海外から最も評価される谷崎純一郎の小説とは?
海外で最も評価される谷崎潤一郎の小説はなにか――
この記事では今本当に読むべき谷崎作品を紹介します。
海外からの評価を決める上で参考にしたのは「The Open Syllabus Project」
英語圏の大学のシラバスを9年間調べ上げ、授業で使われる本をランキング化しました。
1位
陰や家の隈に日本的な美の本質があることを語る。日本の厠についての言及が多く。意外にも一般人的な感覚で日本特有の美しさを語っている。読んでいてとても共感でき、時に笑みもこぼれる作品。
2位
昭和初期の関西における上流階級の4姉妹の恋模様を描く。四季折々に変化してゆく自然と4姉妹の姿がありありと目の前に浮かんでくる。
3位
サラリーマンが偶然出会った少女を自分の妻として育て上げるが、成長した少女は多くの男の魅惑の対象となる。大正時代の性の解放を背景に描いた小説。
4位
セックスレスの夫婦が互いに不倫もしながらも子どものために離婚できない。小説に何度も登場する文楽。男と女、どちらが人形で人形遣いなのか。男女の関係を深いところで暗示している作品。
5位
「瘋癲老人日記」が5位。息子の妻に恋する老人のフェティシズムを描いた小説。
「瘋癲老人日記」のように、変態的なフェティシズムを描いた作品も、「細雪」のように美しい恋愛模様を描いた作品もある谷崎純一郎。
日本的な美しさについて具体的に知りたい方は「陰翳礼讃」。よみやすさで「細雪」が良いようです。