映画の知名度が先行して作品としてはダメだったのか。
この記事では、初演を鑑賞した海外ブロガーたちの感想を和訳にてまとめてご紹介します。
結論
ズバリどうだったのか!?
どうやら、観客の反応・評判は上々のようです。
しかし、手放しで喜べるものでもない。という印象を受けました。
映画版と似ている
キャラクターの見た目や、新曲を考慮に入れなければ、ミュージカル版と映画版は非常に似ています。ゆえに、映画を見たことがない人にとってはストーリーがわかりにくいというコメントもありました。
作品の対象とする小さな子供のたち、またディズニーファンの観客であれば上演中常に魅了し続けるほど、素晴らしい作品だといえるでしょう。
音楽について
既存の曲が有名すぎるので、新曲とのフィーリングが合うのか心配した人もいるでしょう。
しかし、新曲はストーリーの中で追加されるのにふさわしい場面に歌われ、既存の曲ともマッチしているようです。
新曲・追加曲について
あるブロガーが印象に残った曲を詳しく説明していました。
まず、1幕途中の「What Do You Know About Love(愛について何を知っているの?)」。そして2幕のオープニングソング「Hygge(ヒュッゲ)」。「Hygge(ヒュッゲ)」は愉快なダンスソング。
「Hygge(ヒュッゲ)」とは
デンマーク語で「居心地がいい時間や空間」という意味の言葉ヒュッゲ。それが英国や米国のライフスタイル業界で新たなブームを起こしつつある。
パチパチと音を立てる暖炉を囲みながら、手編みの靴下やセーターを着込んだ友達や家族が、コーヒーやケーキを食べてほっこりする時間――。ヒュッゲはデンマーク人がアイデンティティ並みに重視するコンセプトだ。
それが最近、デンマーク以外の国で「ヒュッゲを見習おう」という動きが表れている。すでに英国では、昨年半ばからちょっとしたヒュッゲブームが起きている。コリンズ英語辞典は「ブレグジット(イギリスのEU離脱)」や「トランピズム(トランプ主義)」と並んで、ヒュッゲを2016年に最も話題になった単語トップ10に含めた。
2幕の途中「Kristoff Lullaby(クリストフの子守唄)」は心を揺さぶる感動的なソング。
そして2幕のクライマックスでエルサが歌う「Monster(モンスター)」はミュージカル「ウィキッド」の「No Good Deed(闇に生きる)」を彷彿とさせる曲とのことです。
キャストの評価
キャストの配役に関しては以下の記事を参考にしてください。
ミュージカル『アナと雪の女王』全キャスト発表!経歴まとめ【ブロードウェイ版】
アナ&エルサ
アナ&エルサ
二人の主人公の演技は卓越しており、完璧にエルサとアナになりきっていました。エルサを演じるケイシー・レヴィはまるで本物のエルサのようであり、アナを演じるパティ・ムリンは少し変わっていて魅力的なアナがとても似合っていました。
オードリー・ベネットとアイラ・シュワルツが演じる幼いアナとエルサも良くて、ステージに臆することなく馴染んでいました。
ハンス&クリストフ
ハンス&クリストフ
ジョン・リドル演じるハンスは邪悪な面もチャーミングな面もどちらも上手に演じており、高音も乱れることなく歌いこなしていました。トナカイを愛するジェラニ・アラジンのクリストフも傑出したパフォーマンスを披露しています。
オラフ&スヴェン
グレッグ・ヒルドレスのオラフも、アンドリュー・ピロジーのスヴェンも素晴らしいのですが、できればよりオラフやスヴェンらしさを表現するような小道具や衣装の工夫があればなお良かったのだと思います。
エルサとアナに関してはさすがブロードウェイ常連!といったところでしょう。
また、オラフ役については他のブログでも厳しめのコメントがありました。映画ではオラフのコメディ要素が重要な役割を果たしています。ジョシュ・ギャッド演じるオラフのイメージから隔たりがあるようです。
舞台美術などのテクニカル面
この舞台の本当の主役は舞台美術や音響、照明、衣装などのテクニカルな技術なのかもしれません。舞台美術は美しく描かれ、豪華さも兼ね備えています。
音響デザインも優れており、ビューエル劇場の音響設備を全く気にすることがありませんでした。
衣装はどれもクオリティが高く、エルサの手から氷が放たれる演出は照明と舞台装置によって美しく再現されていました。
ディズニーのミュージカルでは、曲も演出も素敵ですが、それ以上に舞台美術や装置のダイナミックさに圧倒されることが多いです。
「アナと雪の女王」では今までの作品を超えるような感想を味わえそうですね。
プレビュー公演でのトラブルについて
プレビュー公演の宿命でもありますが、実は公演中に舞台転換上のミスが発生しました。
2人の子供が部屋に雪だるま(オラフ)を作る場面で急にアナウンスが入り、ショーが中断されました。
観客は驚いた様子ですが、子供たちは何もなかったように客席に座ってたようです。
ディズニー・シアトリカル・グループの代表取締役トーマス・シューマッハーがステージ上に現れ、観客を落ち着かせ、デッキにトラブルがあったことを説明しました。
すぐにカーテンが再び開き、2つのベッドがステージ上の端に置かれていました。
私の印象
他のブロガーも2幕オープニングソング「Hygge(ヒュッゲ)」を賞賛していました。
新曲が軒並み高評価を受けているので、歌の面では高い作品だと言えます。しかし、ストーリーや役作りに関しては他のブログにてマイナスな感想も出ていました。
しかし全体的に見れば、ミュージカル「アナと雪の女王」は完成度の高い作品でしょう。
もしデンバー、ブロードウェイそしてナショナルツアーで見る機会があれば必ず見るべき作品だと言えます。
さらに、感想がアップされ次第まとめてご紹介してゆきます。