こまつ座『化粧二題』感想【内野聖陽&有森也実】@紀伊國屋サザンシアター
2019年6月15日、紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて内野聖陽&有森也実主演、井上ひさし脚本のこまつ座『化粧二題』を観劇してきました。
昔からこまつ座が大好きな妻と、こまつ座初心者の私で、今回の感想をお伝えいたします。
目次
こまつ座の舞台では、「演技」ができるかよりも「芝居」ができるかが重要
ここで言う「演技」は感情とかリアリティーとかを求めた新劇以降のもので、「芝居」は台詞回しや動きに型がある新劇以前の大衆的な演劇を指してるつもりなんだけど、井上ひさしは圧倒的に後者。
重要なのは、その台詞をとにかく淀みなく喋る能力。歌舞伎の台詞回しやシェイクスピア劇の朗唱のように、「自分を目立たせる演技」を抑えて「井上ひさしの台詞を喋る憑代」に成れる人の方が合っている。
「俺は演技派で売ってるんだ」って自負してるような俳優は合わない。
【★化粧二題 当日券情報★】
明日は14:00と追加公演で19:00の回があります。
もちろん、当日券の販売も開演の1時間前からございますので是非劇場まで足をお運びください。”捨てた母親”と”捨てられた息子”一人芝居の二本連続上演、どうぞお楽しみに!#こまつ座 #化粧二題 #内野聖陽 #有森也実 pic.twitter.com/Kk0OdwP4i6— こまつ座 (@komatsuza) 2019年6月10日
『化粧二題』の舞台は、過去と未来ではなく、「パラレルワールドの同じ場所」
内野さんの方は、これから幼い頃自分を教会に預けた母が見る舞台に出演する。
有森さんの作品では、結局有森さん演じる五月が、かつて里子に出した息子に出会うことはないのだけど、内野さんの最後の展開で、作品全体が救われるような気持ちにさせられたね。
それがラストシーンで、二人が化粧をしていた鏡台を通してフッと繋がる。鏡合わせの世界みたいに。
内野聖陽の「演技力」も「芝居力」も光った作品だった
これぞ、こまつ座の舞台にふさわしい俳優だと思うのだけど。
たとえ台詞を噛んでも、何事も無かったように正しい台詞を言い直して、言い直したことさえ感じさせないように続けて欲しいのだけど、内野さんはそうだった。
内野さんは演技力も芝居力も持ち合わせているタイプだなあと。
一つもこっちが見ていてイタくなることがなかった。
実際、前列のうちのさんファンであろう方々が華やいだのがよくわかった。私もめちゃめちゃ目が合ったと思うんですけど、キャッてなりましたもん。
ただ、それもちゃんと「口上の確認」という芝居の中に回収されている。
【★化粧二題 当日券情報★】
連日、大入りの『化粧二題』…チケットが無いと思われている皆さんに耳よりの情報を…。開演の1時間前から劇場入り口にて当日券を販売しております。こちら毎ステージ必ず出ますので、ぜひご利用くださいませ!
実は、あと1週間で千秋楽なのです…。どうぞお見逃しなく! pic.twitter.com/vSXUfN73O9— こまつ座 (@komatsuza) 2019年6月9日