2017年にアメリカ、2018年3月に日本で公開の映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(The Post)」のネタバレ・あらすじを最初からラストまでご紹介します。
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(The Post)」の基本情報
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(The Post)」はアメリカ製作の政治映画。監督・プロデューサーはスティーブン・スピルバーグ。脚本はリズ・ハンナとジョシュ・シンガー。
キャスト
主演はメリル・ストリープ(キャサリン・グラハム)、トム・ハンクス(ベン・ブラッドリー)。その他に、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッドが出演。
あらすじ
舞台は1970年代のアメリカ。物語は実話を元にしています。アメリカ合衆国によって隠蔽されてきたペンタゴン・ペーパーズの文書をリーク&報道を行ったワシントン・ポストの記者やオーナーたちの姿が描かれます。
メモ
実話を基にしたジャーナリズム物語
音楽
音楽をジョン・ウィリアムズが手掛けています。「スター・ウォーズ」のテーマや、「ジョーズ」などスピルバーグ作品の楽曲を手がけるハリウッドの巨匠。
今までにアカデミー賞を5回受賞しています。
アメリカ・日本公開日
映画の撮影は2017年5月からニューヨークで開始。映画の初公開は2017年12月14日、ワシントンD.C.にあるニュージアム(ニュースとジャーナリズムに関する、双方向型の博物館)。全米公開は2018年1月12日。現在世界中で3,900万ドルの興行成績です。
日本での公開は2018年3月を予定しています。
メモ
2018年3月日本公開
評価
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(The Post)」は多くの批評家から高い評価を得ています。特に、メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ボブ・オデンカークの演技への賞賛。そして、ニクソン政権とトランプ政権の比較を暗示しているという批評が多く見られます。
また、ナショナル・ボード・オブ・レビューの2017年ベスト映画、またタイムズ誌の年間トップ10にも選ばれています。さらに、ゴールデン・グローブ賞では作品賞や脚本賞を含む6部門にノミネートされました。アカデミー賞でのノミネートも確実でしょう。
主なアワード受賞&ノミネート
- ゴールデン・グローブ賞:作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞、主演男優賞、主演女優賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:作品賞、主演男優賞、主演女優賞
- サンディエゴ映画批評家協会:編集賞、アンサンブル賞
メモ
ゴールデン・グローブ賞6部門ノミネート。アカデミー賞でも複数ノミネート予想。
ネタバレ
物語は1965年のベトナム、アメリカ合衆国国務省。戦争アナリストのダニエル・エルズバーグはベトナム戦争中に米軍に同行。ロバート・マクナマラ国防長官の地域における米軍活動の進展を記録している。
帰りの飛行機、マクナマラ国防長官は、エルズバーグとリンドン・ジョンソン大統領に、ベトナム戦争は絶望的であるとの見解を表明し、しかしながら戦争に対する努力と貢献に自信を見せていた。エルズバーグはこれを聞き、失望する。
ベトナム戦争の真実を記した文書がNYタイムズにリーク
数年後、エルズバーグは現在、民間の軍事請負業者で働いている。彼は現在も進行中のベトナム戦争の進展を記録した機密文書を秘密裏にコピーする。その文書はトルーマン政権までさかのぼる資料である。彼はこれらの文書をリークし、ニューヨーク・タイムズの記者に手渡した。この文書では、20年以上の秘密にしてきたアメリカ軍および政府の活動。そしてベトナム戦争が上手くいっていないことを率直に認めている詳細が書かれていた。
ワシントン・ポストのオーナー、キャサリン・グラハムについて
ワシントンD.C.新聞の女性相続人であるキャサリン・グラハムは、ワシントン・ポストの所有者としての彼女の社会的生活とワシントンポストのオーナーとしての責任とのバランスをとろうとしている。キャサリン・グラハムの夫が彼女の父から引き継ぐはずだった新聞社だが、夫は自殺してしまったのだ。
彼女は今、新聞社のIPO(新規公開株)の準備をめぐり葛藤していた。新聞社を強化してゆくためには欠かせないが、一方で一族の権力が行き届かなくなることを恐れていたのだ。キャサリンは組織を率いてゆく女性経営者としての能力に自信を持てずにいた。実際に、彼女に助言や共に働く積極的な男性社員にしばしば自分の意見を却下させられていたのである。その男性社員とは記者のベン・ブラッドリーや取締会のアーサー・パーソンズのことである。
NYタイムズの報道が裁判所により停止
ベン・ブラッドリーは、ニューヨーク・タイムズの調査捜査官ニール・シーハンがしばらくの間、記事を公開していないことに気づく。そして、ベン・ブラッドリーはシーハンが何か大きな事件や出来事に関わっているという結論に達する。そして、ベンはなんとかシーハンのスクープに追いつこうとするが、その努力は失敗してしまう。
一方で、キャサリン・グラハムの長年の友人であるマクナマラは、キャサリンにニューヨーク・タイムズの報道の対象になろうとしていると打ち明ける。
このニューヨーク・タイムズの報道により、アメリカ政府が長年にわたりアメリカ人に対し、ベトナム戦争に関する情報を欺いていたことが判明。しかし、ニューヨーク・タイムズによるペンタゴン・ペーパーズへの言及記事は、裁判所の差し止め命令により発表を停止させられてしまう。
文書の掲載を試みるワシントン・ポスト
ワシントン・ポストの編集アシスタントであるベン・バグディキアンはリークの由来がエルズバーグであることを突き止める。
そして、エルズバーグはバグディキアンにタイムズ紙と全く同じ文書のコピーを渡す。ワシントン・ポストは小さなチームを組み、無秩序な文書をかきわけて調べ上げ、背景にある大きな問題にたどり着く。しかし、ワシントン・ポストの顧問弁護士・彼はそのチームのプロジェクトに気付き、文書に関する情報を新聞に載せないよう忠告するのだった。ニクソン大統領が刑事告訴を行う可能性があったのだ。
新聞社のオーナーであるグラハムはベトナム戦争に関するアメリカ合衆国の隠ぺいを記事にすることに悩む。マクナマラやブラッドリー、そして信頼の置ける社長フリッツ・ビービなど、男性たちの意見や情報に耳を傾けるグラハム。
もし法により訴えられれば、彼女の一族が経営してきた新聞社が倒産・営業の停止になる恐れがある。一方で、この報道が成功を収めるならば、立派なジャーナリズム機関として新聞社を存続させられることができる。悩んだ結果、グラハムは記事を掲載することを決定する。
裁判に勝つワシントン・ポスト
ワシントン・ポストに対しホワイトハウスは報復を行う。アメリカ合衆国連邦政府は国家機密文書の情報漏洩であり、アメリカの安全を脅かす行為だとして訴訟を連邦地方裁判所に起こしたのだ。
ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズは即座に「言論の自由」を保障する憲法修正第1条に反していると申し立てる。そして、全国各地の新聞社がこの一連の報道に対して、共に行動するよう表明する。
そして、最終的に裁判所はグラハムの申し立てを支持ししたのだった。