この記事では、ドイツ出身の映画監督ヴィム・ヴェンダース監督のおすすめ映画をランキング形式でご紹介します。海外の映画レビューサイトの得点を参考に、ヴィム・ヴェンダース監督最高の作品をお伝えします!
Berlinale @「ベルリン・天使の詩」
『パリ、テキサス』や『都会のアリス』などのロードムービーから『PINA』や『セバスチャン・サルガド/世界へのラブレター』といったドキュメンタリー映画まであらゆるジャンルで魅力的な作品を生み出してきたヴィム・ヴェンダース監督。
kalafudra's Stuff @「PINA」
では、今まで公開されてきたヴィム・ヴェンダース監督作品の中で、海外からの評価が1番高い作品はなにかー
今回の記事ではヴィム・ヴェンダース監督作品を海外の評価が高い順にランキング形式でご紹介します。
ヴィム・ヴェンダース(1945- ドイツ)
Taste of Cinema
1945年ドイツ生まれ。大学では医学や哲学を学ぶ。1972年に製作した『ゴールキーパーの不安』がヴェネツィア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞する。1974年から『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』のロードムービー3部作を発表。1982年製作『ことの次第』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、1984年製作『パリ、テキサス』がカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。また、ドキュメンタリー映画監督としても活躍しており、ウッパタール舞踊団のピナ・バウシュにスポットを当てた『PINA』、写真家セバスチャン・サルガドにスポットを当てた『セバスチャン・サルガド/世界へのラブレター』はアカデミー賞にノミネートしている。
それではヴィム・ヴェンダース監督の作品をランキングでご紹介します
今回作品を評価するにあたり参考にしたのが海外最大の映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」です。この記事では評価の高い10の作品をお伝えします。
ヴィム・ヴェンダース監督おすすめ映画ランキング
71.5点 ハメット
IndieWire
解説
J・ゴアズの小説を映画化したフィルム・ノワール。セピア色を色調を基に当時の雰囲気を遺憾無く打ち出した映像美が美しい。製作総指揮はコッポラ。
あらすじ
ピンカートン社の探偵だったダシール・ハメットが、失踪した中国娘の行方を追う中で、巨大な陰謀に呑まれていく。
allcinema ONLINE
- 公開年:1982年
- キャスト:フレデリック・フォレスト、マリル・ヘナー、ピーター・ボイル
- 批評家の得点:80点/観客の得点:63点
85点 アメリカの友人
Movie Poster Shop
Critics Round Up
あらすじ
白血病で死の不安に生きているハンブルグの額縁職人ヨナタン。彼を殺人にはめ込み、完全犯罪を進めながら危険な友情にはまりこんでいくトム・リプレー。死んだ筈の画家の贋作を書いているポガッシュ。物語は、サスペンスに富む発端の画の競売シーンから、この3人の絡んだストーリーを小気味よいテンポで進めていく。
解説
ヴィム・ヴェンダースが31歳の時に撮った長編第7作。
allcinema ONLINE
- 公開年:1977年
- キャスト:デニス・ホッパー、ブルーノ・ガンツ、リサ・クロイツァー
- 批評家の得点:89点/観客の得点:81点
88点 Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
Filmweb
IMDb
解説
2009年に死去したドイツの世界的舞踊家であり振付家のピナ・バウシュと彼女の手掛けたダンスにスポットを当てたドキュメンタリー。ピナの偉大な軌跡と、彼女の振付によるコンテンポラリー・ダンスなどで構成。彼女が長年にわたって芸術監督を務めたヴッパタール舞踊団のダンサーが、屋内外で躍動的なダンスを披露する。ピナ・バウシュの前衛的でたぐいまれな才能を知るとともに、ダンサーの息遣いまで伝わるような臨場感あふれるダンス・シーンに目を見張る。
あらすじ
天才舞踊家と称されるピナ・バウシュ。2009年に急逝したピナの輝かしい軌跡をとらえたドキュメンタリー映画。ピナが芸術監督を務めたヴッパタール舞踊団のダンサーたちが、彼女が振り付けたダンス作品を披露。自然の中や交差点など、あらゆる場所がステージとなり、ユニークなダンスが展開される。
シネマトゥデイ
- 公開年:2011年
- キャスト:ヴッパタール舞踏団
- 受賞:アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート
- 批評家の特典:95点/観客の特典:81点
88.5点 夢の涯てまでも
Roger Ebert
Village Voice
あらすじ
1999年、核衛星の墜落が予測され世界は恐怖におののいていた。ヴェニスからあてもなく車で旅に出たクレアは道中、何者かに追われているトレヴァーと出会い、彼の後を追うことにする。元恋人の作家ユージーン、私立探偵ウィンターと共に、リスボン、モスクワ、北京へとトレヴァーを追うクレア。実はトレヴァーは、盲目の母親の為に脳に映像を直接送り込む事のできる父の発明したカメラを持って、世界中を旅していたのだ……。
解説
ヴィム・ヴェンダース監督には珍しい近未来SF。
allcinema ONLINE
- 公開年:1991年
- キャスト:ウィリアム・ハート、ソルヴェーグ・ドマルタン、サム・ニール
- 批評家の得点:87点/観客の得点:90点
90点 さすらい
Posteritati
Forbes
解説
ロード・ムービー3部作の最終作かつ集大成的作品。映画館を巡回して映写機を修理して廻り、観客のもとに映画を運び届ける男。その彼に不思議とつきまとうかつての恋人と、逃れようとする男の話を、実際にスタッフが旅する中で物語を形成して行く即興演出という方法を取り、見事なカメラワークでそれを映像化。そしてその旅の終着点は彼の敬愛する小津の世界に近づいてくのだった……。
