目次
今回はイタリア映画にスポットを当てたいと思います。
ブロガーやエディターの考えに左右されず、世界中の映画ファンが最も面白いと考えているイタリア映画を見つけたいと思います!
チネチッタ、映画界の巨匠の国イタリア
フェリーニ、ロッセリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニと名だたる巨匠と呼ばれる映画監督を輩出してきたイタリア。
ハリウッドの監督も、フランス映画の監督も、「巨匠」という言葉があまり似合わない。
でもなぜか、フェデリコ・フェリーニはまさに「巨匠」という感じだ、その他のイタリア人映画監督もなぜか、「巨匠」という言葉が似合う。
ではそんな「巨匠」たちが生み出したイタリア映画の中でも、最も評価が高く、面白い作品はなんでしょう?
ここで、著名なイタリア映画をいくつか紹介したいと思います。
そこで、イタリア系アメリカ人映画監督スコセッシが好きなイタリア映画として挙げている作品を記載しておきましょう。
「マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行」
ロベルト・ロッセリーニ監督
- 「無防備都市」
- 「ドイツ零年」
ヴィットリオ・デ・シーカ
- 「自転車泥棒」
ルキノ・ヴィスコンティ
- 「郵便配達人は二度ベルを鳴らす」
フェデリコ・フェリーニ
- 「8 1/2」
- 「道」
ミケランジェロ・アントニオーニ
- 「情事」
- 「太陽はひとりぼっち」
など、本当に映画ファンなら「この作品いいんだよな」というものが並んでいます。
早速ランキングの発表へ!
その前に。
この記事の目的をはっきりさせておこうではありませんか。
この記事では、海外最大映画レビューサイトである「ロッテン・トマト」に基づき、他のブログにありがちな個人的な見解は置いておいて、正確なイタリア映画ランキングを出しました。
また、ランキングの点数は
「ロッテントマト」「imdb」の平均点
でつけられています。
ちなみに、「ロッテン・トマト」では、映画にたいして高評価をした人のパーセンテージが、作品の点数となっています。
たとえば、スター・ウォーズを例にとると!
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
- 「ロッテントマト」観客:90%
↑の場合、評価をした観客の20万人中、18万人が「スターウォーズ/フォースの覚醒」に対して高評価。
一方で2万人は作品に納得できず低評価だったということです。
では早速ランキングを発表しましょう!1位からの発表です。
★95点 自転車泥棒 (1948)
- 「ロッテントマト」批評家:98% 観客:94%
- 「IMDb」8.3/10
- 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ「昨日・今日・明日」
- 役者:ランベルト・マジョラーニ
アカデミー賞受賞:名誉賞(外国語映画賞)
アカデミー賞ノミネート:脚本賞
解説&あらすじ
敗戦国の戦後のどん底を痛感させるネオレアリズモの秀作。長い失業の末、映画ポスター貼りの職を得たアントニオ・リッチは、質屋から自転車を請け出し、六歳の息子ブルーノを乗せ町を回るが、ふとした隙に自転車が盗まれてしまう。警察に行くが相手にされず、自転車がなければ職を失うアントニオは自力で探すことにするが、思い余って今度は自分で自転車泥棒を働くが……。
★94点 無防備都市(1945)
- 「ロッテントマト」批評家:100% 観客:92%
- 「IMDb」8.1/10
- 監督:ロベルト・ロッセリーニ「ロベレ将軍」
- 役者:アンナ・マニャーニ
カンヌ国際映画祭:グランプリ
解説
ローマ解放直後の極めて困難な状況で6ヶ月にわたって製作されたが、公開されるや一躍映画史上の最大傑作と激賞され、イタリアン・ネオレアリズムのはじまりとなった記念碑的作品。監督ロベルト・ロッセリーニの名は世界的となった。脚本にフェデリコ・フェリーニが参加。
あらすじ
第二次大戦末期のローマ。レジスタンスの指導者マンフレーディはドイツ・ゲシュタポの追跡を逃れ、同志フランチェスコの家に逃げこむ。彼は資金調達のためローマに来たのだ。しかし警戒厳しく、結局神父ドン・ピエトロに連絡をたのむ。フランチェスコとピーナの結婚式の日、ナチに襲われ、マンフレーディは逃げたが、フランチェスコら同志は捕えられ......
