今回の記事では、『エデンより彼方に』『キャロル』で有名なアメリカ出身の映画監督トッド・ヘインズのおすすめ映画を海外での評価が高い順にご紹介します。
海外映画レビューサイトでの評価をもとにして、トッド・ヘインズ監督最高の作品を発表します!
@「Carol」
自身がゲイであることから同性愛者など立場の異なる人々の恋愛を描いた『エデンより彼方に』『キャロル』から、『ポイズン』のようにシリアスな内容の作品まで、「人間の奥底」を表現するのに卓越した能力を発揮するトッド・ヘインズ監督。
@「Far from Heaven」
映画監督、脚本家としての才能は映画界からも高い評価を受け、長編デビュー作『ポイズン』はサンダンス映画祭グランプリ、『エデンより彼方に』はアカデミー脚本賞ノミネート、ボブ・ディランの半生を描いた『アイム・ノット・ゼア』はヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞、2015年に公開された『キャロル』はカンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートするなど数多くの実績を残してきました。
また、2017年10月にはブライアン・セルズニックの小説を映画化したファンタジー映画『Wonderstruck』が公開されます。
@「Wonderstruck」
原作となる小説を執筆したのは映画『ヒューゴの不思議な発明』の原作者ブライアン・セルズニックであり、『Wonderstruck』も2018年のアカデミー賞で数多くのノミネートが予想されます。
では、トッド・ヘインズが監督した映画の中でも最も評価の高いおすすめ作品はなにか―
今回の記事では、トッド・ヘインズ監督作品を評価の高い順にご紹介します。
トッド・ヘインズ(1961年アメリカ出身)
1961年アメリカ合衆国カルフォルニア州ロサンゼルス生まれの56歳。
高校時代から映画を制作、ブラウン大学に入学しアルチュール・ランボーの作品にインスパイアされた短編映画「Assassins: A Film Concerning Rimbaud」を発表。1991年にジャン・ジュネの「薔薇の奇跡」を元に、ホモセクシュアリーをテーマにした映画『ポイズン』を発表。この作品がサンダンス映画祭グランプリを獲得し、トッド・ヘインズの名が世に知られるようになります。
2002年に同性愛の夫に捨てられ、黒人男性との恋愛に悩む夫人を描いた映画『エデンより彼方に』を公開、アカデミー賞では脚本賞にノミネートされ、ニューヨーク映画批評家協会から監督賞を受賞。
2007年に発表した映画『アイム・ノット・ゼア』はボブ・ディランの人生や歌にインスパイアされた作品であり、クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショーの6人の一流俳優たちが、詩人、アウトロー、映画スター、革命家、放浪者、ロックスターにそれぞれなり、ボブ・ディランの様々な側面を表現する内容です。本作はヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を受賞しました。
2015年に公開された『キャロル』は百貨店のアルバイトと美しいマダムとの恋愛感情を描いた作品です。本作はアカデミー賞6部門ノミネート。またトッド・ヘインズはボストン映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞など数多くの監督賞を受賞しました。
それではトッド・ヘインズ監督の作品をランキングでご紹介します
今回作品を評価するにあたり海外最大の映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」を参考にしました。
トッド・ヘインズ監督の最も評価が高いおすすめ映画ランキング
5位 ベルベット・ゴールドマイン
IMP Awards
Surrender to the Void - blogger
解説
デビッド・ボウイ、T.レックスに代表される70年代グラムロックを描いた作品です。アカデミー衣装デザイン賞受賞。
あらすじ
かつてロンドンの若者を熱狂の渦に巻き込み、そして狂言暗殺によってファンを失望させ行方が分からなくなっていたロック歌手ブライアン・スレイドの調査を新聞記者アーサーははじめる。アーサー自身の記憶とともに、70年代グラムロック全盛期の時代が華々しく蘇る。
- 公開:1998年
- キャスト:ジョナサン・リース=マイヤーズ、ユアン・マクレガー、クリスチャン・ベール、トニ・コレット
- 主な受賞:カンヌ国際映画祭芸術貢献賞受賞
- 批評家の評価:56% 観客の評価:80%
4位 ポイズン
Zeitgeist Films
Senses of Cinema
解説
「女中たち」などの名作を生み出したフランスの作家・詩人ジャン・ジュネの「薔薇の奇跡」にインスパイアされて生まれた映画。トッド・ヘインズ初の長編映画にしてサンダンス映画祭グランプリを獲得した作品です。
あらすじ
「ヒーロー」「ホラー」「ホモ」をテーマに様々な表現方法でジャン・ジュネの世界を表現した3部作です。
- 公開:1991年
- キャスト:スコット・レンデラー、ジェイムズ・ライオンズ、エディス・ミークス
- 主な受賞:サンダンス映画祭グランプリ
- 批評家の評価:76% 観客の評価:68%
3位 アイム・ノット・ゼア
IMP Awards
The New York Times
解説
タイトル「アイム・ノット・ゼア」は、一部のファンの間でしか知られていなかった未発表の曲の名前。本作では36の名曲とともに、「アイム・ノット・ゼア」の映像が本編に使用されています。
あらすじ
ノーベル文学賞を獲得したボブ・ディラン。彼の半生における6つの側面をクリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショーが演じて表現した作品です。
- 公開:2007年
- キャスト:クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー
- 主な受賞:ヴェネツィア国際映画祭 審査員特別賞
- 批評家の評価:76% 観客の評価:69%
2位 エデンより彼方に
IMP Awards
Into Film
解説
1950年代に活躍したダグラス・サーク監督作へのオマージュ。アカデミー賞ではアカデミー賞では主演女優賞、脚本賞、撮影賞、作曲賞にノミネートしました。
あらすじ
50年代アメリカの小都市コネチカット州ハートフォードが舞台。周りから理想の家庭と見られていたものの、キャシー夫人はゲイであると確信する場面に遭遇してしまいます。結局夫は夫人の元を去ってしまい、優しい黒人の庭師に心が傾いていきますが、人種差別が根強く残る世間との葛藤に苦しみます。
- 公開:2002年
- キャスト:ジュリアン・ムーア、デニス・クエイド、デニス・ヘイスバート、パトリシア・クラークソン、ヴィオラ・デイヴィス
- 主な受賞:アカデミー脚本賞ノミネート
- 批評家の評価:87% 観客の評価:79%
1位 キャロル
IMP Awards
解説
ヒッチコックによって映画化された「見知らぬ乗客」などミステリー小説のベストセラーを数々生み出した作家パトリシア・ハイスミスの「The Price of Salt」が原作。アカデミー賞では6部門ノミネート。トッド・ヘインズ監督もトロント国際映画祭の監督賞など今までで最多の賞にノミネートされた作品です。
あらすじ
1950年代のニューヨークが舞台。美しい人妻キャロルと、キャロルに魂を奪われた女性テレーズの恋愛は、二人の関係が暴露されてなお燃え上がってゆく。
- 公開:2015年
- キャスト:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン、カイル・チャンドラー
- 主な受賞:ゴールデングローブ賞 作品賞ノミネート
- 批評家の評価:94% 観客の評価:73%
1位は2015年公開の『キャロル』でした。
まだアカデミー賞やゴールデングローブ賞では受賞経験のないトッド・ヘインズ監督ですが、2017年公開『ワンダーストラック』でのノミネート、受賞は果たして!?
このサイトでは今後もトッド・ヘインズ監督に注目してゆきます。