作品の中でLGBT・同性愛を描いたミュージカルはいくつあると思いますか?一つ?二つ?
いや、「レント」「アルターボーイズ」「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」など日本でも上演されている有名ミュージカルでさえLGBTや同性愛がテーマになっていたり、キャラクターが登場するのです。こう考えれば、LGBTは決して稀有な存在ではなく、むしろブロードウェイ作品では非常に一般的なテーマでもあるのです。
先日ブロードウェイのニュースサイトPLAYBILLが「42 Shows That Brought LGBTQ Experiences to the Stage」という記事を掲載しました。そうです、LGBTをテーマにした作品は少なくとも42以上あるのです。
LGBTQとは
ちなみに、日本ではなじみのない「LGBTQ」の意味をご存知でしょうか。最後のQは、「Questioning」の略です。LGBTに区別できない、つまり自分の性別が正確に定まっていない人のことを指しています。正直Qも含めれば日本にもかなりの数のLGBTQがいるはずであり、この記事をご覧になっている方にも他人ごとではないはずなのです。
それでは、ここからはLGBTQをテーマにした、もしくはLGBTQのキャストが登場するブロードウェイ作品(演劇・ミュージカル)をご紹介します。
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目次
- エンジェルス・イン・アメリカ
- アズ・イズ
- アベニューQ
- ベア
- ベント
- ブーティー・キャンディー
- ボーイズ・フロム・オズ
- 真夜中のパーティ
- キャバレー
- ラ・カージュ・オ・フォール
- キャプティブ
- カラー・パープル
- ディスティニー・オブ・ミー
- ファルセット
- フル・モンティ
- ファン・ホーム
- ジェントリー・ダウン・ザ・ホーム
- ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
- ヒール
- インディセント
- インヴィジブル・スリード
- キッド
- キンキーブーツ
- 蜘蛛女のキス
- Love! Valour! Compassion!
- マン・オブ・ノー・インポータンス
- Marcus, or the Secret of Sweet
- ネクスト・フォール
- A New Brain
- ノーマル・ハート
- プリシラ
- プロデューサーズ
- レント
- ロッキー・ホラー・ショー
- セーフ・セックス
- 春のめざめ
- ストリート・チルドレン
- テイク・ミー・アウト
- トーチソング・トリロジー
- ビクター/ビクトリア
- ヴュー・アップステアーズ
- ウィグ・アウト
エンジェルス・イン・アメリカ
1980年代のニューヨークが舞台。エイズに冒された同性愛者たちが主人公の演劇作品。ピュリツァー賞、トニー賞、テレビドラマ版はエミー賞で11部門受賞。
アズ・イズ
ウィリアム・M・ホフマンの戯曲。1985年に初演を迎え、トニー賞の作品賞にノミネート。
アベニューQ
2003年ブロードウェイ初演のパペット・ミュージカル。トニー賞では作品賞を受賞。現在もブロードウェイで上演され続けています。セサミストリートと同じパペットクリエイター。
ベア
2004年にオフブロードウェイデビューしたミュージカル作品。2014年には日本版として中野ザ・ポケットで上演されています。
ベント
マーティン・シャーマンによる戯曲。ナチによる同性愛者の粛清を描いた演劇作品。
ブーティー・キャンディー
ロバート・オハラによる戯曲。
ボーイズ・フロム・オズ
2003年ブロードウェイ初演のジューク・ボックス型ミュージカル。ブロードウェイではヒュー・ジャックマンが主演。
真夜中のパーティ
1968年オフブロードウェイ初演の演劇作品。脚本はマート・クローリー。
キャバレー
1966年ブロードウェイ初演。ハロルド・プリンス演出。
ラ・カージュ・オ・フォール
1983年ブロードウェイ初演。日本では1985年の初演から現在でも上演されている人気ミュージカルです。
キャプティブ
フランス初の演劇作品。1926年にブロードウェイで上演され、ブロードウェイ初のレズビアンを描いた作品になりました。
カラー・パープル
1982年に発表されたアリス・ウォーカーの小説を原作にしたミュージカル。2005年ブロードウェイ初演、トニー賞では10部門ノミネート。
ディスティニー・オブ・ミー
ラリー・クラマーによる戯曲。1992年にオフブロードウェイで初演。
ファルセット
1992年ブロードウェイ初演のミュージカル。トニー賞では脚本賞、作曲賞を受賞。
