2016年にアメリカで公開されアカデミー賞3部門にノミネートされた映画『ドリーム/Hidden Figures』。
ソ連に負けじと有人宇宙船計画を進めるアメリカのNASAで活躍した黒人女性スタッフを描いた伝記映画です。
この記事では、どのサイトや記事よりも詳しく『ドリーム/Hidden Figures』のあらすじ、キャスト、公開日についてご紹介します。
この記事の要点を5つにまとめると!
①世界中のアワードで合計30部門受賞
アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演女優賞にノミネートされ、世界中のアワードで75部門ノミネート、30部門受賞したタラジ・P・ヘンソン主演の伝記映画『ドリーム/Hidden Figures』。
②日本公開日は2017年9月
2017年アカデミー作品賞にノミネートされた中で「最後の追跡/Hell or High Water」「フェンス/Fences」とともに日本での公開が決まっていなかった『ドリーム/Hidden Figures』ですが、2017年9月に公開されることが決定しました。
③題名は「ドリーム 私たちのアポロ計画」から「ドリーム」へ
「Hidden Figures」、「隠された姿」と訳すのでしょうか。題名がどうなるかなと思っていたのですが「ドリーム 私たちのアポロ計画」と映画の内容を示す題名に決まりました。しかし、その後日本の配給会社より「ドリーム」と題名が変更されました。あくまでも「マーキュリー計画」を描いた作品であり、「アポロ計画」ではないからという理由です。
④主演はタラジ・P・ヘンソン
主人公キャサリン・ジョンソンを演じるのはタラジ・P・ヘンソン。ブラッド・ピット主演「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー助演女優賞にノミネートした1970年アメリカ生まれの46歳。
⑤あらすじ:1960年代アメリカの宇宙計画を支えた3人の黒人女性の物語
物語は1960年前半に活躍したNASAで働く3人の黒人女性を描いており、ドロシー・ヴォーン役のオクタヴィア・スペンサーはアカデミー助演女優賞にノミネートしています。
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さらに詳しく『ドリーム/Hidden Figures』を徹底解説!
それでは、『ドリーム/Hidden Figures』のあらすじやキャスト、監督そして日本での公開日についてご紹介します。
目次
『ドリーム/Hidden Figures』あらすじ&ネタバレ紹介!
この映画はアメリカ初の有人飛行計画である「マーキュリー計画」で活躍する3人の黒人女性を描いた作品です。
原作は2016年に出版されたノンフィクション小説「Hidden Figures」
原作は2016年に出版されたマーゴット・リー・シェタリーのノンフィクション小説「Hidden Figures」。ニューヨークタイムズのベストセラーノンフィクション小説(The New York Times Non-Fiction Best Sellers)でナンバー1になった本です。
ここでは、映画『ドリーム/Hidden Figures』のあらすじをご紹介します。
あらすじ&ネタバレ
物語は1961年、数学家のキャサリン・ジョンソンはドロシー・ヴォーン、素晴らしいエンジニアのメアリー・ジャクソンと共にバージニア州ハンプトンにあるラングレー研究所のウエスト・エリア・コンピューター部門にて計算手として働いていました。ウエスト・エリア・コンピューター部門は、NASAのラングレー研究所でも、アフリカ系アメリカ人の女性が働く部署です。
ソ連の人工衛星打ち上げ成功により、アメリカでは有人宇宙船計画へのプレッシャーが強まっていました。キャサリンは白人のボスであるヴィヴィアン・ミッチェルからアルバート・ハリソンのいるスペース・タスク・グループで解析幾何学のスキルを生かすよう命じられます。
キャサリンはチーム初の黒人女性スタッフとなりましたが、スペース・タスク・グループのあるビルには黒人が使用できるトイレさえありませんでした。キャサリンの新しい同僚は、明らかにキャサリンを見下げたり、屈辱的な態度を取り、特にヘッドエンジニアのポール・スタフォードは顕著でした。
ドロシーは公式にスーパーバイザーへの昇進をボスであるミッチェルに頼みますが断られます。
メアリーは実験用の宇宙カプセルの耐熱シールドに欠陥があることを特定します。この経験により、メアリーは工学の学位を取得する気持ちを抱くようになります。
