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「劇団が売れるには?」キャラメルボックスの休止発表から考える劇団の運営について


「劇団が売れるには?」キャラメルボックスの休止発表から考える劇団の運営について

先日キャラメルボックスが活動休止、さらに運営会社であるネビュラプロジェクトの破産というニュースが演劇界に激震を起こしました。

ファンや関係者の中には前から気づいていた方もいるのでしょうか。。

少なくとも、私はキャラメルボックスが活動停止になる劇団だとは(しかも運営元の破産により)思わなかったため衝撃を受けました。

そして、劇団として財政的にも問題なく運営できる方法について考えてみました。

個人的な見解ですし、当たり前なことも多いですが、少し書いてみたいと思います。

 

個人個人が経済圏をつくれる

宝塚歌劇団では一人一人の生徒に私設のファンクラブがあります。そこが一つの経済圏となっています。

劇団四季でも、私の周りの四季ファンはどちらかといえば、作品以上に役者を追いかけている人が多いです。

劇団が儲かるからスターが儲かるというトップダウンではなく、トップダウンとボトムアップの両方が上手く働くと、作品が失敗でも役者のおかげで席が埋まったり、一人のスターが辞めても他のスターの人気で劇団の運営をカバーできたりします。

また、わらび座のように地政学的に独自の経済圏を作るのも手かと思います。

 

おままごと要素がある

確立した一人一人のスターや役者が、どんな組み合わせで作品をつくるのかといったおままごと要素が重要だと思っています。

宝塚ファンであれば配役発表や組替え、四季ファンであれば週間キャストでしょうか。

バウ公演のヒロインは誰なのか?今回の新人公演ではどの男役と娘役が組むのか?次期2番手は誰がなるのか?次のアラジンとジャスミンにどの役者が配役されるのか?

オフ・ステージでも話題を保ち続けられるかどうかは重要だと思います。

 

主宰が業界におけるトップ

小林一三、浅利慶太、エンタメ"業界"、演劇"業界"、業界におけるトップであればあるほど、当然ながら発言権や存在感は大きく、またネットワークも広いため業界の支援や、協力を仰ぎやすくなります。

 

できる限り強固な外部の血を取り込む

「エリザベート」「ベルサイユのばら」「ウエスト・サイド・ストーリー」など、宝塚の歴史を築いてきた作品には強固な外部の血と呼べるものが多くみられます。

劇団四季では「アラジン」「ウィキッド」「キャッツ」など有名な作品であればあるほどオリジナルは海外です。

宝塚はインハウスで作品を作っていますが、だからと言って内部の作品にこだわるわけではなく、作品としてすでに定評のある強固な作品を積極的に取り入れています。

 

入団を狭き門にする

宝塚は音楽学校の入学試験、劇団四季への入団試験、あの異常なほど高い倍率で、両劇団は役者のイメージを高めていると思います。

日本人によくありがちなのが、同じ日本人が歌って踊っているのを見ることに対する嫌悪感と言いますでしょうか。。

電車で自分の隣に座っていそうな普通の人がメインキャストを演じている作品に1万円ものチケット代を払うのは嫌ですよね?少なくとも、自分では到底たどり着けない世界にいる人たちのパフォーマンスが見たい。

そう言ったミュージカルや演劇に求める非日常感というハードルを結果的に超えさせているのが入団試験なのかと思います。

 

チケットを買いやすいようにする

私の周りの一般の方からの意見ですが、演劇のチケットの買い方って分かりずらいと思われてます。

宝塚、劇団四季、世間では人気だと思われており、いかにもチケット入手困難という様ですが、少しだけ買い方を調べたら手に入れられるチケットも実際は多いです。

私の職場では、自分がミュージカルファンだと知っているので、よくチケットを頼まれます。

みな「チケットの取り方」を知らないようでした。

日本で最も有名な劇団でさえ、このように思われています。

HPのUIから、チケットの予約システムまで。「入口から出口までをスムーズに」が鉄則でしょうか。

 

第一は、続けてゆくこと

最初から劇団で食べてゆくと非現実的な計画を立てるのではなく、まずは1年間に3回の上演を数年続ける。

徐々に回数を増やしてゆくというのが、上手なやり方ではないでしょうか。

無理な目標を立て、結局できずにモチベーションが下がり、団員が離散してゆくケースがよくありがちな劇団の消滅理由かと思います。

第一は、劇団で稼ぐではなく、何より観客にとって楽しめる良い作品を年何回届けられるかを考え、無理のない範囲でチャレンジし続けることが稼げる劇団を作ってゆくコツのようです。

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