★94点 ニュー・シネマ・パラダイス (1988)
- 「ロッテントマト」批評家:90% 観客:97%
- 「IMDb」8.5/10
- 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ「海の上のピアニスト」
- 役者:サルヴァトーレ・カシオ/ジャック・ペラン
アカデミー賞受賞:外国語映画賞
解説
イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレによる、映画史に残る至高の名作。イタリアのシチリアを舞台に、少年と映写技師が映画を通して心を通わせていく様を、エンリオ・モリコーネの感動的な音楽と繊細な人物描写で描き出す。映画に魅了された少年トト役を、サルヴァトーレ・カシオが愛くるしい演技で演じきる。年齢を超えた友情や少年時代の夢など、世代や時代を超えた人々に愛される物語に、“映画の魔法”という名の感動が存分につまっている。
あらすじ
映画監督のサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)は、映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)という老人が死んだという知らせを受け、故郷のシチリアに帰郷するのだった。
★94点 道 (1954)
- 「ロッテントマト」批評家:97% 観客:94%
- 「IMDb」8.1/10
- 監督:フェデリコ・フェリーニ「8 1/2」
- 役者:アンソニー・クイン/ジュリエッタ・マシーナ「カビリアの夜」
アカデミー賞受賞:外国語映画賞
ヴェネチア国際映画祭:銀獅子賞
解説&あらすじ
怪力自慢の大道芸人ザンパノが、白痴の女ジェルソミーナを奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続ける。やがて、彼女を捨てたザンパノは、ある町で彼女の口ずさんでいた歌を耳にする……。野卑な男が、わずかに残っていた人間性を蘇らせるまでを描いたフェリーニの作品。
テーマ曲は、バンクーバー冬季五輪でフィギュアスケートの高橋大輔選手が使用した曲として日本でもお馴染み。
★93点 8 1/2(1963)
- 「ロッテントマト」批評家:98% 観客:92%
- 「IMDb」8.1/10
- 監督:フェデリコ・フェリーニ「道」
- 役者:マルチェロ・マストロヤンニ/アヌーク・エーメ「男と女」
アカデミー賞受賞:外国語映画賞/衣裳デザイン賞(白黒)
解説
イタリアの巨匠監督フェデリコ・フェリーニの代表作。創作に行き詰まった映画監督の苦悩を現実と幻想を交えて描き、アカデミー賞外国語映画賞をはじめ世界中で絶賛された。主演は名優マルチェロ・マストロヤンニが務め、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレなど国際派女優が共演。
あらすじ
映画監督グイドは湯治場に療養にやってくる。新作の撮影準備を進めてから5か月が過ぎ、クランクインが遅れているにもかかわらず、愛人や妻、知人たちの幻影に悩まされ映画の構想はまったくまとまらない。療養中も亡き両親の姿や少年時代の思い出がよみがえり、彼は混乱してしまう……。
日本人の評価は4.1/5と9割を超える評価で、世界中の人から高評価の作品。
★93点 山猫 (1963)
- 「ロッテントマト」批評家:100% 観客:89%
- 「IMDb」8.1/10
- 監督:ルキーノ・ヴィスコンティ「ベニスに死す」
- 役者:バート・ランカスター/アラン・ドロン/クラウディア・カルディナーレ
解説
イタリア統一戦争の時代に、没落する貴族と新しい時代へ向かう若者をを描いた一大叙事詩。監督・脚本はイタリアが誇るルキーノ・ヴィスコンティ。主演はアカデミー俳優のバート・ランカスター、タンクレディにはあのアラン・ドロン、ヒロインにクラウディア・カルディナーレが扮している。後世の巨匠に影響を与えたヴィスコンティの代表作。
あらすじ
統一戦争に揺れるイタリア。そこに暮らす山猫の紋章の名門貴族のサリーナ公爵(バート・ランカスター)。新時代の幕開けを前に、彼は輝かしい未来を甥のタンクレディ(アラン・ドロン)とその婚約者のアンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)に託すべく、2人の身分違いの婚約を認めるが……。
★92点 甘い生活 (1960)
- 「ロッテントマト」批評家:96% 観客:90%
