今回の記事は、ミステリーの女王「アガサ・クリスティ」の作品を海外読者のランキングで紹介します。日本人ではなく、本場英国の読者の間ではどの作品が一番人気なのでしょうか。
「アガサ・クリスティ」の名前は本を読んでなくても一度は聞いたことがあるはず。言わずと知れたミステリー小説の女王です。
『ABC殺人事件』や『そして誰もいなくなった』など100年近く前の作品を今でも世界中の人たちが読み続けています。
それだけに、「まだ読んでないけど、読んでみたい。でも何から読めばいいのかわからない。」と思う方も多いはず。そこで、この記事では読者の評価をランキングにして、絶対面白い一冊に巡り合えるようアガサの本を紹介します。
それでは、まずはアガサ・クリスティの紹介です。
アガサ・クリスティ (1890-1976 イギリス)
1890年、イギリス南西部のデヴォン州トーキーに生まれる。次女である。父のアメリカ人実業家フレデリックは商才に乏しく、のちに一家の経済状況は悪化してしまう。パブリックスクールに入ることを許されなかったアガサは、やがて読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものなどを読み、ミステリーに夢中になる。1920年に長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家としてデビュー。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も世界中の読者に愛読されており、その功績を称え大英帝国勲章が授与されている。
それではランキングの発表です。
今回のランキングは、アガサ・クリスティの出身である英国amazon.ukのレビュー点数を基準にしました。対象としたのは40件以上のレビューがある作品です。
1位はこの作品!
94点 ABC殺人事件
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1936年
- 原題:The ABC Murders
- レビュー数:2068
解説
著者全盛期の代表作。
「注意することだ」―名探偵ポアロに届けられた挑戦状。その予告通り、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺される。現場にはABC鉄道案内が不気味に残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され…。
93点 そして誰もいなくなった
- 刊行:1939年
- 原題:And Then There Were None
- レビュー数:424
解説
U・N・オーエンと名乗る富豪からその孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、さまざまな職業、年齢、経歴の十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、どこからともなく彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人また一人と殺されてゆく...
93点 オリエント急行の殺人
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1934年
- 原題:Murder on the Orient Express
- レビュー数:208
解説
数日がかりでヨーロッパを走り抜ける豪華寝台列車、オリエント急行。その日の列車には国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。あるとき、雪の中で立ち往生してしまう。しかも車内で殺人事件まで起こった。刺殺されたのは、いわくありげな金持ちのアメリカ人男性。偶然この列車に乗っていた名探偵エルキュール・ポアロは、事件を調査することになる。犯人は乗客の誰かにまちがいない。ところが全員にアリバイがあるのだ。はたして、ポアロの推理は…。
93点 予告殺人
- 主人公:マープル
- 刊行:1950年
- 原題:A Murder is Announced
- レビュー数:53
解説
その朝新聞の広告欄に、チッピング・クレグホーンの村人たちは夢中になった。「殺人をお知らせ申しあげます。十月二十九日金曜日、午後六時半にリトル・パドックスにて……」本気か、それともたちの悪いイタズラなのか? 予告の時刻になると、人びとがリトル・パドックスのブラックロックさんの家に集まった。時計の針が予告の午後6時30分を指したとき、一発の銃声が! 大胆な殺人事件の解決に、好奇心たっぷりの老婦人ミス・マープルが挑む!
