劇団四季のミュージカル『パリのアメリカ人』が好評上演中ですね。
本当に素晴らしい舞台だったので、迷っている方はぜひ劇場へ!
ミュージカル『パリのアメリカ人』の原作となったのは、1951年に公開さらた同名のミュージカル映画。
これをきっかけに、ハリウッドの往年のミュージカル映画に興味を持った人も多いのでは?
実は、戦前〜戦後にかけて作られたこれらのミュージカル映画は、のちに舞台化され近年は日本での上演が続くなど、今こそ見てもらいたい旬のトピックスなのです!!
とくに、フレッド・アステアやジーン・ケリーといった大スターのダンスは、今見ても目を見張るほど素晴らしい究極のエンターテイメント!
さらに、作中に使用された名曲の数々は、私たちに意外と身近なものだったりします。
例えば、東京ディズニー・シーの人気ショー「ビック・バンド・ビート」で使用されているほとんどの曲は、これらミュージカル映画の音楽ですし、宝塚のレビューに使われていることも多いんですよ!
そこで今回は、ミュージカル好き&ディズニー好きは一度は見ておくべき、今も色あせないハリウッドの傑作ミュージカル映画をランキング形式でご紹介します。
目次
第5位:コンチネンタル The Gay Divorcee
黄金コンビと言われた、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの共演作。
夫と離婚したいと悩むロジャースに、アステアが一目惚れするロマンス物。ブロードウェイ・ミュージカル『陽気な離婚』の映画化です。
ストーリーはともかく(笑)、とにかく名曲ぞろい。
ビッグ・バンド・ビートで歌われるコール・ポーターの名曲"Night and Day"はこの作品で使用されたもの。
また、宝塚星組のレビュー『The Entertainer!』で紅ゆずるさんが白燕尾で歌う「コンチネンタル」はこの作品の主題歌です。
アステアとロジャースの黄金コンビはミュージカル好きなら一度は見ておきたいのと、私がアステア大好きなので5位にランクインです!
私は、コメディアンでありながら踊りが軽やかで優雅で押し付けがましくなく、人を楽しませるために生まれてきたようなアステアが大好きなんです。
まさに究極のエンターテイナーです!!
第4位:パリの恋人 Funny face
フレッド・アステアとオードリー・ヘップバーンのコンビが意外にもしっくりきている作品。
冴えない書店員のオードリーが、ファッション写真家のアステアに見出され、スーパーモデルになるというストーリーです。
オードリーが歌い出すとズコーーーーッてなりますけど、可愛いから許す←
まぁ、オードリーの歌声は貴重なので(映画『マイ・フェア・レディ』の歌は吹き替えです)、ファンはそういう意味でも楽しめるかも。
オードリーが着こなすファッションもとても可愛いし、ガーシュウィンの名曲が詰まっていて、目も耳も楽しい作品です。
『パリのアメリカ人』で使われている楽曲もあるので、パリアメ好きにもオススメ。
一番の見所は、アステアの小道具を巧みに使ったダンス。とにかく「すごい!」の一言です。
第3位:42番街
アンサンブルから主役に抜擢される若い女性ダンサーのバックステージ物。
古い作品なので、男性から見た理想の女みたいなヒロインが出てきます。
トロンとして可愛らしくて、誰にでも優しくて、恋人がいる男性の部屋にも平気で泊まっちゃえるくらいピュアなんです。
同じ女としてヒロインには突っ込みどころ満載ですが、音楽もダンスも素敵でついつい見てしまう…(笑)
主題歌の「42nd street」や「lullaby of broadway」など名曲ぞろい。
ジンジャー・ロジャースが脇役で出演しているのも見逃せません。
第2位:踊るニューヨーク Broadway Melody of 1940(1940年)
フレッド・アステアと、「タップの女王」と呼ばれたエレノア・パウエルの共演作です。
ブロードウェイの大スター、パウエルを巡ってアステアとジョージ・マーフィーが争う三角関係もの。
アステアといえばジンジャー・ロジャースとのコンビが有名ですが、私はアステア×パウエル推しです!
