すでに次のトニー賞として期待される新作ミュージカル「プロム/The Prom」!あらすじ・音楽・演出などをまとめてご解説します!
ミュージカル「プロム」を30秒で解説!注目ポイント3つ
脚本・作詞について
脚本・作詞はトニー賞に4度ノミネート経験のあるチャド・ベゲリン
ミュージカル「アラジン」「ウェディング・シンガー」で4度のトニー賞ノミネート経験を持つチャド・ベゲリンが脚本・作詞を担当しています。
演出について
「ブック・オブ・モルモン」「アラジン」「サムシング・ロッテン!」の演出家の最新作!
演出は過去のトニー賞で8度のノミネート、「ブック・オブ・モルモン」で演出賞を獲得したケイシー・ニコローが担当しています。
あらすじについて
物語:レズビアンの高校生が社会と立ち向かう姿が描かれる
物語は、高校生のレズビアンカップルが高校のプロム(パーティー)に参加するために立ち向かう姿が描かれます。物語は、高校やPTAがレズビアンのカップルをプロムに参加させないため、プロム自体を中止にしたことから始まります。この対応がメディアによって放送され、彼女たちはアメリカ国内で話題の中心になります。
高校や町という小さく閉鎖的な社会の中で、彼女たちがどう行動し、またメディアによりどのような影響が働くのか、まさに現代社会を象徴する物語になっています。
Playbill
しかし、決してマイノリティがどれだけ虐げられているのかといった負の側面を描こうという趣旨の作品ではなく、むしろ彼女たちによって周りがどう変化してゆくのかを、明るいミュージカルらしい音楽とともに表現した作品です。
自分とは違う他者を受けとめることの大切さを感じる作品でもあります。
Playbill
ミュージカル「プロム」の評価・感想
すでに2016年ジョージア州のアライアンス劇場にて初演を迎えたミュージカル「プロム」。
メディアからの評価も高く、プロデューサーはブロードウェイ上演も視野に入れており、またブロードウェイ作品を扱ったサイトBroadway.comでも今後上演される作品のラインナップに入れています。
Playbillでも2018年トニー賞の注目作品に挙げており、本作の注目度はかなり高いです。
そこで、今までメディアより発表された評価・評判・感想をご紹介します。
メディアの評価
「もし、ミュージカル『プロム』がブロードウェイで高い評判を得ても驚かない。」ヴァリエティ
「プロム」を注目するべき理由
現代の問題に根付いた作品がトニー賞を獲得する傾向に
さて、2017年のトニー賞では社交不安障害とSNSという日本でも取り上げられるキーワードについて描かれたミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」がトニー賞の作品賞を獲得しました。
メディアでは、最多12部門にノミネートした「ナターシャ、ピエール&1812年の大彗星」やドラマ・デスク・アワードで作品賞を獲得していた「カム・フロム・アウェイ」の獲得が予想されていましたが、現代の問題に根付いたリアルタイムな作品「ディア・エヴァン・ハンセン」が6部門で賞を獲得しました。
「ディア・エヴァン・ハンセン」の音楽は、映画「ラ・ラ・ランド」で2017年度のアカデミー歌曲賞を獲得したベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。音楽面での評価も高く、実際にトニー賞でも作曲賞を獲得しています。
ミュージカル「プロム」もレズビアンの高校生二人が主人公であり、今までのブロードウェイミュージカルでは扱われてこなかったテーマに光が当てられようとしています。
ただし、ミュージカルとしての高い評価を得るためには「ディア・エヴァン・ハンセン」のように音楽などの観客を楽しませる要素が必要です。本作の題名であるプロムとは、高校や大学で正装で行うダンス・パーティーのことです。マイノリティを描きつつも、観客を音楽や演出でも楽しませる華やかさがあるコメディ作品です。
ミュージカル「プロム/The Prom」紹介動画