バーベキューにて、キャサリンは国家警備局に勤めるジム・ジョンソンと出会います。彼らはお互いに惹かれあいますが、ジムが女性数学家に対して懐疑的な意見を語るとキャサリンは失望します。しかし、後にジムはキャサリンに謝り、二人はついに結婚します。
スペース・タスク・グループのトップであるアルバート・ハリソンは部下たちに複雑な数式を解くよう課題を出します。そこでキャサリンは良い成績を残し、ハリソンに好印象を残します。また、マーキュリー7号の宇宙飛行士がラングレー研究所を訪問し、宇宙飛行士のジョン・グレンはウエスト・エリアで働くスタッフたちと親しくなります。
時がたち、キャサリンは同僚たちからも好印象を持たれます。あるとき、ボスのハリソンは彼女がデスクに戻らないのを心配していると、キャサリンが戻ってきて、怒り気味に有色人種用のトイレを使用するために遠い建物まで歩かないといけない旨を説明します。それを聞いたハリソンは、トイレの区別を廃止するのでした。
ヘッドエンジニアのポール・スタフォードの反対がありまならも、ハリソンはキャサリンを会議に参加させます。そこで、キャサリンは宇宙カプセルを安全に大気圏へ再突入させるための方程式を生みだします。それにも関わらず、キャサリンの名はすべての報告書から削除され、そこにはスタフォードの名だけ残るのでした。
一方で、メアリーは裁判所へ行き、工学の学位を取得するため白人専用の夜間学校へ通う許可をもらうため裁判官を納得させます。
ドロシーは差し迫って必要になったIBM7090電子コンピューターについての知識について学び、コンピュータールームに訪れ、マシーンの起動に成功します。後ほどドロシーは公共図書館に行き、白人専門のセクションに入り、プログラミング言語FORTRANに関する図書を借りたことを図書館の職員に叱られます。
ボスのミッチェルはドロシーを肌の色が違うという理由で他の職員と差別して扱ったことはないと伝えますが、ドロシーは納得しません。ドロシーはプログラミング言語FORTRANを独学で取得し、ウエスト・エリア・コンピューター部門の同僚に教えはじめます。その結果、ドロシーは公式にプログラミング部門のスーパーバイザーに推薦され、他の同僚もその部門に異動することになりました。ミッチェルはついに、ドロシーを「ミセス・ヴォーン」と呼び、彼女へ敬意を表します。
宇宙飛行士ジョン・グレンの打ち上げ最終準備が終わると、キャサリンはもうスペース・タスク・グループでの役割は終了したと知らされます。そしてかつて所属していたウエスト・エリア・コンピューター部門への配属が言い渡されます。
結婚式、そして別れの祝いとして、ハリソンは真珠のネックレスをキャサリンに渡します。それは、ドレスコードで唯一許されているジュエリーでした。
さて、宇宙船の出発です。しかし、宇宙カプセルの着陸座標に関するIBM7090コンピューターの計算に矛盾が生じ、宇宙飛行士のグレンはキャサリンに計算をチェックしてほしいと頼みます。キャサリンはすぐに計算を確認し、結果をコントロールルームに急いで報告します。キャサリンは門前払いされますが、しかしハリソンは彼女をコントロールルームに入れ、結果をグレンに報告することができました。
Hollywood Reporter
打ち上げ成功後、宇宙カプセルの警告ランプが点滅し、耐熱シールドに問題があることが判明します。ミッションコントロールは当初の7回ではなく、3つの軌道に乗って着陸することを決断します。キャサリンも状況を把握し、再突入のためには耐熱シールドに付けられた逆推進ロケットを離すべきだという意見に同意します。彼らの判断は正しく、宇宙飛行士の乗ったフレンドシップ7は無事に大西洋へ着陸しました。
ミッション成功後、数学者の役割はコンピューターに置きかえられ、数学者たちは解雇されます。キャサリンは分析計算部門に異動し、ドロシーは同じくプログラミング部門のスーパーバイザーに、そしてメアリーは工学の学位を取得し、NASAでエンジニアとして採用されました。
エピローグでキャサリンがアポロ11号やアポロ13号の打ち上げ計画で軌道を計算したことが紹介されます。2015年にキャサリンは大統領自由勲章を授与されました。翌年、ラングレー研究所の40,000平方メートルもある新しいコンピューター研究施設は、敬意を表してキャサリン・G・ジョンソンコンピューター研究施設と名付けられました。
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『ドリーム/Hidden Figures』キャスト紹介!