フル・モンティ
2000年ブロードウェイ初演のミュージカル。日本でも2014年に山田孝之主演で上演されています。
ファン・ホーム
アリソン・ベックデルの自伝的小説を原作にしたミュージカル。トニー賞では10部門にノミネートされ、作品賞を獲得しました。日本でも2018年にシアタークリエで上演されます。"ミュージカル『ファン・ホーム』あらすじ キャスト【トニー賞5部門受賞】"
ジェントリー・ダウン・ザ・ホーム
マーティン・シャーマンによる本を演劇作品化。
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
1997年オフブロードウェイ初演。日本では三上博史、山本耕史主演で上演されています。映画版もおすすめ。
ヒール
テイラー・マックによる戯曲。
インディセント
ピューリッツァー賞を獲得したポーラ・ボーゲルによる戯曲作品。2015年初演、トニー賞では演劇部門演出賞を受賞。
インヴィジブル・スリード
2015年にオフブロードウェイで上演されたミュージカル作品。
キッド
2010年オフブロードウェイで上演、ドラマ・デスク・アワードの作品賞にノミネート。
キンキーブーツ
2005年の映画「キンキーブーツ」をミュージカル化した作品。2013年にブロードウェイ初演を迎え、日本でも2016年に小池徹平&三浦春馬のダブル主演で上演。
蜘蛛女のキス
マヌエル・プイグが1976年に発表した小説が原作のミュージカル。1993年にブロードウェイで上演され、トニー賞では作品賞含む7部門受賞。
Love! Valour! Compassion!
テレンス・マクナリー脚本の演劇作品。1995年にブロードウェイで上演。トニー賞の作品賞(演劇部門)を受賞。
マン・オブ・ノー・インポータンス
1994年の同名映画をミュージカル化した作品。音楽はステファン・フラハティ、歌詞はリン・アーレンス、脚本はテレンス・マクナリーとミュージカル「アナスタシア」のクリエイティブチームが2002年にオフブロードウェイで上演しました。
Marcus, or the Secret of Sweet
タレル・アルバン・マクレイニーの戯曲を使用した演劇作品。
ネクスト・フォール
ジェフリー・ノーフツによる戯曲。2009年オフブロードウェイ初演。
A New Brain
ウィリアム・フィンが作詞・作曲・脚本を手がけたミュージカル。1998年オフブロードウェイ初演。
ノーマル・ハート
ラリー・クレイマーの自伝的小説を舞台化した演劇作品。1985年オフブロードウェイ初演。
プリシラ
1994年の映画をミュージカル化した作品。2011年にブロードウェイで初上演。
プロデューサーズ
2001年初演のミュージカル。製作・脚本・作詞・作曲はメル・ブルックス。トニー賞では12部門で受賞を果たしました。
レント
ジョナサン・ラーソン作詞・作曲・脚本のミュージカル。1996年からブロードウェイで上演されトニー賞の作品賞を受賞。1998年に日本版が上演。モーリーン役はイディナ・メンゼル。
ロッキー・ホラー・ショー
1973年ウエストエンド初演のミュージカル。1975年には映画版が製作、1986年から日本版が上演されています。
セーフ・セックス
1987年ブロードウェイ初演の演劇作品。
春のめざめ
フランク・ヴェーデキント作の小説をミュージカル化した作品。2006年ブロードウェイ初演、日本でも2009年に劇団四季により初演。
ストリート・チルドレン
2016年にニュー・オハイオ・シアターで初演。クイアを含めた80年代後半ニューヨークの若者文化を描いた作品。公式サイト。
テイク・ミー・アウト
2003年にブロードウェイで上演された演劇作品。プロ野球チームのメンバーが主人公、階級や人種、ホモセクシャルについて描かれています。
トーチソング・トリロジー
ハーヴェイ・ファイアスタイン原作・ 主演による演劇。1978年オフブロードウェイ初演。1970年代後半から80年代初期にかけてのニューヨークが舞台。ドラァグクイン、ユダヤ、ホモセクシャルがテーマ。1988年に映画化。
ビクター/ビクトリア
1982年に公開されたミュージカル映画。1995年にはブロードウェイで上演。性同一性がテーマ。主演はジュリー・アンドリュース。
ヴュー・アップステアーズ
70年代のニューオリンズにあるゲイ・バーを舞台にしたミュージカル。
ウィグ・アウト
タレル・アルバン・マクレイニーによる戯曲作品。ドラァグショーを描いた作品。
知っている作品はいくつあったでしょうか。「言われてみればそういえば」と思う作品もちらほらありました。ミュージカルが社会と文化の架け橋になっていることを感じますね。
写真はPLAYBILLより