「エリザベート」紹介
1992年のオーストリアでの初演以来、ハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと黄泉の帝王“トート=死”の禁じられた愛を描いたストーリーは、20年以上に渡り世界中で演じられ、帝国劇場においても、2000年の初演以来観客を魅了し続けています。
タイトルロール・エリザベートは、宝塚版オリジナルキャストでその比類なき華やかさで客席を魅了する花總まりと、2014年の宝塚花組公演で同役を演じた蘭乃はなが引き続き務めます。トート役も前回圧倒的な存在感を見せつけた2人のトート、城田優と井上芳雄が演じます。
また、狂言回しのルキーニ役は前回に引き続き山崎育三郎と、『十二夜』やミュージカル『100万回生きたねこ』での好演が光る成河が初登場いたします。
皇帝フランツ役は田代万里生と佐藤隆紀の若手実力派が再び演じ、皇太后ゾフィー役には『レディ・ベス』『貴婦人の訪問』での歌声が絶賛された涼風真世が、前回から引き続き演じる香寿たつきに加わり、悲劇の皇太子ルドルフ役には古川雄大、京本大我が続投いたします。
会場
東京
2016年6月~7月(終演しました)
福岡
2016年8月~9月(終演しました)
大阪
9月
名古屋
10月
演出&訳詞
小池修一郎
出演
エリザベート ※オーストリア皇后:花總まり&蘭乃はな(Wキャスト)
トート ※黄泉の帝王:城田優&井上芳雄(Wキャスト)
フランツ・ヨーゼフ ※オーストリア皇帝:田代万里生&佐藤隆紀(Wキャスト)
ルドルフ ※オーストリア皇太子:古川雄大&京本大我(Wキャスト)
ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希
ゾフィー ※オーストリア皇太后:涼風真世&香寿たつき(Wキャスト)
ルイジ・ルキーニ ※皇后暗殺者:山崎育三郎&成河
チケット料金
S席 13,500円 A席 9,000円 B席 4,000円
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蘭乃はな、3年目にして行きついた新しいテーマを掘り下げたい
この1年、あたためていることなのですが、エリザベートは自分自身を愛することがずっとできなくて、最後に自分自身を愛する準備ができたから殺されたんじゃないか、ということを今感じています。「自分を愛する」……これは人類共通のテーマなのではないかなと思っています。普段、意識して考えないけれど、目に見えない、潜在的に心の中に宿っている難題だからこそ、この作品がたくさんのお客様の心に響く作品になっているのだと思います。3年目にして行きついた答えで、自分の中の新しいテーマなので、それを掘り下げていきたいと思います。
朝日新聞より 6月22日
蘭乃はな「私のエリザベート集大成」
憧れの花總を意識せずにはいられず、気づくと「自己否定をするようになって…。公演期間中はずっと悩み苦しんでいた」と振り返る。
だが、前回の千秋楽、エリザベートが求めていた愛は「自分自身を愛せるかどうか」と気づいた。「今回はエリザベートが人生を通し、自己肯定しようとするところまで掘り下げた。彼女が私を人間、女優としてどう成長させるか、楽しみです」。
産経新聞より 7月16日
夢詩集 あきらめずに努力重ね
下級生の頃、歌では劣等生でした。少しでも苦手意識を消したくて、給料を全部レッスン代に充てたほど。入団時は下から2番目だった歌の成績が、5年目には上位10位に入るくらいになりました。
だから最後に(歌唱力が問われる)エリザベートをさせてもらい、歌劇団の愛情を感じました。あきらめずに努力を重ねてよかった。いつか演じたいと思い、自分ならどうやるかをずっと考えていました。