- 「IMDb」8.1/10
- 監督:フェデリコ・フェリーニ「道」
- 役者:マルチェロ・マストロヤンニ/アニタ・エクバーグ
カンヌ国際映画祭:パルム・ドール
アカデミー賞受賞:衣裳デザイン賞(白黒)
解説&あらすじ
作家志望の夢破れて、今はしがないゴシップ記者のマルチェロは、豪華なナイトクラブで富豪の娘と出会い安ホテルで一夜を明かす。ハリウッドのグラマー女優を取材すれば、野外で狂騒し、トレビの泉で戯れる。乱痴気と頽廃に支配された街ローマ。同棲中のエンマは彼の言動を嘆く。二人で訪れた友人スタイナー一家の知的で落ち着いた暮らしぶりをうらやむマルチェロだが、彼らも子連れの無理心中で突如死に、残るは絶望の実感のみ……。F・フェリーニのカンヌ映画祭グランプリ受賞作。
★92点 戦火のかなた (1946)
- 「ロッテントマト」批評家:100% 観客:88%
- 「IMDb」7.8/10
- 監督:ロベルト・ロッセリーニ「無防備都市」
解説&あらすじ
1943年7月、シチリアに上陸した連合軍によってイタリアの街は解放されていった。シチリア。偵察隊の手引きをしてくれた村娘と共に城塞に残る米兵。気のいい彼は家族の写真を見せようとライターを点けるが……。ナポリ。酔っ払った挙げ句に靴を盗まれた黒人MPが、犯人の少年を捕まえて家に案内させるが彼がそこで見たものは……。ローマ。米兵が知り合ったひとりの娼婦こそ、彼がかつてひそかに恋焦がれていた少女だったのだが……。他にフィレンツェ、ロマーニャ地方、ポー河畔での戦争を巡るドラマが展開される。
★92点 情事 (1960)
- 「ロッテントマト」批評家:97% 観客:89%
- 「IMDb」8.0/10
- 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ「欲望」
- 役者:モニカ・ヴィッティ
カンヌ国際映画祭:審査員賞
解説&あらすじ
ミケランジェロ・アントニオーニが自らシナリオを書き、監督して愛のうつりかわりを描いた作品。ローマの上流階級のひとり娘アンナには若い建築家のサンドロという恋人がある。そのサンドロは都会の頽癈と倦怠にむしばまれて、すでに芸術的な意欲を失い、アンナへの愛すらも不安定なものになっていた。アンナの不安と焦燥感は実はそこに原因があった......
★91点 ライフ・イズ・ビューティフル (1997)
- 「ロッテントマト」批評家:80% 観客:96%
- 「IMDb」8.6/10
- 監督:ロベルト・ベニーニ
- 役者:ロベルト・ベニーニ
アカデミー賞受賞:外国語映画賞/主演男優賞/作曲賞
アカデミー賞ノミネート:監督賞/作品賞/脚本賞/編集賞
解説&あらすじ
カンヌ映画祭で審査員グランプリ、アカデミー外国語映画賞に輝いた、ロベルト・ベニーニ監督・脚本・主演の感動作。ナチの強制収容所に収監されたある一家の物語を、ユーモラスかつ温かな視点で描いている。“イタリアのチャップリン”と称される、ベニーニのユーモアと哀しみを交錯させた演出が秀逸。1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校の教師ドーラに恋をする。彼の純粋さに惹かれた彼女は結婚を承諾する。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていた。そんなある時、彼らに突然強制収容所への収監命令が下る。
★91点 赤い砂漠 (1964)
- 「ロッテントマト」批評家:100% 観客:86%
- 「IMDb」7.7/10
- 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ「欲望」
- 役者:モニカ・ヴィッティ
ヴェネチア国際映画祭:金獅子賞
解説&あらすじ
「太陽はひとりぼっち」のミケランジェロ・アントニオーニ初のカラー作品。ヴィッティ扮する人妻ジュリーナは工場技師の夫ウーゴを訪ねに息子ヴァレリオの手を引き、殺風景な工場地帯を歩いていく。彼女は交通事故で受けた精神的ショックから立ち直っておらず、その言動にはどこか狂った所がある。夫の同僚コラドはそんな彼女に同情するが、彼女の不安定な状態は悪化するばかり。そして、夫の出張中に不安にさいなまれた彼女はコラドとの情事に走るのだが……。
★90点 太陽はひとりぼっち (1962)
- 「ロッテントマト」批評家:92% 観客:90%
- 「IMDb」7.9/10