93点 ポケットにライ麦を
- 主人公:マープル
- 刊行:1953年
- 原題:A Pocket Full of Rye
- レビュー数:48
解説
マザー・グースに材を取った中期の傑作。
投資信託会社社長の毒殺事件を皮切りにフォテスキュー家で三つの殺人事件が起こる。その中に、ミス・マープルが仕込んだ若いメイドが、洗濯バサミで鼻を挟まれた絞殺死体として発見された事件があった。義憤に駆られたマープル、犯人に鉄槌を下すべく屋敷に乗りこむ。
93点 白昼の悪魔
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1941年
- 原題:Evil under the Sun
- レビュー数:46
解説
地中海の平和な避暑地スマグラーズ島の静寂は突如破られた。避暑地を満喫していた美しき元女優アリーナ・マーシャルが、何者かに殺害されたのだ。犯人が滞在客のなかにいることは間違いない。だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイがあった…難航する捜査がついに暗礁に乗り上げようとしたとき、滞在客の中から名探偵エルキュール・ポアロが進みでた。
93点 書斎の死体
- 主人公:マープル
- 刊行:1942年
- 原題:The Body in the Library
- レビュー数:44
解説
クリスティーが「ありふれた設定」を「意外な展開」でみせる渾身作。
書斎に転がる死体なんて探偵小説の中だけのこと―が、現実に見知らぬ女性の死体がバントリー大佐の書斎で発見される。深まる謎を解くため、ミス・マープルが駆り出される。まもなく被害者と“マジェスティック・ホテル”の関係が明らかになるが…
92点 もの言えぬ証人
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1937年
- 原題:Dumb Witness
- レビュー数:41
解説
名探偵ポアロは巨額の財産をもつ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受けとった。だが、それは一介の家政婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。そして奇妙なことにその手紙は彼女の死の半月も前の日付が書かれていた。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む「もの言えぬ証人」こと愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。
献辞は、クリスティの愛犬であった「ピーター」に対し捧げられている。
91点 アクロイド殺し
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1926年
- 原題:The Murder of Roger Ackroyd
- レビュー数:250
解説
驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿だった。容疑者であるアクロイド氏の甥の行方も分からず、事件は早くも迷宮入りの様子を示し始めた。だが、シェパード医師の隣に越してきた変人が名探偵ポアロと判明、局面は新たな展開を迎える…
91点 ナイルに死す
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1937年
- 原題:Death on the Nile
- レビュー数:128
解説
資産家で美人のリネットと若き夫サイモンのハネムーンは、ナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で突然轟く一発の銃声により暗転する。サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけまわしていたのだ。嫉妬に狂っての凶行なのか?…だが事件は意外な展開を見せる。船に偶然乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは。
91点 ねじれた家
- 刊行:1949年
- 原題:Crooked House
- レビュー数:91
解説
ねじれた家に根性の曲がった家族と住む心のねじれた老人アリスタイド・レオニデスが毒殺される。殺人現場の状況は身内の者の犯行を示し、後妻や、金に窮している長男などが互いに疑いの目を向け合う。孫娘のソフィアやロンドン警視庁の父などが事件をそうさするが、その最中、恐るべき第二の殺人が起こる…マザー・グースの童謡を巧みに組み入れ、クリスティが最高傑作と語った作品である。
91点 ゼロ時間へ
- 主人公:バトル警視
- 刊行:1944年
- 原題:Towards Zero
- レビュー数:49
解説
ミステリの常識を覆したと評価の高い画期的な野心作
平穏な海辺の館で起こった残忍な殺人。金持ちの老婦人が殺された。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかったのだ。人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に向けて、着々と進められてゆく綿密で用意周到な計画とは?
90点 牧師館の殺人
- 主人公:マープル
- 刊行:1930年
- 原題:The Murder at the Vicarage
- レビュー数:95
解説
詮索好きの老嬢ミス・マープルが深い洞察力で真相に迫る長篇初登場作。
閑静な小村セント・メアリ・ミード村で頑固な村の退役大佐が、射殺死体で発見された。しかも場所はこともあろうに牧師館の書斎―やがて犯人と目される画家が自首したことから、事件は簡単に解決すると思われたが…
90点 雲をつかむ死
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1935年
- 原題:Death in the Clouds
- レビュー数:48
解説
パリからロンドンに向かう定期旅客機が英仏海峡にさしかかった時、機内を蜂が飛びまわり始め、奇妙な事件が起きた。最後部席に眠っていると思われた乗客の老婦人が、じつは死んでいたのだ。その首筋には、蜂の毒針で刺されたような傷がのこり、すぐに吹き矢の針が機内で発見される。針にはおそるべき毒ヘビの毒が塗られていた。大空を飛ぶ飛行機は、完全な密室だ。だから犯人は、必ずこの機の乗客、乗員のなかにいる。問題の機に乗りあわせていた名探偵エルキュール・ポアロが調査を開始する!
