もしミュージカル「オペラ座の怪人」を東宝が上演したら…
誰しも一度足らず二度か三度は想像したことがあるはず... 東宝版「オペラ座の怪人」
今回のミュージカルドラフトは、劇団四季以外(過去も現在も)の俳優を対象に、「オペラ座の怪人」をドラフト形式でキャスティングしました。
プロ野球のドラフト会議が10月26日、東京都内のホテルで開かれました。
世の中が7球団競合の清宮幸太郎の行方で湧いたあの日、月間50万アクセスのウェブサイト「アートコンサルタント」を運営するミュージカル好きの私と、ミュージカルを大学院で研究する彼女との二人は《最高に面白く、そして最高に見てみたい》ミュージカルをテーマに、【ミュージカルドラフト】をしました。
その時はミュージカル「レ・ミゼラブル」のキャストをドラフトにより指名しました。
井上芳雄や花總まりなど日本ミュージカル界のトップスターに君臨する役者から、ミュージカル界の宝である宝塚歌劇団の礼真琴や真彩希帆などの現役生、阿久津陽一郎や瀧山久志など劇団四季のスターたちまで、今をときめく37名のキャストが指名されています。
また、前回は「エリザベート」のキャストをドラフトしました。
そして、今回のドラフトは【オペラ座の怪人】。1986年にウエストエンドのハー・マジェスティーズ劇場で初演を迎えたアンドルー・ロイド・ウェバー作曲のミュージカルです。
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「オペラ座の怪人」とは
ガストン・ルルーの同名小説を原作にしており、サスペンス的な要素が強いミステリアスな世界観と、アンドルー・ロイド・ウェバーの作曲家としての才能がフルに発揮された名曲の数々により、日本でも高い人気を得るミュージカルです。
1988年、日本でも劇団四季により上演が始まり、初演は日生劇場。オペラ座の怪人は市村正親、クリスティーヌ・ダーエは野村玲子、ラウル・シャニュイ子爵は山口祐一郎、カルロッタ・ジュディチェルリは斎藤昌子により演じられました。
2004年にはジェラルド・バトラー主演により映画化もされています。
ミュージカルドラフトのルールブック
選択方法
二人同時に役者を指名します。仮に重複した場合は、特製のくじにより決めました。
禁止事項
特例として、劇団四季所属(過去所属も含む)の役者は選択禁止。外部からの出演については可としました。
(例:海宝直人は選択可能)
ダブルキャスト
全役ダブルキャスト。
- オペラ座の怪人
- クリスティーヌ
- ラウル・シャニュイ子爵
- カルロッタ・ジュディチェルリ
- メグ・ジリー
- マダム・ジリー
の6つのメインキャスト。
それでは、さっそく二人のドラフト指名キャスト一覧をご紹介します。
ドラフト会議選択経過
一巡目
彼女:〇真彩希帆 私:×真彩希帆 昆夏美
二巡目
彼女:佐藤隆紀 私:井上芳雄
三巡目
彼女:〇海宝直人 私:×海宝直人 城田優
四巡目
彼女:中川晃教 私:浦井健治
五巡目
彼女:上原理生 私:妃海風
六巡目
彼女:新妻聖子 私:古川雄大
七巡目
彼女:涼風真世 私:和音美桜
八巡目
彼女:大地真央 私:島田歌穂
九巡目
彼女:実咲凛音 私:綺咲愛里
十巡目
彼女:生田絵梨花 私:有沙瞳
十一巡目
彼女:樹里咲穂 私:シルビア・グラブ
十二巡目
彼女:愛希れいか 私:黒木瞳
十三巡目
彼女:選択終了 私:選択終了
指名役者一覧
【彼女】
順位 | 氏名 | 役 | 所属 |
1 | ☆真彩希帆 | クリスティーヌ | 宝塚雪組 |
2 | 佐藤隆紀 | ラウル | LE VELVETS |
3 | ☆海宝直人 | ラウル | |
4 | 中川晃教 | ファントム | |
5 | 上原理生 | ファントム | |
6 | 新妻聖子 | カルロッタ | |
7 | 涼風真世 | マダム・ジリー | 元宝塚 |
8 | 大地真央 | マダム・ジリー | 元宝塚 |
9 | 実咲凛音 | クリスティーヌ | 元宝塚 |
10 | 生田絵梨花 | メグ・ジリー | 乃木坂46 |
11 | 樹里咲穂 | カルロッタ | 元宝塚 |
12 | 愛希れいか | メグ・ジリー | 宝塚月組 |
〈選択終了〉 |