『ドリーム/Hidden Figures』は3名の黒人女性を主人公にした映画です。そして、1960年だいの宇宙開発において顕著な功績を残した黒人女性たちを演じるのはアカデミー賞などのアワードでも受賞&ノミネート経験のある素晴らしい女優たちです。
ここでは、3人の女優に加え、本作品の主要キャストについてご紹介します。
出演者について
キャサリン・ジョンソン:タラジ・P・ヘンソン
本作の主人公キャサリン・ジョンソン役を演じるのはタラジ・P・ヘンソン。
1970年アメリカ生まれの46歳、1995年に長男を出産。
2005年の映画「ハッスル&フロウ」でブラック・ムービー・アワード助演女優賞を受賞。2008年公開「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」クイニー役で初のアカデミー助演女優賞にノミネート。2015年より放送中の海外ドラマ「Empire 成功の代償」で主人公クッキー・ライオン役を演じ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞。
メアリー・ジャクソン:ジャネール・モネイ
本作メアリー・ジャクソン役を演じるのは歌手、女優として活躍するジャネール・モネイ。
1985年アメリカ合衆国カンザス州生まれの31歳。2009年のグラミー賞でシングル『Many Moons』がBest Urban/Alternative Performance部門にノミネート。アルバム『The ArchAndroid』が2011年グラミー賞の最優秀コンテンポラリーR&Bアルバム賞にノミネート。
映画では2017年アカデミー作品賞に輝いた「ムーンライト」にテレサ役で出演しました。
ドロシー・ヴォーン:オクタヴィア・スペンサー
ドロシー・ヴォーン役を演じるのはオクタヴィア・スペンサー。
1970年アメリカ合衆国アラバマ州生まれの46歳。1996年の映画「評決のとき」でデビュー。「スパイダーマン」などの脇役に出演し、2011年「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」ミニー・ジャクソン役を好演しゴールデングローブ賞、そしてアカデミー賞の助演女優賞を獲得。
『ドリーム 私たちのアポロ計画/Hidden Figures』ではドロシー役を演じてゴールデングローブ賞とアカデミー賞の助演女優賞にノミネートしました。
アル・ハリソン:ケビン・コスナー
スペース・タスク・グループのボスであるアル・ハリソン役を演じたのはケビン・コスナー。
1955年アメリカ合衆国カルフォルニア州生まれの62歳。1987年公開「アンタッチャブル」の主演に抜擢され、ショーン・コネリーやロバート・デ・ニーロと共演。1990年公開の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」では監督・主演を兼任し、アカデミー作品賞、監督賞を受賞しました。
「フィールド・オブ・ドリームス」レイ・キンセラ役や「JFK」ジム・ギャリソン役など。
ヴィヴィアン・ミッチェル:キルスティン・ダンスト
ラングレー研究所のスーパーバイザーであるヴィヴィアン・ミッチェル役はキルスティン・ダンスト。
1982年アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれの35歳。1994年公開「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」で12歳にしてゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネート。1997年公開のアニメ映画「アナスタシア」では少女時代のアナスタシアの声を担当。「スパイダーマン」シリーズではメリー・ジェーン・ワトソン役で出演。
2011年公開の映画「メランコリア」でカンヌ国際映画祭の女優賞や、全米映画批評家協会賞の主演女優賞を受賞。2015年に海外ドラマ「FARGO/ファーゴ」で放送映画批評家協会賞の主演女優賞受賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされました。
ジム・ジョンソン:マハーシャラ・アリ
キャサリン・ジョンソンの夫ジム・ジョンソン役を演じたのはマハーシャラ・アリ。
1974年アメリカ合衆国カルフォルニア州生まれの43歳。2016年公開のアカデミー作品賞受賞映画「ムーンライト」にフアン役で出演し、アカデミー賞や放送映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞しました。
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『ドリーム/Hidden Figures』監督紹介
監督・脚本は2014年公開「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィです。本作で初のアカデミー作品賞、脚色賞にノミネートされました。
ここでは、日本ではあまり知られていないセオドア・メルフィ監督についてご紹介します。
セオドア・メルフィ監督について
Los Angeles Times
アメリカ出身の監督・脚本家・プロデューサーです。初めての監督作品である2014年公開「ヴィンセントが教えてくれたこと」がゴールデングローブ賞の作品賞にノミネート。さらに監督・脚本を務めた2016年公開『ドリーム/Hidden Figures』がアカデミー作品賞、脚色賞にノミネートされ、放送映画批評家協会賞やサテライト賞でも脚色賞にノミネートしました。
最新作は2017年アメリカ公開のコメディ映画「ジーサンズ はじめての強盗」。本作では、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンが出演しています。
『ドリーム/Hidden Figures』日本公開日
「ラ・ラ・ランド」「ムーンライト」など2017年度のアカデミー作品賞の日本公開が次々と決まる中、公開決定が遅れていた『ドリーム/Hidden Figures』ですが、9月に日本でも公開されることが決定しました。
ここでは、『ドリーム/Hidden Figures』日本公開日についてご紹介します。
日本公開日&上映の映画館
20世紀フォックスより9月に日本でも公開されます。上映予定の映画館はまだ発表されていません。
『ドリーム/Hidden Figures』予告動画
『ドリーム/Hidden Figures』の予告動画をご紹介します。
予告動画
3人の名実ともに素晴らしい女優が共演した映画『ドリーム』。脚色賞にノミネートされた深いストーリーも見どころですね!差別が残っていた時代に、社会の偏見を乗り越えて自分の夢を追いかけ、達成した彼女たちの物語は観客の心を鼓舞してくれるでしょう。