映画「ラブレス」ネタバレ・あらすじ | アカデミー賞ノミネート作品
映画「ラブレス(英題はLoveless、ロシアではНелюбовь)」はアンドレイ・ズビャギンツェフ監督のロシアで製作された映画です。
離婚協議中の両親とその子どもの関係を描いたストーリー。モスクワで撮影され、2017年6月にロシアで公開。カンヌ国際映画祭では審査員賞を獲得。2018年のアカデミー外国語映画賞にもノミネートされた期大作です。
ネタバレ
モスクワ。学校が今日で終わり、生徒たちはおのおの家路に着く。12歳になる一人の少年。アレクセイはいつも通る道ではなく、今日は回り道を通ることにした。郊外の森林地帯を流れる川に沿った道。アレクセイはどうやら、急ぐ気はまったくないらしい。彼の両親であるゼニヤとボリスは、互いを嫌い合い、離婚の協議中なのである。気が合わず、お互いが怒りをぶつける両親。彼らは新しい生活を、新しい関係で進めることを望んでいた。
ある日のこと、アレクセイは家からいなくなり。母親が警察へ電話をかける。最初、警察はよくある家出だと思い、1日か2日すれば帰ってくるだろうと考えていた。警察の予想に反し、アレクセイは帰ってこない。
次は別の調査官がこの件を引き継ぎ、予備調査を始めます。また、両親は遠いところにいる親戚の元に向かい、アレクセイのことを探そうとします。まず最初に、アレクセイは祖母となる母親の両親の元に行ったのではないかと思い、訪れるもののそこにはいなかった。両親は行く最中も口論が絶えない。果てには帰る途中でボリスは郊外の道路にゼニヤを置いていってしまう。
警察は結局アレクセイを見つけることができず。事態は深刻な様相を呈する。捜査は町だけでなくその地域全体にも及び始める。アレクセイが訪れた形跡のある荒廃した都市開発プロジェクトのビルや、放棄された地方自治体の建物にも彼の姿はない。そして、両親は遺体安置室に呼び出され、まだ身元が確認されていない遺体の確認をさせられる。両親はその遺体がアレクセイではないと否定するが、その確認がトラウマとなり、さらにアレクセイの不在を強め、二人は涙を流す。
その後、アレクセイの母は三人が住んでいたアパートを売り払い、業者がアパートに残された家具などを解体し始める。町中の壁に、アレクセイが行方不明であることを知らせるポスターが貼られている。
アレクセイが学校の帰りに通っていた森のそばの川沿いの道が見える。森の木々はすでに冬化粧をしている。広く静かな風景。雪のついた木々をたたえた森には、誰の姿もない。
キャスト
- マリアナ・スピヴァク: ゼニヤ
- アレクセイ・ロズィン:ボリス
- Matvey Novikov:アレクセイ
評価
「ラブレス」は2017年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールの候補になりました。また、同アワードで審査員賞を獲得しています。7月のニュージーランド国際映画祭やサラエボ映画祭でも高い評価を獲得。
また、ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞の外国語映画賞にノミネート。ロサンゼルス映画批評家協会では同賞を獲得。アカデミー賞でも同賞にノミネートされています。
- カンヌ国際映画祭:審査員賞
- アカデミー賞:外国語映画賞 ※未発表
- ゴールデングローブ賞:外国語映画賞
- インディペンデント・スピリット賞:国際作品賞 ※未発表
- 英国アカデミー賞:外国語映画賞 ※未発表
- ロサンゼルス映画批評家協会:外国語映画賞
- サテライト賞:外国語映画賞 ※未発表
監督
監督 アンドレイ・ズビャギンツェフ
1964年旧ソ連のノヴォシビルスク生まれ。2003年初の長編映画「父、帰る」でヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞と新人監督賞を獲得。
その後も、2011年に「エレナの惑い」でカンヌ国際映画祭のある視点部門審査員特別賞。2014年「裁かれるは善人のみ」でゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞。アカデミー賞にもノミネート。
公開日
本国ロシアでの公開日は6月1日。日本では2018年4月7日に公開されます。