「生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)」アニメ映画のネタバレ・あらすじ。また声優についてご紹介します。
アカデミー長編アニメーション賞期待作の2番手
2018年3月4日のアカデミー賞まで半年を切りました。すでに数多くの映画が公開されていますが、正直、あまりアニメ作品に関しては有力候補がないな...今年もピクサー/ディズニーだろうなと思い海外の映画サイトをチェックしていたところ、海外の記事で「リメンバー・ミー」に次ぐ高い評価を得る作品を見つけました。
それはアンジェリーナ・ジョリーがプロデューサーとしても参加しているアニメーション作品「生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)」。
(1位:リメンバーミー、2位:生きのびるために/The Breadwinner、3位:レゴ・バッドマン、4位:ボス・ベイビー)
タリバン政権下で少女が髪を切り、男の服装をして働きに出るという話。家族を守るために、男の恰好をして働く。ディズニーの「ムーラン」を思わせるストーリー、さらに実際にタリバン政権下で暮らした人々へのインタビューを通して執筆された小説を映画化した作品というリアルさゆえに興味を持ちました。
そこで、今回の記事では映画「生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)」についてご紹介します。
「生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)」
「生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)」は2017年に公開されたアニメーション映画。
製作はアカデミー賞ノミネート2回のカートゥーン・サルーン
製作はカートゥーン・サルーン、今までに「ブレンダンとケルズの秘密」でアヌシー国際アニメーション映画祭観客賞を授賞し、アカデミー賞にノミネート、さらに2014年公開の「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」でもアカデミー賞にノミネートしています。
監督はノラ・トゥーミー、「ブレンダンとケルズの秘密」の共同監督や「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」の声優監督を務めてきた46歳のアイルランド出身女性監督です。
プロデューサーはミミ・ポーク、そしてアンジェリーナ・ジョリー。
2017年9月初公開
2017年9月8日にトロント国際映画祭で初上映され、11月17日にはアメリカで劇場公開が開始されました。上映時間は1時間34分。
日本での公開はまだ決まっていません。
あらすじ・ネタバレ
あらすじ
主人公はまだタリバンが支配するアフガニスタンで暮らす少女パヴァーナ。ある時、彼女の父ヌラーラが無実の罪で逮捕される。女性は男性と共に出歩くことが義務付けられたタリバン支配の町で、母親ファテマと彼女の妹ソラヤを飢えから救うために長い髪を切り、少年の服装をしてパヴァーナは友人シャウジアと共に働き始める。そこでパヴァーナは今までに見たこともない新しい世界、それと隣どおしの危険な世界に遭遇する。
ついには、父親の行方を探し、離ればなれになった家族を再び一つにしようとする。
実際に難民キャンプでのヒアリングをもとに、タリバン政権下での女性の生き方を描く真に迫るストーリー。
ネタバレ
原作となる小説では、父親を探し出したパヴァーナが父と一緒に逃げ出し、難民キャンプへ家族を探しに行きます。また友人のシャウジアも強制結婚を強いる家族から一人逃げ出します。
20年後、パヴァーナとシャウジアはフランスのエッフェル塔の下で再会するのでした。
声優
- サラ・チャウドリー:パヴァーナ
- ソーマ・バティア:シャウジア
- ララ・サディク:ファティマ
- アリ・バドシャー:ヌルラー
- シャーイスタ・ラティフ:ソラヤ
- カンザ・フェリス:ソーサラー
- カワ・アダ:ラザク
評価
海外で最も大きな映画レビューサイトRotten Tomatoesの評価では、批評家29人中26人が映画に肯定的評価を下し、平均点は7.3/10。
感想
ベテラン映画批評家ケネス・トゥランはロサンゼルス・タイムズで「映画『生きのびるために/The Breadwinner(ブレッドウィナー)』は私たちに〈最高のアニメーション映画はどんな時でもあらゆる場所へと連れて行くことができ、また心から内容を信じさせる力がある〉と思い出させてくれる」と語りました。
その他にも、ワシントンポストのヴァネッサ・H・ラーソン「ストーリーの出来にムラはある。しかし、視覚的に観客を魅了しながら、アメリカが2001年にタリバンとの戦争に至るまでの政権下で勇気を持って生きるアフガニスタンの少女について伝えてくれる」。
ニューヨーク・タイムズのグレン・ケニー「現実的な厳しい失意がキャラクターたちに降りかかり、さらに彼らの姿は率直に描かれている。しかし、鑑賞者は恐怖に陥るのではなく、ちゃんとキャラクターに親近感を覚えられるように描かれている」。
ロジャー・イーバート.comのピーター・ソブチンスキー「細部を見るとアラはあるが、映画全体で考えれば決して無視できない力強さがある」。
一方でボストン・グローブのマーク・フィーニーは「映画製作者の野心と作品への真摯さには敬意を表したい。しかし、誰に向けた作品であるのかという点に関して疑問が残った」と語りました。
小説「生きのびるために/The Breadwinne」
「パヴァーナ」としても知られる「生きのびるために/The Breadwinne」は2000年に発表された小説。作品を執筆したのは1960年カナダ出身の女性作家デボラ・エリス。世界中を飛び回り、インタビューをもとにした平和作品や反戦争作品を手がけています。
インタビューをもとに執筆
1997年にパキスタンの難民キャンプで数ヶ月大人の女性や少女にインタビューをし続け、実体験に基づいたリアルなアフガニスタンの現状を「生きのびるために/The Breadwinne」では描き出しています。この作品はピーター・パン賞やミドル・イースト・ブック・アワードなど数々の文学賞を今までに獲得してきました。
2018年のアカデミー賞候補作は、「リメンバー・ミー」「ボス・ベイビー」などの子供向け作品が多い中、「生きのびるために/The Breadwinner」は大人向けのアニメ映画作品です。
まだアフガンでは戦争が終わらず、タリバンの名を語る組織も目立つ中、作品への注目度ゆえに、政治的な要素も強いアカデミー賞では受賞へとつながる可能性もあります。
今後も、このサイトでは「生きのびるために/The Breadwinner」に注目してゆきます。