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ウエストエンド オペラ座の怪人 ブロードウェイ ミュージカル ミュージカル映画 劇団四季 映画 音楽

現役プロオペラ歌手にお聞きした「オペラ座の怪人」楽曲の魅力


 

1986年にウエストエンドで初演、1988年には劇団四季により日本でも上演され、全世界で今も尚ヒットを続けるミュージカルの名作「オペラ座の怪人」。2004年の映画版でこの作品を知った方も多いと思います。

絢爛豪華な舞台セットや衣装、パリ・オペラ座を舞台に進むドラマティックなストーリーなどはもちろんですが、“現代のモーツァルト”との呼び声高い天才作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーの魅力的な音楽抜きにはこの作品の魅力は語れません。

「ジーザス・クライスト・スーパースター」や「キャッツ」などで既に名声を得ていたロイド・ウェバーのメロディー・メーカーぶりが、この作品でも遺憾無く発揮されています。

そこで、今回はプロとして第一線で活躍されているオペラ歌手の方から、音楽面における「オペラ座の怪人」の魅力についてお聞きしました。

 

プロ声楽家から見た「オペラ座の怪人」の印象的なソングナンバーは?

Q:「オペラ座の怪人」はパリ・オペラ座を舞台にした作品で、実際にオペラを上演するシーンもたくさん登場します。その中でも印象的な場面やソングナンバーについて教えてください。

A:まず、クリスティーヌが初めてその歌の才能を披露する「スィンク・オブ・ミー」。このナンバーは、劇中オペラ「ハンニバル」の中の“アリア”という位置付けで歌われます。アリアとは、オペラの中で主要人物が独唱で演奏する曲を指し、その人物の心が大きく揺れ動いたシーンや、物語において重要なシーンで演奏されます。有名な物を挙げると、フィギュアスケートで一躍話題になった「誰も寝てはならぬ」もオペラ「トゥーランドット」の中のアリアの一つです。

失われた愛への想いを切々と歌う「スィンク・オブ・ミー」は、シンプルな旋律ゆえにクリスティーヌの純真さや無垢なイメージがより鮮やかに描き出され、ヒロインとしての彼女の存在感を存分に味わう事が出来ます。

オペラ座のプリマ・ドンナであるカルロッタも同じ曲を歌いますが、音の余計な抑揚やポルタメントなどで、クリスティーヌの演奏とは正反対の印象。

これはこれでカルロッタのヒステリックで神経質なキャラクターをよく表してはいるのですが、同じ曲でも歌う人物が違えば、こんなにも変わってしまうのかと少しクスッとなる場面です。

 

Q:その他のシーンについてはいかがでしょうか?

A:この作品はオペラ座を舞台に繰り広げられる物語の為、先程登場した劇中オペラ「ハンニバル」以外に、更にもう2つの魅力的な劇中オペラが登場します。もちろん、この3つの劇中オペラ全てがロイド・ウェバーのオリジナル作品で、こちらも見逃せないポイントです。

特に注目したいのが、1幕終盤で登場するオペラ「イル・ムート」。

カルロッタ演じる傲慢な伯爵夫人が、夫である伯爵の留守の間にクリスティーヌ演じるお小姓の美少年と浮気をしてしまおうと企むお話です。

こちらはモーツァルトのオペラ「フィガロ結婚」をモチーフにした作品で、その当時のオペラの様式や雰囲気が短い時間にたくさん詰め込まれています。

例えば、モーツァルトが活躍した時代である古典派の様式を彷彿とさせる軽快且つ華やかな作曲スタイルや、台詞の様に歌う“レチタティーヴォ”、カルロッタ扮する伯爵夫人が披露する“コロラトゥーラ”などがあります。コロラトゥーラとは、コロコロと音を軽く転がすように、まるで鳥のさえずりのように歌う大変ハイレベルな声楽のテクニックの一つで、主にソプラノが歌い演じる役にも求められます。正しい音程感や、長い息のコントロールなど、熟練した発声の技術が必要となります。

オペラ「イル・ムート」でこうした技術的に難しい歌を容易く歌いこなすカルロッタは、歌やキャラクターのアクの強さはあっても、やはりプリマ・ドンナたる力量をしっかり持っているという事ですね。

 

プロオペラ歌手から見た「オペラ」と「ミュージカル」の歌い方の違いとは?

