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宝塚好き夫婦が語る!星組全国ツアー公演『アルジェの男』感想@相模女子大学グリーンホール


宝塚好き夫婦が語る!星組全国ツアー公演『アルジェの男』感想@相模女子大学グリーンホール

5月11日(土)マチネの礼真琴主演、星組全国ツアー『アルジェの男』『エストレージャス』を相模女子大学グリーンホールにて観劇してきました。

この記事では『アルジェの男』を観た感想や、『アルジェの男』を観たことで感じた星組の現状についてお伝えします!

 

柚希礼音を彷彿とさせる演技で魅了!観客の中には本人も

いきなりウエストサイドストーリーのように群舞で始まり、礼真琴がもったいぶることなくすぐ登場して、歌う。

主演の実力を印象付けられるオープニング。

礼真琴の時代の幕開けを感じたよ。

古き良き宝塚作品、という感じはしていたけど、出演者が若いだけあって新鮮に観られた。
作品としては3時間使って描きたい内容だったかと。
ラストに向けてお話は駆け足になっていくように感じたね。

ただ、エルベしかり、昔の作品って重めの内容もさくっと一幕にまとめてくれて、疲れないし見る方としては有難いな。

個人的には、内容薄いのに二幕あるよりずっといい!

礼真琴のジュリアンは熱かったね!
キザキザにカッコつけてて、ちょっと柚希礼音を彷彿とさせられたな。

やはりイズムみたいなものが受け継がれているんだろうか。

そういえば、ちえさん来てたね。
ちえさんが客席に入るとき拍手おきてた。さすがレジェンド。

 

「トップで見たい」と思わせた愛月ひかるの佇まい

専科の愛月ひかるが2番手格で参加していたけど、素晴らしかったね。
「不滅の棘」が2018年に観たミュージカルで一番良かったと個人的に思うのだけど、理由は愛月さんの演技が好きだからで。無駄な挙動がないのに大胆な演技ができる。いやらしさを感じない。
礼真琴、紫藤りゅう、極美慎など若手がメインをはる中で、宝塚の男役としての男くささや佇まい、存在感を愛月ひかるが担っていたよね。キラキラしつつも、さすが専科さん!という貫禄まで感じた。
レビューは礼真琴無双が起きるのかと思いきや、愛月さんが隙のない実力で支えていた。

そのおかげで、作品自体が底上げされた気がする。

宙組時代、ルキーニをはじめ何度か愛月さんを観てはいたけど、正直なところ歌うまという印象はなかった。

だけど、星組に混ざっていると、歌も踊りも芝居も高クオリティだし魅せ方もすごい。

主演だけ良ければ満足できるってわけではないからね。今回のレビューは愛月さんに感謝。

そして、愛月さんのトップが見たいと思った。

正直、今の星組にいてこの実力があったならすんなりトップなれたのでは、と思ってしまう。

でも、愛ちゃんの洗練されたスマートさや、都会的だけど泥臭さのある悲哀とか、宙組だからこそ培われたものなんだろうな。

 

主演が上手いだけに、周りにも高いレベルを求めてしまう。。

礼真琴や愛月ひかるが歌もダンスも水準を引き上げてるだけあって、どうしても他の生徒との差を感じてしまうことがあった。
紫藤りゅうを始めとする若手男役達がジュリアンをパリの下町に誘うナンバーは、カラフルな衣装とフレッシュさがとっても素敵だったんだけど、いかんせん歌が…

歌の上手い下手の前に、声量がない、滑舌が悪いなど、本人の努力次第で解決する問題が目立ったかと。

その中で、小桜ほのかはとても良かった。全ての出演者をそのレベルで見たいと思ってしまう。
主演がうまいだけに、周りにも高いものを求めてしまうよね。

たとえば下手なりに努力しているのが伝われば、「それならもう仕方がない」と諦められるんだけど(かれーくんとか)、

「声は良いのに、努力してないだけじゃ…?」と思わせてしまうのは本当に勿体無いしマイナス。

たしかに、柚香光も綺咲愛里も歌が上手いとは言えないけど、声は必死に出してるよね。トップや2番手としての平均的な水準までは求めてしまうけど、置かれた立場に対する自覚はちゃんとあるな!と感じる。