【私】
順位 | 氏名 | 役 | 所属 |
× | 真彩希帆 | クリスティーヌ | 宝塚雪組 |
1 | 昆夏美 | クリスティーヌ | |
2 | 井上芳雄 | ファントム | |
× | 海宝直人 | ラウル | |
3 | 城田優 | ファントム | |
4 | 浦井健治 | ラウル | |
5 | 妃海風 | クリスティーヌ | 元宝塚 |
6 | 古川雄大 | ラウル | |
7 | 和音美桜 | カルロッタ | |
8 | 島田歌穂 | マダム・ジリー | |
9 | 綺咲愛里 | メグ・ジリー | 宝塚星組 |
10 | 有沙瞳 | メグ・ジリー | 宝塚星組 |
11 | シルビア・グラブ | カルロッタ | |
12 | 黒木瞳 | マダム・ジリー | 元宝塚 |
〈選択終了〉 |
配役
順位 役者名
オペラ座の怪人
- 4 中川晃教 / 5 上原理生
- 2 井上芳雄 / 3 城田優
クリスティーヌ・ダーエ
- 2 真彩希帆 / 9 実咲凜音
- 1 昆夏美 / 5 妃海風
ラウル・シャニュイ子爵
- 2 佐藤隆紀 / 3 海宝直人
- 4 浦井健治 / 6 古川雄大
カルロッタ・ジュディチェルリ
- 6 新妻聖子 / 11 樹里咲穂
- 7 和音美桜 / 11 シルビア・グラブ
メグ・ジリー
- 10 生田絵梨花 / 12 愛希れいか
- 9 綺咲愛里 / 10 有沙瞳
マダム・ジリー
- 7 涼風真世 / 8 大地真央
- 8 島田歌穂 / 12 黒木瞳
監督コメント【彼女】
選んでおいてなんですが、話題性に乏しいキャスティングなのは百も承知。
井上芳雄や城田優などキラキラした俳優さんたちは、魅せる力も抱えるファン数も強大だけど、彼を出しときゃなんとかなるという今のミュージカル界とミュージカルファンに挑戦してみたくなりました。
ただただ、役柄に合っていて、私が本当にやってほしいなぁと思う人を選びました。共感してくれる方が少しでもいてくれたら本望です。
監督コメント【私】
東宝、劇団四季、宝塚見渡しても現役20代では最高級の演技力、歌唱力を持つ真彩希帆を外したのは残念。
しかし、東宝でクリスティーヌと考えた時に真っ先に頭に浮かんだのが昆夏美。技巧も素晴らしいが、何より感情がダイレクトに歌に伝わる昆夏美のダーエは楽しみ。
妃海風も昆夏美もガッツあるクリスティーヌになるだろう。
井上芳雄と浦井健治による「Down Once More...」は想像しただけで身震いするほど。
上位指名された注目の俳優・女優
真彩希帆
1位指名で競合となった真彩希帆。宝塚ファン以外にはあまり知られていないかもしれないが、恐るべき才能の持ち主。
98期生として宝塚歌劇団に入団し、花組・星組と組替えし2017年1月雪組に3度目の組替え。
2015年「ガイズ&ドールズ」新人公演でアデレイドに抜擢。2016年には「こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…」新人公演でヒロインを演じる。
2017年4月「Dramatic “S”!」でエトワール。7月に雪組トップ娘役就任、相手役は望海風斗。
昆夏美
洗足学園音楽大学在学中に「ロミオ&ジュリエット」ジュリエット役を射止める。
「レ・ミゼラブル」では2013年からエポニーヌ役を演じ続け、ディズニー実写映画「美女と野獣」ではエマ・ワトソン演じるベルの日本語吹替えを担当した。
佐藤隆紀
国立音楽大学演奏学科声楽専修を卒業したテノール歌手・ミュージカル俳優。あだ名はシュガーさん。
男性ヴォーカルグループLE VELVETSのメンバー。
LE VELVETSのコンサートに行っても思うのだが、音大卒のミュージカル俳優の中でも歌唱力がトップレベルであるのはもちろんのこと、注目して欲しいのはずば抜けた声の綺麗さと聴いたときの心地よさ。
井上芳雄
ミュージカル好きで知らない人のいない日本を代表するミュージカル俳優。
ストレートプレイへの出演も多く、2018年上演のジョージ・オーウェル原作「1984」では読売演劇大賞の最優秀賞を獲得すると勝手に予想している。
いかがでしたでしょうか。次は、【「オペラ座の怪人」宝塚歌劇団編】を予定しています。