海外で最も評価されているレイモンド・チャンドラー小説とは?
海外で最も評価されているレイモンド・チャンドラー作品はなにかー
この記事では本当に今読む価値のあるチャンドラー作品を紹介する。
「ハードボイルド小説」というジャンルを作り上げた一人がレイモンド・チャンドラー(1888-1959)。
ハードボイルド小説ファンなら誰しも必ず通る小説家だ。
名探偵フィリップ・マーロウ
また、ファンでなくとも「フィリップ・マーロウ」という名前なら聞いたことあるかもしれない。
フィリップ・マーローとはレイモンド・チャンドラーが生み出した人物で、彼の小説の主人公。
プレイボーイだが女に絶対になびかない。これと決めた事件はどんな障害が現れようと信念を持って最後まで解決に導く。喧嘩が強く、やられても絶対に事件から逃げない。
男ならだれでもそうなりたいと思う、そんな探偵である。
今回は、そのフィリップ・マーロウが活躍するレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説にスポットを当て、海外での評価順に紹介する。
今回参考にしたものがWEBサイト「The Open Syllabus」。
9年間に渡り、英語圏の大学のシラバスを調べ、授業で使う頻度の高い本を順位化したサイトである。
それでは作品を発表する。
1位
ほかの作品と圧倒的な差をつけて1位だった「大いなる眠り/The Big Sleep」。チャンドラー初めての長篇小説。主人公はフィリップ・マーロウ。将軍の娘が借金を作ったがゆえに脅迫される、その解決にマーロウが動くが...
映画化「三つかぞえろ」ではハンフリー・ボガードがマーロウ役を演じた。
2位
チャンドラー2作目の長篇小説。主人公はフィリップ・マーロウ。偶然酒場で出会った大男マロイはかつてこの酒場の踊子を愛していた。幾多もの筋が絡み合い、答えが見えない中で、フィリップ・マーロウの勘が冴えわたり踊子の居場所をつきとめる。マーロウとマロイの目には見えない美しい友情、ドラマ。
3位
主人公はフィリップ・マーロウ。若い女のいわくありげな相談に興味を持ち、事件を引き受ける。行く先々で殺人が起こり始める。
4位
若い男と失踪した妻の行く末を探してほしいという依頼を受けたマーロウは、社長の別荘がある湖で溺死した女性の遺体を見つける。この女性が一体誰なのか、二人の女を巡って事件が過去へとさかのぼり始める。
5位
未完のまま残されたチャンドラーの作品をロバート・パーカーが完成させた物語。主人公はフィリップ・マーロウ。『ロング・グッドバイ』で出会った富豪の娘リンダと結婚したマーロウ。探偵業を再開するが、早速依頼された仕事で殺人が起こる。
また日本で有名な「長いお別れ」や「プレイバック」は意外にも6位以下にランクされた。特に「長いお別れ(The Long Goodbye)」は海外の授業でほとんど使用されないことがわかった。
6位
チャンドラーの遺作。フィリップ・マーロウが主人公。「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない。」のセリフで有名な作品。
7位
主人公はフィリップ・マーロウ。依頼人の家族にひそむ謎を捜索するうちに殺人が起こり始める。
8位
「Partir, c'est mourir un peu(さよならをすることは、少しばかり死ぬことだ)」というフランスのことわざが最後に響き渡る傑作。これほどかっこいいマーロウはどの本にも見つからない。
The Open Syllabus