Q:オペラとミュージカルの歌い方の違いや、オペラ歌手の方がミュージカルソングを歌う際に気をつけていることについて教えていただけますでしょうか?

A:オペラとミュージカルの分かりやすい違いは、やはりマイク使用の有無だと思います。

オペラの場合は、マイク無しで最大2000人規模のホールを声で満たさないといけない為、響きや声の安定度など、声そのもののクオリティが一番に求められます。

しかし、ミュージカルの場合は、この部分をマイクが助けてくれる為、より芝居に即した繊細なニュアンスの表現も可能となります。その分、オペラの中で歌う時よりも明瞭な言葉の発音や繊細な声のトーンの変化が重要となり、歌う際の子音の扱い方、響きの調整等を私は注意しております。

 

Q:カルロッタの歌唱法は正真正銘「声楽の歌い方」なのでしょうか?

A:カルロッタの歌唱法はクラシカルな声楽的発声で間違い無いと思います。ただ、あくまでもミュージカルの中での歌唱の為、キャラクターの特性を浮き立たせる為やシーン毎の表現の為にかなり“オペラ風”にデフォルメされている部分も見受けられます。先の文章で述べた音の余計な抑揚やポルタメントなどです。

 

三重奏の難しさとは?

Q:オペラシーン以外で印象的なシーンなどはありますか?

A:この作品のハイライトとも言える、物語終盤のオペラ座の地下のシーンです。

それぞれにもう引き返せない場所まで追い詰められてしまったファントム、クリスティーヌ、ラウルの苦しみ、結末に向かう悲劇の緊迫感が音楽で見事に表現されていて、目も耳もステージに釘付けになります。

特に目を見張るのが、シーンの盛り上がりがピークに達する三重唱の音楽です。ファントムの歌う「ザ・ポイント・オブ・ノー・リターン」の旋律に、ラウルの「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」、そしてクリスティーヌの「エンジェル・オブ・ミュージック」という全く異なる3つの旋律が重なり、交わる事の無い3人それぞれの強い想い、苦悩が音楽によって鮮やかに浮かび上がります。

これだけ趣の違う旋律を一度に演奏しようとすると、本来ならば雑然としてしまうはずですが、1つの音楽として見事にまとめ上げているロイド・ウェバーのテクニックは、正に天才そのもの。音楽にも注意して耳を傾けて頂きたいシーンです。

 

Q:オペラでも三重唱は珍しくないと思いますが、三重唱の難しさはどのような点にあるのでしょうか?

A:複数人でのアンサンブルとなりますので、どれだけ相手の呼吸や気持ちを汲み取れるかが大事なポイントとなります。誰か一人でも配慮に欠けた演奏(独自でテンポを揺らす、音程感を揃えないetc.)を行うと、バランスが崩れてしまいます。

チームワークを行っているという認識を一人一人が持つことが大変重要で、自分自身の演奏以外にも常に周囲に気を配らないといけない為、どれだけ興奮しているように見えるシーンでも実は頭の中はかなり冷静なのです。

※オペラ「椿姫」より『乾杯の歌』


 

物語冒頭、プロローグのシーンの静寂を一気に打ち破る壮麗なパイプオルガンの音色により、これから始まるオペラ座での悲劇へと観客を否応なく誘い、劇中でファントムとクリスティーヌがオペラ座の地下へと向かう際にデュエットで歌われる「メイン・テーマ」の旋律が使われ、正に作品の顔とも言える存在「overture」(序曲)。(ピアノ曲や吹奏楽のアレンジがいくつも存在し、様々な催しやコンサートで演奏されており、ミュージカルに特に興味の無い方でもきっと一度は耳にされた事のある曲なのではないかと思います。)

など、まだまだ数え切れない程の魅力を持つ「オペラ座の怪人」。悲しくも美しいストーリーを支えるロイド・ウェバーの極上の音楽は、数あるミュージカル作品の中でも屈指のものです。

是非、劇場や映像で改めてこの作品の素晴らしさに触れて頂きたいと思います!

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