60年代を賑わせた音楽グループ「テンプテーションズ」がブロードウェイでミュージカル化!
11月21日にPlaybillが発表した記事は、多くのミュージカルファンを喜ばせたでしょう。
記事によれば、『Jersey Boys』の演出家デ・マカナフが新作ミュージカルの製作を予定しているようです。
題材は「フォーシーズンズ」と同じく60年代に活躍した黒人グループ「テンプテーションズ」。『Jersey Boys』と同じく、名曲「My Girl」や「Get Ready」の裏に隠されたグループの秘密を明らかにする内容になりそうです。
目次
ミュージカル「テンプテーションズ」のすべて
オーディション
アメリカの役者、舞台関係者50,000人以上が所属するEquity casting(アメリカの演劇に関する労働組合)によると、デ・マカナフが「The Detroit Project」という名目で11月18日にNYでオーディションを行いました。
課題曲はテンプテーションズの曲、募集内容はダンスのアンサンブル兼コーラスパートです。
そこで選抜された役者は、来年の2月6日から3月16日までNYのBerkeley Repertory Theatreに集まり、製作陣との上演に向けたワークショップを行う予定です。
初演は2018年の可能性が高い
ブロードウェイでの上演は2018年の春から秋頃でしょうか。
ブロードウェイミュージカルは一度地方での上演を行い、手直しなどを経てブロードウェイに進出するのが基本的なパターンです。
『Jersey Boys』と同じくワークショップ後1年から1年半くらいでの上演の可能性が高そうです。
ただ、デ・マカナフが演出した前作『Jersey Boys』の評判が日本を含め世界中で高かったこともあり、上演が早まることも考えられます。
テンプテーションズについて
テンプテーションズとは
1960、70年代に活躍した黒人のコーラスグループです。所属はモータウン・レコード。
メンバーは5人。オーティス・ウィリアムス、メルヴィン・フランクリン、エディ・ケンドリックス、ポール・ウィリアムス、エルブリッジ・ブライアント。
フォーシーズンズと同じく、1961年の結成当時はヒット作に恵まれませんでした。しかし1964年に発表した「My Girl」が全米チャート1位となり、それ以降60年代を代表するグループへと成長します。
70年代に入るとメンバーの自殺など苦難の日々が続きますが、現在でもメンバーが入れ替わりながら存続しているアメリカを代表するコーラスグループです。
代表作に「My Girl」「Get Ready」「Just My Imagination」「Papa Was a Rollin’ Stone」など。
《グループ飛躍のきっかけとなった「My Girl」》
https://youtu.be/6IUG-9jZD-g
Motown Records とは
アフリカ系アメリカ人が経営し始めたデトロイト発祥のレコード会社。
1960年代に黒人のソウルミュージックなどを取り入れたクロスオーバー(モータウン・サウンド)で成功し、その後スモーキー・ロビンソンやジャクソン5やスティーヴィー・ワンダーなどが在籍。
21世紀に入り、他社への吸収などもありながら今でも続くレコード会社です。
製作陣紹介
演出 デ・マカナフ
1952年アメリカ生まれの演出家。今までに『ビッグ・リバー』『The Who's Tommy』などのミュージカル作品を演出してきました。
振付 セルジオ・トルヒーリョ
カナダ出身の振付家。2016年には『On Your Feet!』でトニー賞の最優秀振付賞にノミネートされました。代表作に『Jersey Boys』『MEMPHIS』などがあります。
音楽監督 ケニー・シーモア
ブロードウェイミュージカル『MEMPHIS』の音楽監督や『HALF TIME』のアレンジャーを務めています。
日本版ミュージカル「テンプテーションズ」について
日本版は中川晃教主演?
デ・マカナフの演出した作品『The Who's Tommy』や『Jersey Boys』は日本でも上演され、どちらも中川晃教が主演を務めました。
歌いながら軽い振付があるスタイルは「フォーシーズンズ」にも似ており、新作は『Jersey Boys』に近いミュージカルになりそうです。またシアタークリエにて上演されるのでしょうか。日本のミュージカルファンにとっても楽しみな作品となりそうですね。
《2016年に上演した中川晃教主演『ジャージー・ボーイズ』の映像》
※2017年3月22日最新情報がリリース!
テンプテーションズのミュージカルの題名は「Ain't Too Proud」に決定!
