こんにちは。〈彼女(相方)〉です。笑
ちなみに、最近相方も記事の執筆やツイートをし始めました。ストレートに批判しているのが僕で、言葉が丁寧なのに失礼なのが相方です。
— ART@9日『オンユアフィート』シアタークリエ (@arisugawahana) 2018年12月8日
前回の記事に引き続き、一足先に超個人的に選んだ〈彼女(相方)〉的2018年のミュージカルベスト10をお送りしたいと思います。
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ミュージカルファンが選ぶ!2018年ミュージカル・アワード【6位〜10位】
こんにちは。ミュージカル大好きな〈彼女〉です。笑 ちなみに、最近相方も記事の執筆やツイートをし始めました。ストレートに批判しているのが僕で、言葉が丁寧なのに失礼なのが相方です。 — ART@9日『オン ...
では早速、5位〜1位をどうぞ!
目次
5位 Les Misérables(West End)
- ロンドン、クイーンズ・シアター
第5位は、今やミュージカルの代名詞ともなった『レ・ミゼラブル』のウエストエンド版です。
盆がくるくる回る旧演出版を上演しているのは、世界中でこのロンドンのカンパニーだけですね。
白状しますが、私レミゼで泣いたこと無かったんです、これ観るまでは。
日本でも数え切れないほどリピートしてますし、ブロードウェイでも観ましたが、ウルっとはきても泣くまではいかなかった。
そもそも私、舞台観て泣かない人間なのです。(泣いたのは『ビッグ・フィッシュ』日本初演くらい)
それが、これはさすがに泣きました。それもヴァルジャンの最期という一番ベタなところで…。
日本もブロードウェイも大劇場で観客席がやたら広くステージが遠い、という印象を持っているのですが、
ウエストエンドのクイーンズ劇場は三階建で高さはありますが、1000人収容とは思えないほどまとまった濃密な劇場空間でした。
ステージも決して広くありません。
そのおかげが、ステージ上で繰り広げられる登場人物たちの人生をより身近なものとして受け入れられました。
ヴァルジャンが亡くなる時なんか、昔から知っているおじさんが死んじゃうくらいの悲しさでした。
でも愛する娘夫婦が駆けつけて、ファンティーヌやエポ、神父様まで迎えに来てくれて、「ああ、本当に良かったな」と。
ヴァルジャンの壮絶な人生を一番近くで目撃し、さらには共に生きた感覚に陥ったのです。
1985年にロンドン初演が始まり、三番目の上演劇場としてこのクイーンズ劇場に移ってきたわけですが、33年に及ぶロングランの間に不必要な物は徹底的に削ぎ落とされ、洗練された最良の舞台を提供している。
そして、そのことに対するカンパニーのプライドや自信もヒシヒシと感じました。
※クイーンズ・シアター
4位 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊記』(宝塚星組)
- 梅田芸術劇場メインホール:~
- 虚淵玄 原案・脚本・総監修「Tunderbolt fantasy 東離劍遊記」より、脚本・演出:小柳奈穂子
第4位は星組の特別公演『サンダーボルト・ファンタジー』です。
本公演『アナザー・ワールド』は、着想は良いもののまとまりきれていない印象だったのですが、こちらは「流石まとめる達人、小柳奈穂子先生!」といった感じでした。
台湾で有名な美麗人形劇の舞台化は、「コスチュームの星組」にピッタリ。
まるで2.5次元舞台を見ているようなキラキラなヴィジュアル。星組生それぞれの特性をしっかり掴んだ適材適所のキャスティング。
ストーリーもどんでん返しがあって面白かった!
適材適所なキャスティングって、番手が重要視される宝塚では意外と難しいことだと思うんですが、
主人公なのに何にもしない大怪盗(この人本当に何もしないんです。ただ終始偉そうなので凄い人だということは伝わってくる)に、ヴィジュアル(と芝居)は良くても歌・踊りがイマイチのトップスター・紅ゆずるを。
三次元で再現可能なのかと思うほど可愛い(元のキャラが人形なので)ヒロインに、ヴィジュアルしか褒める所のないトップ娘役・綺咲愛里を。
ヒロインに恋する弟キャラの犬系男子に、オールラウンダーのスーパー・タレントだけどヴィジュアルが幼め(可愛い)の2番手・礼真琴を。
そして、この舞台の真の主人公であり(私はそう思っている)、大活躍した渋く強ーーーい剣客に、別格(3番手?)の七海ひろきを配置する憎らしさ!(この時すでに七海さんの退団が決まっていたのかな、としみじみ)
特に七海さんの活躍は凄まじく、「こんなに出来る方だったとは!」と心底驚いたのでした。(あとは、紅さんに何もさせずただ美しく佇ませた、というのも個人的に素晴らしかったです。)
その他のメインキャストもそれぞれが持つキャラに合っていて、個性が強い星組にはドンピシャの舞台だったと思います。
小柳先生は、翻案物が多く「焼き直しばかり」との批判も聞きますが、『ルパン三世』や『幕末太陽傳』など、原作があるものを宝塚ナイズドして新たに作り変える=翻案する力はお見事。
宙組の『天は赤い河のほとり』では原作が長すぎたのか、あらら?でしたが…、今作では「まとめ直す力」が存分に発揮されていたと思います。
※星組「TAKARAZUKA in TAIWAN 2018 Stage & Document」特集ページ
3位 『オン・ユア・フィート』
- シアタークリエ:12月8日〜30日、全国公演あり
第3位は、今年のダーク・ホース!『オン・ユア・フィート』です。
ムッキムキ、キレッキレのダンサーがラテンを踊りまくるブロードウェイ版の映像をずっと見ていたので、日本版キャストが発表されて「あれ?ラテン系のダンサー全然いない?」と。