とにかく、パウエルがすごい!!
あのアステアと対等に踊るどころか、むしろ彼を凌駕しちゃってるんです…!
登場のダンスシーンからアクロバティックにぐるんぐるん回っています。
体操選手なのか?と思うほどのアスリートぶり。体幹エグそう…。
ラストの「ビギン・ザ・ビギン」の名曲に乗せて踊るアステア×パウエルのデュエットダンスは必見です。
第1位:雨に唄えば
日本でも舞台版の来日公演が、また宝塚での上演もありましたね。
(オン・ザ・タウンといい、最近のたまきちはジーン・ケリー俳優と化してますよね)
無声映画からトーキーへと切り替わる時代、映画スターのケリーと駆け出しの女優デビー・レイノルズの恋を描いています。
もし「この先一作しか映画が見られない」と言われたら、私は間違いなく『メリー・ポピンズ』を選ぶんですが、
「もう一作だけ選んでもいいよ」と言われたら『雨に唄えば』にします。
ジーン・ケリーが雨の中で歌い踊る姿は、映画史に残る名シーン!
この作品の中で私が特に好きなのは、ヒロインのデビー・レイノルズ(『スター・ウォーズ』でレイア姫を演じたキャリー・フィッシャーのお母さん)のダンスです。
ピンクの衣装でキュートに踊る"All I Do Is Dream of You"や、
ジーン・ケリー、ドナルド・オコーナーと踊る"Goog Morning"は何度も巻き戻して見てしまうほど魅力的!
それまでほぼダンス経験がなかったとは、これっぽっちも思えません!!!
インタビューで、「ジーン・ケリーにしごかれるからスタジオに行くのが嫌だった」と笑っていたのをみて、相当苦労されたんだな…と(笑)
「とにかく、これだけは絶対に見て欲しい!」という傑作ミュージカル映画です!!
他のオススメ
惜しくもベスト5には入らなかったものの、<妻>がオススメしたいのが
『オン・ザ・タウン(踊る大紐育)』、『王様と私』、『巨星ジーグフェルド』です。
『オン・ザ・タウン』と『王様と私』は、舞台化され日本でも上演されていますから、ミュージカルファンにはお馴染みですね。
『オン・ザ・タウン』
映画版と舞台版ではストーリーが結構違うので、「宝塚の月組版を観た」という方も新鮮に見てもらえると思います。
この映画の魅力は、女の子たちの可愛い衣装!原色×レトロモダンなデザインの衣装は見ているだけで心がウキウキします。
「今まで見てきた水兵と女の子の出会いと別れは、ここでは毎日のように繰り返されている”日常”だったのか」と気付かされるラストシーンも好きです。
『王様と私』
来日公演で話題ですが、やはり王様といえばユル・ブリンナーですよね。映画でも伝わる彼の威厳は必見。
渡辺謙の王様と見比べてみるのも良いのでは?(私は松平健の王様が一番好きですけどね。)
『王様と私』にはアニメ映画版もありますので、そちらもオススメです!
『巨星ジーグフェルド』
実在したアメリカの興行王フローレンツ・ジーグフェルドの半生を描いた映画です。
彼はブロードウェイで「ジーグフェルド・フォーリーズ」というレヴュー興行を行い、その後のミュージカル誕生に多大な影響を与えました。
何度失敗して無一文になっても、また復活する不屈の魂と舞台興行にかけた強い情熱には驚くばかり。
圧巻なのは階段を使ったレビューの場面。果てしなく続く螺旋階段に所狭しと配置された美女たちは一見の価値ありです!
以上が、ミュージカル好きが心からオススメする、ハリウッドの傑作ミュージカル映画ベスト5です。
ぜひ、映画でもミュージカルを楽しんでみてくださいね!