90点 茶色の服の男
- 刊行:1924年
- 原題:The Man in the Brown Suit
- レビュー数:45
解説
父親を亡くしたばかりのアンは、ロンドンの地下鉄ホームで妙な事件を目撃した。外国人の男が何かに驚いて転落死し、それを見取った怪しい医者が暗号らしきものの書かれた紙片を落としていったのだ。冒険心に富むアンは、事件の謎を解くべく一人、鍵を握る南アフリカ行きの客船に飛び乗るが…胸躍る冒険ミステリ。 amazon
89点 スタイルズ荘の怪事件
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1920年
- 原題:The Mysterious Affair at Styles
- レビュー数:241
解説
不朽の名探偵の出発点となったアガサ・クリスティ当時30歳の記念すべき処女作。
旧友の招待でスタイルズ荘を訪れたアーサー・ヘイスティングズ。しかし、到着早々事件に巻き込まれる。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。困難な事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。
89点 無実はさいなむ
- 刊行:1958年
- 原題:Ordeal by Innocence
- レビュー数:77
解説
慈善家の老婦人が殺され、評判の悪い養子のジャッコが逮捕された。彼はアリバイを主張したものの有罪となり、獄中で死んだ。それから二年後、外国から帰ってきた男が、ジャッコの冤罪を告げに遺族の住む屋敷を訪れた。が、その来訪は遺族にとって迷惑だった。落着したはずの事件が蒸し返されることになったのだ。 amazon
89点 動く指
- 主人公:マープル
- 刊行:1943年
- 原題:The Moving Finger
- レビュー数:49
解説
戦時中の飛行機事故により重傷を負ったバートンは療養のために妹とその村に居を構える。まもなく、悪意と中傷に満ちた差出人不明の手紙が住民に無差別に届けられた。「ジェリーとジョアナが本当の兄妹ではない」...陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは?ミス・マープルが若い二人の探偵指南役を務める。
89点 死との約束
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1938年
- 原題:Appointment with Death
- レビュー数:47
解説
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ…」エルサレムを訪れていた名探偵ポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?ポアロの思いが現実となったように殺人は起こる。謎に包まれた死海を舞台にして、ポアロの並外れた慧眼が真実を暴こうとする!
89点 NかMか
- 主人公:トミー・タペンス
- 刊行:1941年
- 原題:N or M?
- レビュー数:43
解説
舞台は第2次世界大戦開戦後の1940年。情報局の関係者が、「NかM。ソング・スージー。」という言葉を残して死んだ。情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で南海岸の保養地リーハンプトンへと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、二人は夫婦であることを悟られぬよう大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに…スリル満点の冒険ミステリ。
88点 五匹の子豚
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1943年
- 原題:Five Little Pigs
- レビュー数:70
解説
事件が起きたのは16年前、若い恋人に走った高名な画家の父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです……娘の依頼にポアロの心は動いた。再調査に乗り出したポアロは、当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、当時の状況を再現してゆく。ポアロが探り当てる事件の真相とは?
88点 杉の柩
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1940年
- 原題:Sad Cypress
- レビュー数:44
解説
婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。彼女の出現によってロディーが心変わりをし、婚約は解消される。激しい憎悪がエリノアの心に湧き上がる。やがて彼女の作った食事を食べたメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが…嫉妬に揺れる女心を名探偵ポアロの調査によって解き明かす。
88点 殺人は容易だ
- 主人公:バトル警視
- 刊行:1939年
- 原題:Murder is Easy
- レビュー数:44
解説
植民地帰りの元警官ルークは、列車内でたまたま同席した老婦人から奇妙な話を聞く。彼女の住む村で密かに殺人が行なわれている、彼女はその犯人を突き止めたので警視庁に訴えに行くという。くだらぬ妄想だと聞き流したが、翌日の朝刊をみてルークは愕然とした。その老婦人が車に轢き殺されたというのだ…。
87点 復讐の女神
- 主人公:マープル
- 刊行:1971年
- 原題:Nemesis
- レビュー数:57
解説
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。 amazon
87点 クリスマス・プディングの冒険
- 主人公:ポワロ&マープル
- 刊行:1960年
- 原題:The Adventure of the Christmas Pudding
- レビュー数:57
解説
推理小説の短編集。ポアロが最初の5作品、マープルが最後の1作品の主人公として登場する。
収録されている作品は「クリスマス・プディングの冒険」「スペイン櫃の秘密」「負け犬」「二十四羽の黒つぐみ」「夢」「グリーンショウ氏の阿房宮」
あらすじ
「クリスマス・プディングの冒険」
ある東洋の国の王子がロンドンで出会った女性にルビーを盗まれた。依頼をうけたポアロは、女性がいる屋敷のクリスマスパーティーに参加する。
「グリーンショウ氏の阿房宮」
- 建造物を訪れた。「グリーンショウ氏の阿房宮」と呼ばれる館の主ミス・グリーンショウはホレイスとレイモンドに自らの遺言書への署名をたのみ、また遺産の隠し場所を教える。「殺人」の気配がしたホレイスにレイモンドは伯母のミス・マープルを紹介する。
87点 ゴルフ場殺人事件
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1923年
- 原題:Murder on the Links
- レビュー数:64
解説
富豪ルノーが、フランスに滞在中ゴルフ場で何者かに殺される。名探偵ポアロが事件を担当することになるが、パリ警察の名刑事ジローも捜査を開始。ふたりは、知恵比べをしながら調査をしてゆくことになるが、まもなく富豪殺しと同じ凶器で浮浪者が殺害される事件が発生。はたして、二つの事件に関連はあるのか!?