そういう自覚が星組の若手にも欲しい。

私たちは今の星トップコンビに辛口だけど、それはその二人自身を否定しているわけじゃない。

「トップならこのレベルは超えてほしい」という個人的なラインがあって、残念ながらそこを超えていないってことで厳しく言う。

ただ、「夢を売る」エンターテイナーとして、実力にそぐわない立場になったのなら開き直らずに真摯に努力し続けててもらい、と思っているだけなんだよなぁ。

トップは特に、若い組子が目標とする立場だから、後続を育てる意味でも自身は成長し続けてもらいたい。
エストレージャスのSunny、全ツでは紫藤りゅうの場面になっていたけど、歌い方にものすごく紅さんを感じたもん!

もともとはまこっちゃんの場面のはずなのに!やはりトップから影響受けてるんだろうな、と思ってしまった。

礼真琴が柚希礼音世代なら、紫藤りゅうは紅世代。

じゃあ極美慎は礼真琴世代になるのかな。

全ツでは芝居、ショー共に極美慎が重要な役を与えられていた。

星組若手の中でも期待されてるけど、今後さらに作品内での役割が多くなるはず。それが礼真琴のトップ時期と重なるので、どう成長してゆくのか楽しみ。

 

可愛らしさと純粋さと、大人な女性、すべてを繊細に表現する音波みのりの魅力に脱帽

ここまではるこさんには触れてこなかったけど、はるこさん本当に素敵な女優だなと。

サビーヌ役は、可愛らしさと年上の女性の落ち着き、両面とも感じられ、観ていて「はるこさん上手いな、、、」と。一瞬たりとも瞬きしたくないぐらい素敵だった。ベテランと言われる期になってきたけど、はるこさんはいつまでもサビーヌ演じられると思う。

まこっちゃんの相手役でも、年齢的に何の違和感もなかった!

衣装の着こなしもさすが。アルジェにいるときの赤い衣装が可愛くて可愛くて…

あとダンスを踊った時に、腹筋が割れてるのを見て、芸事にかける思いも伝わってきて、本当に素晴らしいなと。

稽古場映像でも、他人の演技でもすごく集中して見ていて、ときに感情移入して涙を流しそうな顔もしてる。

わかる。どんな作品の稽古場映像みても、後輩の演技をすごく真剣に、そしてあたたかく見守っているよね。ほんとに癒される。たまに、他人の芝居を親の仇かってくらい睨んで見てる人とかいるもんね。
可愛らしさと純粋さと、大人な女性、いろんな一面を見せてくれた。
エストレージャスのデュエダン、まこっちゃんと踊るはるこさんはまるで可憐な少女のように見えた。

本公演であーちゃんも着てたピンクのドレスが本当に似合っていたよね。なんか感動してしまった。

もしも紅さんと一緒に退団なら、残念すぎる。

ずっと星組にいてほしい。

 

朝水りょうの演技、漣レイラのダンスが光る!

朝水さんについては?

ボランジュ総督の演技。小柄な体型からすごい熱量を感じた。

ジュリアンの行く末を見通すボランジュは人の形をした神のような一面もあると思う。専科や中堅がやるような役で、作品として重要なポジションに起用したことからも、組としても今後色々任せようと思ってるのでは?と思ったよ。

まこっちゃんと始めて出会って立ち回りしているところがかっこよかったね。

あと、白妙なつさんが面白かった。男たちの緊迫した空気を一瞬で緩める素敵な奥様。

そういえば、本公演の時からエストレージャスの「今夜はエンジェル」で最初に踊り出す漣レイラが良いって言ってたよね。全ツはどうだった?
相変わらず、長い手足をいかしたダイナミックなダンスを披露してたよ。星サギのシーンでは、せおっちがやってたサソリの親玉をかっこよく踊ってたし。

本公演ではあまりスポットのあたらない若手が活躍して、新生星組の期待が高まる全ツでした!

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