毎日新聞より 8月22日
3年目の蘭シシィに期待が集まる中、今回はどのような演技をみせたのでしょうか。
Twitterなどから観客の反応をまとめました
公演前の反応
- 明日やっっっっっと蘭シシィに会える、、、震える、、、(博多座)
- おはようございます。エリザ2回目。今日は1階に降ります。蘭シシィ×芳雄トート楽しみ♪
- 蘭乃さんの憂いの表情がすき。陰を感じる強さや笑顔が好き。蘭シシィまで、あと少し!楽しみにがんばろう♡
観劇後の反応
- 昨夜の興奮が冷めません。井上トート、いくさぶルキーニ、蘭シシィ、本当に素敵でした。ありがとう。(博多座)
- 私は蘭シシィが好きだ。細い身体で生と死に必死で立ち向かう姿も全身を使って歌い上げる姿も。(博多座)
- 博多座では「ひゅーひゅー」言うのが当たり前!大盛り上がりのカテコ 客電が着いて場内アナウンスが流れても拍手は止まず3度目の芳雄トート&蘭シシィ。(博多座)
- 蘭シシィは〜博多座だから?帝劇よりは良かったかな〜(博多座)
演技について
- ハンガリー訪問のシーン、民衆に手を振る蘭シシィ!腕の伸ばし方とか、フランツに比べて洗練されてない身のこなしが逆に好きなの…、思春期の女の子が熱に浮かされているかんじ、愛される自分に酔っているかんじというか。(博多座)
- 蘭シシィは世界中の思うようにならない事を易々と受け流さず、全力でおかしい!!と闘いを挑み続ける。 特に美意識が高そうにも見えないので、彼女が美貌を磨くのは戦士が武器を手入れするようなもので、あれは剣を研ぐ作業といっしょ。(博多座)
- 「この方法しかない」で思い出したけど、それはシシィも一緒。 最後通告を書いてる時はほぼ一心不乱な感じ。でもある程度文章を書き終わって手紙を見つめているとフランツの声が聞こえてくる。本当は今すぐ顔を見たい。けど、自由を得る為にはこの方法しかない…。苦しそうな蘭シシィの表情に涙。(博多座)
- 孤独の深かった今夜の蘭シシィ、「陛下には頼めない」も、夫との関係や宮廷での立場を計っての事でなく「もう外界と関わりたくない」ための拒絶に見えたの。その自覚があっての自責「ママは自分を守るため」がもう、もうね、だだ泣き。(博多座)
歌について
- 蘭シシィがものすごく意志の強い女性になっていた。蘭ちゃんの夜のボートは好き。(博多座)
- 蘭乃はなさん。千秋楽の気合いが空回っちゃったのかな、前回観たときよりさらにお歌が…でした。ラストのトートとの大事な掛け合いも声が裏返っちゃう。(博多座)
- 「魂の自由」で患者を助け起こしてそのままハグしながら歌う蘭シシィ。その実倒れそうな自分を支えているのか定かではない、あの感じ。ここほんとに好き。(博多座)
演技について:トートとのシーン
- 芳雄トートは蘭シシィのほうがあうとおもうなー。(博多座)
- 蘭シシィはもがいてる感がすごいから、泣いた笑った~が凄くスッも染み渡る。そして抱きついた時、芳雄トートがはじめて会った時のあの時と同じぐらいおどろいてた。閣下、よかったねって思った。(博多座)
- 蘭シシィはルドルフが死ぬまでじぶんが死にたいと考えたことなんてまっったくなかったかんじなのが新しい。だからトートがどれだけ色っぽく誘いをかけてもこいつなにゆってんの?ってあしらうし、あしらわれる芳トートがプライドを傷つけられてムキー!ってなってるのもたぎる。(博多座)
- 今回私は蘭シシィ×芳トートの組み合わせで観劇したわけですが、シシィは“生”の象徴、トートは“死”の象徴なのだという事を1番感じた。紅い炎と青い炎のように対照的。 だけどエピローグで、その2つの存在が1つになる。1つになるっていうか(前にも書いたけど)、進化する感じ。(博多座)