86点 ポアロのクリスマス
- 主人公:ポワロ
- 刊行:1938年
- 原題:Hercule Poirot's Christmas
- レビュー数:128
解説
クリスマス的趣向に満ちた注目作。
聖夜に惨劇は起きる!一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの血みどろの死体が発見された。部屋のドアは中から鍵が閉められ、窓も閉ざされている。一体犯人はどうやって侵入したのか?休暇返上で捜査にあたる名探偵ポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるのだが…
86点 パディントン発4時50分
- 主人公:マープル
- 刊行:1957年
- 原題:4.50 from Paddington
- レビュー数:65
解説
ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。並んで走る別の列車の中で、いままさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ…鉄道当局も、警察も本気にはしなかったが、好奇心旺盛なミス・マープルだけは別だった!シリーズ代表作、新訳で登場。 amazon
85点 秘密機関
- 主人公:トミー&タペンス
- 刊行:1922年
- 原題:The Secret Adversary
- レビュー数:91
解説
トミーとタペンスの名コンビ誕生の記念碑的作品である。
アガサ・クリスティがお茶をしている時に、「ジェーン・フィッシュ」という名前が話題に上がっていた。それがきっかけでこの作品が誕生した。
あらすじ
第一次世界大戦が終わった後、平和になったロンドンで幼なじみのトミーとタペンスが久々の再会を果たす。ふたりは「青年冒険商会」なる会社を作り、さっそく依頼人に出会う。そして、依頼人の事務所である偽名をタペンスが名乗るのだが、その場が凍りつく。実は、その名は戦時中に行方不明になった諜報活動を助けていた女性の名前だったのだ。それからふたりは極秘文書の争奪戦に巻き込まれる。
85点 火曜クラブ
- 主人公:マープル
- 刊行:1932年
- 原題:The Thirteen Problems
- レビュー数:77
解説
甥のレイモンドを筆頭に、前警視総監や画家などさまざまな職業の人々がミス・マープルの家に集っていた。一人の提案で各自が真相を知っている昔の事件を語り、その解決を推理しあうという“火曜クラブ”ができたが…静かな目立たない田舎の老婦人ミス・マープルが初めて驚異の推理力を披露した短篇13篇を収録。 amazon
84点 象は忘れない
- 主人公:ポアロ
- 刊行:1972年
- 原題:Elephants Can Remember
- レビュー数:40
解説
ポアロシリーズ最後の作品といっても過言ではない。それは1975年に発表された「カーテン」が実は1943年に書かれたものだからだ。
またイギリスには「An elephant never forgets」ということわざがある。本書の題名もそこからきている。
あらすじ
主人公のポアロは推理作家ミセス・オリヴァからある相談を受ける。オリヴァはある女性から、オリヴァが名付けたシリア・レイヴンズクロフトの両親が10年前に起こした心中事件の真相を知りたいと相談される。両親とも死んだのだが、「母親と父親のどちらが先に銃を撃ったのか」ということがわかっていなかったのだ。
そこでオリヴァから依頼を受けたポアロは、レイヴンズクロフト家と関係する人の中から「象のように記憶力のよい人」を探し出し、10年前の事件の真相を解明する。