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2018年3月16日に日本で公開されるディズニー/ピクサーの最新映画「リメンバー・ミー(Coco)」の評価。そして見ようか迷っている人に作品の重要なポイントをご紹介。
ピクサー映画「リメンバー・ミー」の評価が高く、おすすめしたい理由
アカデミー作品「トイ・ストーリー3」のメンバーが集結
「リメンバー・ミー」はリー・アンクリッチ監督の最新作であり、またピクサー「トイ・ストーリー3」のチームが集結して制作した作品として知られている。
「トイ・ストーリー3」は2010年に公開され、アニメーション映画としては当時過去最高の興行収入を記録(「アナと雪の女王」が現在1位)。
17歳になったアンディ・デイビスとウッディ&バスたちとの別れが描かれた大人の男でも泣く超感動作である。
「トイ・ストーリー3」はアカデミー賞で作品賞にノミネート
もちろんアカデミー賞では長編アニメーション賞を獲得し、それだけでなくアニメーション作品としては「美女と野獣」「カールじいさんの空飛ぶ家」に続く作品賞にもノミネートされた。
その他に、主題歌賞を受賞、脚色賞、音響編集賞にもノミネートされている。
アカデミー賞5部門ノミネートのクリエイターたちが再度集結して生まれたのが「リメンバー・ミー」なのだ。
本作で感動した人は、ぜひ「トイ・ストーリー3」も見てほしい。
Rotten Tomatoes(映画サイト)の評価
映画サイトの評価を気にする人も多いだろう。そこで、海外最大の映画サイト(Rotten Tomatoes)の評価を紹介する。
「トイ・ストーリー3」のRotten Tomatoesの評価は、ピクサー映画としては最高の点数である8.9/10(「インサイド・ヘッド」と並ぶ)。
この作品を制作したチームの最新作が「リメンバー・ミー」であり、期待値は相当高い。
実際に、「リメンバー・ミー」はRotten Tomatoesで8.1/10の評価を獲得している。
これは「モンスターズ・ユニバーシティ」と並ぶ点数である。
観客の評価
さらに全米公開後の観客のレビュー点は4.7/5。
観客のうち96%の人が作品の内容に肯定的な評価を下しているのだ。
アカデミー賞2部門受賞
さらに、2017年のハリウッド・フィルム・フェスティバルではアニメーション作品賞を獲得。2015年「インサイドヘッド」、2016年「ズートピア」と続けてアカデミー作品賞を獲得しており、「リメンバー・ミー」も今のところアカデミー賞最有力候補として考えて問題ない。
※追記
アカデミー賞が発表され、見事に長編アニメーション賞と歌曲賞を受賞した。
ピクサー初のミュージカル映画
意外にも、ピクサーは今までミュージカル映画を製作していない。
「リメンバー・ミー」が初のピクサーミュージカルとなる。
これを意外に思うのは、ディズニー映画とピクサー映画がごっちゃになっているのと、ピクサーの音楽を手がけてきた作曲家の素晴らしい手腕に違いない。
ランディ・ニューマン作曲「トイ・ストーリー」の『君はともだち』、「モンスターズ・インク」の『君がいないと』など今までにピクサー作品は数々の名曲を残している。
「アナ雪」の作詞・作曲家が音楽を担当
そして、今回ピクサー初となるミュージカルアニメーション映画「リメンバー・ミー」。
初のミュージカルだからといって、失敗は許されない。そこで、ピクサーは音楽に力を注ぐことにしたのだ。
劇中の音楽を手がけたのは「カールじいさんの空飛ぶ家」「インサイド・ヘッド」「ズートピア」を手がけたマイケル・ジアッチーノ。
そして劇中歌(ソングナンバー)はマイケル・ジアッチーノ、ロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻、また作曲家ジャーメイン・フランコや歌詞には脚本家のアドリアン・モリーナも参加している。
ロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペス
ロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペスは「アベニューQ」「ブック・オブ・モルモン」でトニー賞を受賞、さらにディズニー映画「アナと雪の女王」でアカデミー歌曲賞やグラミー賞を獲得した夫婦。
ニューヨーク・ポストのレビューでは「Coco is packed with terrific original tunes.(「リメンバー・ミー」は素晴らしいオリジナルソングが満載である)」と書かれている。
実際にアカデミー賞では「This Is Me」を抑えて歌曲賞を獲得している。
ストーリーや映像だけでなく、音楽にも感動要素が詰まっているのだ。
メキシコの文化にインスパイアされた華やかな映像美
また、本作品にはピクサー映画史上最も長い製作期間(2011年~2017年)が充てられた。
クリエイターやアニメーターたちは5回もメキシコに訪れ、文化、フード、伝統などについて綿密な調査をしている。そこで出会った祭りの色使いやデザインにインスパイアされて描いたのがこの作品なのだ。
もちろん、アメリカ人が日本を舞台にした映画を制作したときのように、まるっきりメキシコ文化をそのまま伝えているとは言わない。あくまでもピクサーの作品を観ることで得られる感動であり、メキシコ文化に浸ることとは違う。
しかし、メキシコで得たインスピレーションを基に、一流のアニメーターたちが描くカラフルな世界は、一度は大きなスクリーンで見ることをおすすめしたい。
アートが好きな人にもおすすめ
また、激しいカラフルさはシュールレアリズムにも通じるものがある。子供向け映画ではあるが、ぜひ絵画を中心としたアートに興味を持つ大人にもすすめたい作品だ。
個人的に観たい理由
「リメンバー・ミー」はメキシコの祝祭として知られる死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)をテーマに描いた作品でもある。
2014年に20世紀フォックスより公開されたアニメ映画「ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜」も死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)を題材にした作品であり、豊かな色彩と優れたアニメーションで評価も高い。
個人的にも好きな作品であり、同じ死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)を「リメンバー・ミー」はどう描くのか。ピクサーと20世紀フォックス・アニメーションの比較にも強い興味がある。
また、ディズニー・チャンネル「アバローのプリンセス エレナ」でも死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)をテーマにした回がある。エレナの衣装がドクロでデザインされ、メキシコにインスピレーションを受けた色彩の豊かさが味わえる。