- わたしが踊るとき、がすごく好きな歌なんだけど、今日の蘭シシィと城田トートは噛み合ってて対等に張り合ってる感じがして、これだっっっ!!とストンとはまった感じでございました。勝ち誇るシシィと「それも俺の策略で俺のために踊ってるんだぜ」と皮肉に笑うトート。ガチンコな感じがよかったなぁ。(博多座)
演技について:ルドルフとのシーン
- ルドルフが死んだあとほんとに泣いてたよね?鼻すする音が聞こえた。(博多座)
演技について:フランツとのシーン
- フランツを振り払うときもいつもよりだいぶ強くドンッてしてフランツがよろめいてたから感情こもっちゃったんだろうなー。(博多座)
- 最後通告の蘭シシィはドア向こうのフランツをちゃんと見てる所がいじらしくて好きなんだよ!!!(博多座)
- 蘭シシィ「あなたがそばにいれば」。「自由など無い」と歌うフランツの手をじっとみつめてから握り、上げる視線の初恋の甘やかさと「私が守ってあげる」と言わんばかりの笑み。あんな目で見られて万里生くんもシュガりんもよく平気だなオペラのぞいてた私が落ちたよ。あの曲で泣いたの初めてだよ。(博多座)
- 蘭シシィと万里生フランツの組み合わせは、毎回「この二人ならなんとかなったかもしれないのに」と両手を揉みしだくけど、今夜はそれでも何ともならない運命の壮絶さに打ちひしがれる。万里生フランツの愛情深さが手のしぐさや表情に強く出ていて、蘭シシィの純粋さとすれ違ってゆくさまが...(博多座)
演技について:ゾフィーとのシーン
- 蘭シシィと涼風ゾフィーでした。人を支配することに慣れたゾフィーの雰囲気をシシィは嗅ぎとっていたのかなと思う。(博多座)
花總まりさんとの比較
- 僕はママの鏡だからのところで、蘭シシィは諦めなさいって感じで手をほどいてたんだけど、花シシィはルドルフの頭を撫でようとしたけどやめて手をほどいてて 2人のシシィの解釈がなんとなくだけど分かったシーンだったなあ(博多座)
- 蘭シシィが蘭シシィだな〜!と思うのは、少女期に木から落ちて黄泉の国で黒天使に囲まれてる時!蘭シシィは「なにこれ」って好奇心の欠片があって自分から黒天使に触ろうするのを避けられるから黒天使の輪が剥がれる。花シシィは怯えの色、黒天使の動きに翻弄されて輪から抜ける。(博多座)
- 私、蘭シシィのことは大好きなんだけど、やはり芳雄さんの本気の私が踊る時が見られるのはお花様相手の時だけかなーと思った。(博多座)
- お花様シシィも蘭ちゃんシシィもどちらも好き。私はそう感じたって話だけど、ターニングポイントが違う気がしたの。私だけにがあの皇帝一家で生きるためのポイントなお花様シシィと、最終通告がポイントな蘭シシィって気がした(突然のエリザ)。(博多座)
- シシィ比較読むと蘭シシィに書いてる事は全部花シシィにも感じるけどなあと思う。蘭シシィは花シシィの一要素を強く出す結果重なる部分は印象が薄れ、花シシィにしかない部分の印象が強まるって事かな。城芳、育成は根底から違うので、比較すると双方の要素がより色濃く見える理想的Wキャストと思う。
その他
- 蘭シシィと芳トートが博多弁で!素敵~!(博多座)
- 芳雄トートが「せ~の」と言って蘭シシィと二人で「博多座すいとーよー」と最後に我らにお声をかけてくれました。(博多座)
博多座での公演は好評だったようです。1年目はなかなか評価が低くて本人も苦労したようですが、ようやく歌のレッスンなど努力の結果が身を結びはじめたようです!
大阪、名古屋でも素敵な演技を見せてくれることでしょう!