@45cat
カルフォルニア州バークレーにある劇場《Berkeley Repertory Theatre/バークレー・レパートリー劇場》が2017-2018年シーズンのラインナップを発表し、なんとテンプテーションズをフューチャーしたミュージカル「Ain't Too Proud—The Temptations」が含まれていました。
そうです!テンプテーションズのミュージカルが2017年バークレー・レパートリー劇場にて初演を迎えます。
脚本はテンプテーションズと同じデトロイト出身のドミニク・モリッソ
脚本 ドミニク・モリッソ
今までは女優、脚本家として活動してきましたが、ブロードウェイミュージカルの脚本は初です。テンプテーションズと同じデトロイト出身ということでの大抜擢でしょう。
@The New York Times
その他スタッフ
演出家はミュージカル「Jersey Boys」と同じデ・マカナフであり、一度「Jersey Boys」を見たことのある人はイメージしやすいと思います。
また、振付家も以前の発表と変わらず「Jersey Boys」のセルジオ・トルヒーリョです。
ストーリー
物語の前半部分では、デトロイトの街で活動していたテンプテーションズが「この世で一番成功した偉大なるR&Bグループ」と呼ばれるまでを描きます。
そして、物語が進むにつれオーケストラとともに「My Girl」「Just My Imagination」「Poppa Was a Rolling Stone」などの有名ソングが歌われます。
《「Just My Imagination」》
バークレー・レパートリー劇場のプレスリリース
2017年、ビルボードマガジンはテンプテーションズを「今までで最も偉大なR&Bグループ」と称した。
1960年、5人の若者がデトロイトの街に集まった。彼らはベリー・ゴーディーに見出され、ベリー・ゴーディーが創業したレコード会社モータウン・レコードと契約した。24回レコード発表し、ようやく彼らはヒット作を生み出すことができた。その後の話は知っての通りだ。
彼らはどのようにして出会い、どのようにして成功をつかみ、誰もが到達できないほどの高みに登ることができたのか。そして、社会や個人的な原因によって解散の危機に至ったことまで描かれる。
脚本はデトロイト出身でケネディー賞を獲得したドミニク・モリッソ。振付家はローレンス・オリヴィエ賞を受賞したセルジオ・トルヒーリョ。そして演出には二度のトニー賞受賞経歴があるデ・マカナフ。彼らがテンプテーションズの兄弟愛、家族、信頼そして裏切りを描きます。
「AIN’T TOO PROUD—THE TEMPTATIONS」ではテンプテーションズを代表する名曲「My Girl」「Just My Imagination」「Papa Was a Rolling Stone」、そして彼らのダンスを通して5人のレジェンドがどのようにアメリカ文化の永遠に残り続ける1ピースになったのかがわかるでしょう。
劇場はカルフォルニア州のバークレー・レパートリー劇場
テンプテーションズのミュージカル「Ain't Too Proud」はカルフォルニア州バークレーにて初演を迎えます。
劇場は《Berkeley Repertory Theatre/バークレー・レパートリー劇場》。
@Goldstar
@ELS Architecture and Urban Design
カルフォルニア大学の近く、バークレーの中心に位置しています。
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「Ain't Too Proud」の初演は2017年8月
バークレー・レパートリー劇場のプレスリリースによれば公演日は2017年8月の予定です。
確かに、バークレー・レパートリー劇場のカレンダーを見ると2017年8月以降が未定になっているので、テンプテーションズのミュージカル「Ain't Too Proud」が入るのですね!
題名「Ain't Too Proud」について
「Ain't Too Proud」とは「そんなに高潔なやつじゃないぜ」という意味です。
テンプテーションズが1966年にモータウン・レコードより発表したシングル「Ain't too proud to beg」から由来したものでしょう。
《1966年に発表された「Ain't Too Proud To Beg」》
ブロードウェイ公演について
ブロードウェイ公演についてはまだ詳細が明らかになっていません。
しかし、バークレー・レパートリー劇場はブロードウェイで上演されるような良質な公演が行われる劇場として有名です。今月ブロードウェイにて初演を迎えたミュージカル版「アメリ」もバークレー・レパートリー劇場で初めて上演されました。
今後テンプテーションズのミュージカル「AIN’T TOO PROUD—THE TEMPTATIONS」に関する情報が入り次第、このサイトでお伝えしますね。
【参考記事】
「The Detroit Project」オーディション記事
「Jersey Boys Director Des McAnuff Working On Temptations Musical」Playbill
【参考作品 映画『Jersey Boys』】