そのせいで期待値は高くなかったのですが、見事に裏切ってくれました。
詳しくは〈俺〉氏と対談していますのでぜひ。
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※ダンサーがキレキレに踊るブロードウェイ版の映像
2位 『メリー・ポピンズ』
- 東急シアターオーブ:3月18日〜5月7日、梅田芸術劇場メインホール:5月19日〜6月5日
第2位は大作『メリー・ポピンズ』です。
好きすぎて大阪まで追いかけました。
もともと映画が大好きで物心つく前から見続けていましたから、思い入れも一入です。
そもそも、日本のミュージカル女優の中でダントツのうまさを誇る濱田めぐみさんが、「なんでもできる素晴らしい人」メリー・ポピンズを演じるのですから、面白くないはずがありません。
大好きな濱田さんの声で大好きなメリーの楽曲が聞けて心から幸せでした。
続編の声優に決まった平原綾香さんのプレビュー初日も観ましたが、舞台装置に弾かれ転倒した時は本当に肝を冷やしました。
彼女が破けたスカートを引きずりながら「ジョリー・ホリデー」を踊りきった時、私はすっかりこの作品に魅了されていたのです。
映画とミュージカルでは、キャラクターたちの印象が全く異なっていたと思います。
濱田さんと平原さんのメリーは、ジュリー・アンドリュースが演じる「ひょうきんで好感度抜群!だけどイギリスらしい気難しさも持つ複雑なメリー」とは別物でした。
強いて言えば、平原さんがひょうきん(というか不思議ちゃん)で、濱田さんが気難しい(というか凄腕シッター)メリーというところでしょうか。
映画と印象が違うのは、バート、バンクス夫妻、子どもたち、ミセス・ブリルにも言えることだと思います。
そもそも、演じる役者が違うので映画と違って当たり前だし、ミュージカルでもダブルキャストで全く印象が違いましたよね(全キャスト観劇しました)。これぞダブルキャストの醍醐味。
映画に出てこないオリジナル・キャラクターも満載ですし、ストーリーもだいぶ映画と違いましたが、それでも、原作ファンがずっと夢見てきた世界観、そして膨らませてきた期待を裏切らないのは凄いなと。
セットや演出もブロードウェイ・ミュージカルらしいスケールの大きさでとっても楽しめました。
天井でタップしたり、三階席まで傘で飛んだり、「よくこんな演出思い付くな」と同時に、「よく実現させたな」と思うものばかり。
原作ファンも大満足の素晴らしい舞台でした!
※「ジョリー・ホリデー」
1位 『THE LAST PARTY 〜S.Fitzgerald's last day〜 フィッツジェラルド最後の一日 』(宝塚月組特別公演)
- 日本青年館ホール:6月14日〜6月20日、シアター・ドラマシティ:6月30日〜7月8日
- 作・演出:植田景子
2018年、堂々第1位のミュージカルに輝いたのは、月組特別公演『ザ・ラスト・パーティー』です。
北翔海莉さんが退団して以来宝塚に推しのいなかった私が、猛烈に月城かなとを好きになったのはこの舞台がきっかけでした。
月城さんがその麗しさだけでなく、役者としての技量の高さを存分に見せつけたこの舞台。
彼女の魅力については既に熱く語っていますので、ぜひそちらを読んで頂ければ…。
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組替えで開花!月城かなとの魅力徹底解剖
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さて、この舞台は役者TUKISHIROがスコット・フィッツジェラルドを演じるというもので、少しメタ感の漂う設定。
そもそも、アパートの一室でたった一人で亡くなったスコットに思いを馳せ、彼はその時何を思ったのかをTUKISHIROが想像するところから、物語は始まります。
つまり、観客はこれから始まるスコットの物語の結末を、最初に知らされることになります。
そして、これから自分たちが目撃するスコットの数奇な人生が、一人の役者によって演じられている「芝居」であるということを思い知らされるのです。
メタ作品は、ともすればストーリーをぶった切り、観客を現実の世界に引き戻して興ざめさせる…なんてこともあるのですが、この作品ではスコットの世界とTUKISHIROの世界、この二つの世界の切り替えをぶつ切りにせずうまく繫げていたところに脚本・演出の手腕を感じました。
良い脚本に良い演出、そして良い役者の三拍子揃った良質な舞台だったと思います。
帰り道は、「なんだか凄いものを観てしまったな…」と興奮していました。
実のところ、宝塚にはレビューを楽しみに通っていた面が強いのですが、宝塚の芝居に関する印象までも変わった作品でした。
如何だったでしょうか?以上が個人的な2018年ミュージカル・ベスト10でした。
残念ながら帝劇作品はランクインならず…。
個人的に、大劇場より中劇場作品の方が心に残る結果となりました。
長々とお付き合い頂きありがとうございます♪
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ミュージカルファンが選ぶ!2018年ミュージカル・アワード【6位〜10位】
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2018年も残りわずかですが、皆さんにとって悔いのない観劇ライフが送れますように!
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