allcinema ONLINE
- 公開年:1976年
- キャスト:リュディガー・フォーグラー、ハンス・ツィッシュラー
- 観客の得点:90点
90.5点 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
Museum of Art and Archaeology
The Cuban Economy
解説
キューバ音楽に魅せられたヴェンダースとライ・クーダーが綴る感動の音楽ドキュメンタリー。ライ・クーダーがキューバ音楽の古老たちと創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、世界中で100万枚以上のセールスを記録し、97年のグラミー賞を受賞した。ハバナの情緒豊かな街並み、アムステルダムでのコンサート、ニューヨーク・カーネギーホールの歴史的ステージ、そして人生の哀歓がセクシーな音楽とともにフィルムに収められている。
allcinema ONLINE
- 公開年:1999年
- 受賞:エディンバラ国際映画祭 観客賞
- 批評家の得点:91点/観客の得点:90点
92.5点 セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター
Curzon Artificial Eye
cubecinema.com
解説
写真家セバスチャン・サルガドの足跡に迫ったドキュメンタリー作品。セバスチャンの息子ジュリアーノ・リベイロ・サルガドとヴェンダース監督が、セバスチャンの魅力をひもといていく。ガラパゴス諸島やサハラ砂漠など120か国にも及ぶ場所で撮影を行った。
あらすじ
30代で写真の世界に足を踏み入れたセバスチャン・サルガドは環境問題にも取り組んだ写真家である。セバスチャンは2004年から地球上で最も美しい場所を探すプロジェクト「Genesis」をはじめ、遊牧民のシベリア横断や、熱気球から撮影した水牛の群れなどを写真に収めていく。
シネマトゥデイ
- 公開年:2014年
- 受賞:アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート、ベルリン国際映画祭 名誉金熊賞
- 批評家の得点:95点/観客の得点:90点
96点 都会のアリス
Axiom Films
Wim Wenders Stiftung
解説
1973年に製作したロード・ムービーで、ロードムービー3部作の2作目。
あらすじ
アメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため訪れた空港で少女アリスとその母に出会う。ひょんな事から少女をアムステルダムまで連れて行くこととなったフィリップ。しかし待ち合わせたアムステルダムに母の姿はなかった。彼は少女の記憶を頼りに祖母の家を探す旅に出ることとなる。
allcinema ONLINE
- 公開年:1974年
- キャスト:リュディガー・フォーグラー、イェラ・ロットレンダー
- 批評家の得点:100点/観客の得点:92点
96点 ベルリン・天使の詩
Movie Poster Shop
Berkeley Art Museum
あらすじ
天使ダミエルの耳には、様々な人々の心の呟きが飛び込んでくる。フラリと下界に降りて世界をめぐる彼は、空中ブランコを練習中のマリオンを見そめる。彼女の“愛したい”という呟きにどぎまぎするダミエル……。マリオン一座は今宵の公演を最後に解散を決めた。ライブ・ハウスで踊る彼女にそっと触れるダミエル。人間に恋すると天使は死ぬというのに……。そこへ、撮影のためベルリンを訪れていたP・フォークが、見えない彼にしきりに語りかける。彼もかつては天使だったのだ……。
allcinema ONLINE
- 公開年:1987年
- キャスト:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェーグ・ドマルタン、クルト・ボイス
- 受賞:カンヌ国際映画祭 監督賞、英国アカデミー賞 外国語映画賞
- 批評家の得点:98点/観客の得点:94点
97点 パリ、テキサス
CineMaterial
www.telerama.fr
解説
S・シェパードのシナリオを得て描いたロード・ムービー。
あらすじ
テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。
allcinema ONLINE
- 公開年:1984年
- キャスト:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ディーン・ストックウェル
- 受賞:カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
- 批評家の得点:100点/観客の得点:94点
1位はカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得したロードムービー『パリ、テキサス』でした。
個人的には同じくロードムービー『都会のアリス』の世界観が好きです。ドイツ人作家フィリップが少女を祖母の家まで送り届ける話なのですが、淡々と描いているのに2人の間にどんどん心の繋がりが生まれてゆくのが分かるので心が温まります。
どの作品から見れば分からない人は、1番有名な作品「パリ、テキサス」からはじめるのはいかがでしょうか?
もしくはピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団をフューチャーしたドキュメンタリー映画「PINA」もおすすめです。私は劇場でヴッパタール舞踊団の公演を観たことがあるのですが、ウッパタール舞踊団の魅力を存分にフィルムを通して味わえます。
また、小津安二郎や溝口健二に傾倒していて、「東京画」というドキュメンタリー映画も撮影しています。多くの作品が小津安二郎の影響を受けて撮影されているので、「東京物語」など小津安二郎作品と一緒に観てみるのもいかがでしょうか?
Sony Pictures Classics