- 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ「欲望」
- 役者:アラン・ドロン「太陽がいっぱい」/モニカ・ヴィッティ
カンヌ国際映画祭:審査員特別賞
解説&あらすじ
愛の不毛を描き続けたミケランジェロ・アントニオーニの相も変わらぬ作品。三年越しの恋に終止符を打ったヴィットリアは、株式仲買人のピエロという青年と恋に落ちる。しかし彼女には、二人の間に横たわる大きな溝が感じられるのだった……。
★87点 父 パードレ・パドローネ (1977)
- 「ロッテントマト」批評家:100% 観客:80%
- 「IMDb」7.4/10
- 監督:タヴィアーニ兄弟「塀の中のジュリアス・シーザー」
- 役者:オメロ・アントヌッティ
カンヌ国際映画祭:パルム・ドール
解説&あらすじ
タヴィアーニ兄弟の“オイディプス”神話。原作をC・レッダの自伝に依った、文盲の羊飼いの若者がついには言語学者になる感動的な物語。南部サルデーニャ島。突然、保守的な父に小学校の教室から連れ出されたカビーノは、これからは羊飼いになる修行だ、と人里離れた山小屋にこもる生活を強いられる。語らう相手もいず、もっぱら自然の中の音を友とした少年は長じて音に大変敏感になる。そして、20歳となり、父も有無の言えぬ徴兵で、彼は軍隊生活を体験、文字を読む必要に迫られた彼は、そこでの教育で、知性を獲得することでようやく、絶対的な父の呪縛から逃れることができたのだった……。
★83点 息子の部屋 (2001)
- 「ロッテントマト」批評家:82% 観客:84%
- 「IMDb」7.4/10
- 監督:ナンニ・モレッティ
- 役者:ナンニ・モレッティ
カンヌ国際映画祭:パルム・ドール
あらすじ
精神科医のジョバンニは、画商の妻パオラ、娘のイレーネ、息子のアンドレアと平穏に暮らしていた。が、ある日、アンドレアが事故で死んでしまう。父ジョバンニは、事故の当日、息子とジョギングの約束をしていながら急患の往診に出てしまい、そのことで自分を責め、仕事も辞めてしまう。家族はいつまでも悲嘆に暮れ、いつしかお互いの関係さえも悪化させていく。そんなある日、息子宛に一通の手紙が届く。それは息子のガールフレンドからのものだった。やがて、ガールフレンドと悲しみを分かち合ううち、家族の中にも少しずつ変化の兆しが見え始めていく……。
★80点 ベニスに死す (1971)
- 「ロッテントマト」批評家:76% 観客:82%
- 「IMDb」7.5/10
- 監督:ルキーノ・ヴィスコンティ「山猫」
- 役者:ダーク・ボガード
解説
イタリア映画界の巨匠、ルキノ・ヴィスコンティが、美少年への思いを募らせた老作曲家の苦悩を格調高く描いた文芸ドラマ。作曲家グスタフ・マーラーをモデルに描かれたトーマス・マンの原作を基に映画化。少年へ恋焦がれるあまりに破滅へと向かう作曲家を演じるのは、『召使』『ダーリング』などのダーク・ボガード。美少年を演じたスウェーデン出身のビョルン・アンドレセンの美ぼうも話題になった。マーラーの音楽と共に描き出される芸術的で退廃的な世界観を堪能したい。
あらすじ
1911年、イタリアのベニス。静養に訪れた作曲家のアシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、宿泊先のホテルで見掛けた少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に一目で心を奪われる。タジオへの思いが抑えられないアシェンバッハだったが、折しもベニスではコレラがまん延し始め……。
★74点 マレーナ (2000)
- 「ロッテントマト」批評家:55% 観客:85%
- 「IMDb」7.5/10
- 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ「海の上のピアニスト」
- 役者:モニカ・ベルッチ「007 スペクター」
解説&あらすじ
「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ監督によるほのかに甘く、そして強烈に切ない少年の一途な恋の物語。1940年の晩春。シチリア島の漁村カステルクト。12歳の少年レナートは、その日初めて、村一番の美しい女性、マレーナを見た。マレーナは結婚してすぐに戦地へ行ってしまった夫ニノのことを想う毎日。そんなマレーナにたちまち恋に落ちた少年レナート。以来レナートはマレーナを見つめつづけた。やがて彼女に悲劇が訪れたときも……。