2018年に公開・ネットフリックスより配信のアレックス・ガーランド監督最新映画「アナイアレイション -全滅領域-」のネタバレ・あらすじをご紹介します。
ネタバレ
レナ(ナタリー・ポートマン)は細胞学者。以前はアメリカ軍で働いていました。彼女はロマックス(ベネディクト・ウォン)が率いる化学防護服を着た男性たちにある話をしています。
行方不明だったケインと再会するレナ
レナは数年間も行方不明だった夫ケイン(オスカー・アイザック)が自宅にいるのに気が付きます。ケインはどうやって家にたどり着いたのかわからず困惑します。いなくなってから今までの記憶はほとんどありませんでした。
突然、ケインは口から血を吹き出します。レナは夫を病院まで運びこみますが、二人とも強制的にサザンリーチとして知られる政府組織に拘束されます。
サザンリーチの施設で目覚めるレナ。彼女はドクター・ベントレス(ジェニファー・ジェイソン・リー)に出会います。
ベントレスはレナに、ケインは【エリアX(シマーとも呼ぶ)】への探検で唯一残った生存者なのだと伝えます。
シマーへの探検に自ら志願するレナ
ここからはフラッシュバック。物語はレナのフラッシュバックが中心となります。
シマーとは、国立公園内にある未知のエリアです。おおよそ3年前にある物体が公園内の灯台付近に空から落ち、それからすぐにそのエリアはシマーと名付けられました。
夫のケインが死んだと伝えられると、レナはベントレス率いるシマーへの探検隊についてゆくと自ら志願しました。
この隊にはベントレスとレナの他に、物理学者のジョージー・ラデク(テッサ・トンプソン)、人類学者のキャス・シェパード(トゥヴァ・ノヴォトニー)、救急医療隊員のアーニャ・ソーレンセン(ジーナ・ロドリゲス)が参加しています。
レナはこの隊のメンバーに、かつて自分の夫が探検隊のメンバーとして参加していたことを話さないと心の中で決めました。
変異する動物
シマーに入った後、隊のメンバーは4日間どうやって道を進んだのか、記憶がありません。ラデクは現在地を調べようとしますが、GPSは全く動きません。また、コンパスにも異常が現れます。
太陽の位置を使って自分たちの場所を把握した隊は、南にある灯台へと足を進めます。ボートハウスにたどり着いた隊は、そこで植物が奇妙な形に育っているのに気が付きます。異なる種の植物も似た育ち方をしているのです。
突然、ラデクは鰐に襲われます。しかし、レナが殺したことにより助かります。
レナは鰐を調べると、歯の構造がサメにとても似ていることが分かりました。動物たちに何かしらの異変が起きているようです。
隊員皆隠された過去がある
隊はこぎ船でシマーへと向かおうとします。レナはシェパードと同じ船に乗りました。そこで、シェパードは娘を白血病で亡くしたことをレナに告白します。娘の死により、シェパードの結婚生活も長くは続きませんでした。レナも夫を亡くしたことをシェパードに伝えます。しかし、夫が探検隊の一人だったことは隠しました。
レナの話を聞いたシェパードは、隊のみんなに何かしら傷ついた過去があるのではないかと察します。そして、ソーレンセンは薬物中毒から回復し、またラデクは自傷行為から怯えていることに気付きました。
放棄された軍の基地
隊は放棄された軍の基地を見つけます。そこには、ケインの探検隊がいた形跡がありました。散らかった部屋でメモリーカードを発見します。そのカードのデータ―にある動画を見ると、そこにはケインが他の隊員の体内にうごめく物体を調べるため、解剖している光景が映っていました。
レナはそれを見て驚きましたが、ケインを知っていることは隠していました。
変異した熊に連れ去られる
その夜、レナはシマーで見つけた細胞のサンプルを調べてみました。そして、珍しい有糸分裂をしていることを突き止めます。
レナはベントレスと二人きりになります。するとベントレスは、ケインは自殺への衝動があるからシマーの探検隊になったのではないかとレナに言います。さらに、ベントレスはこの自殺衝動は人間のDNAに固定されていると考えていました。
二人の会話の途中、基地の周囲のフェンスが開けられた音をレナは聞きます。すると、熊が現れ、シェパードを連れ去ります。
隊はシェパードを探しますが、レナは彼女の死体を見つけるのでした。さらに、植物の性質を有する動物に出会います。
隊は、人間そっくりの形に育った植物で埋め尽くされた町を通ります。
物理学者のラデクはある仮説を立てます。シマーはプリズム効果を発揮させる場所であり、生き物の内部にあるDNAを歪ませ、屈折させる働きがあると。
そして、隊のメンバーは、シマーの効果が自分たちにも徐々に及んでいることを実感し始めます。
その夜。偏執症を抱え、苦しむソーレンセンは他の隊員に危害を加えようとします。ソーレンセンは、レナのペンダントにケインの写真があったと皆にバラします。さらに、隊員からレナはシェパードを殺したのではないかと疑われます。
その理由をソーレンセンがメンバーたちに問いただそうとしたとき、突然シェパードの叫び声を聞きます。ソーレンセンはシェパードを探しに外へ出てみます。すると、突然変異した熊が部屋の中に入ってきました。
熊はシェパードのDNAが組み込まれ、ゆえにシェパードの声が聞こえたのです。その熊はソーレンセンを殺します。熊はラデクにより殺害されました。
灯台にたどりつくレナ...
リーダーのベントレスはグループから離れ、1人で灯台に向います。
ラデクはレナに、もう探検はしたくないし、シマーの影響を受けた生き物と戦いたくないと話します。そんな、ラデクの肌には葉が生えているのでした。
レナは灯台にたどり着きます。そこで、人間の形に育った岩塩でできた木のような物体を見つけます。
灯台の中に入ると、レナは暗くて大きな穴を見つけます。
そこには、燃えたような死体が置かれていました。レナはケインのドッペルゲンガーが炎の中に消えるのを見て、ケインが自殺したのだと気付きます。
声が聞こえたレナは、穴を降りてゆきます。そして、そこに大きな部屋を見つけました。中にいたのはベントレス。顔が変異しています。ベントレスはレナにシマーの力は宇宙のものであり、地球上に広がってゆき、いつしか地球のすべてをここで見たものと同じように変異させてゆくと伝えます。
ベントレスはレナの顔から出る血を吸う、カオスな立方体の物体へと変化してゆきます。そして、彼女の動きを真似するヒューマノイドが生まれます。
その生き物と戦うレナ、手りゅう弾で焼き尽くすと、それはレナのドッペルゲンガーへと変身します。そのドッペルゲンガーは穴をせり上がり、灯台に火を付けます。
燃える灯台の外で、レナは岩塩でできたような木が燃え、崩れるのを見ています。これは果たして、本当のレナなのでしょうか。
物語は今に戻る
舞台は今に戻ります。レナはベントレスが末期がんに冒されていたことを知ります。そして、この探検から戻る気はなかったのだと気付きます。
レナは話を終え、シマーは植物や動物を破壊するのではなく、全く別の新しいものへと生まれ変わらせるところだったのだと考えます。
ロマックスはレナにシマーは灯台が燃えたことで消滅したのかと確認します。
レナは再び"ケイン"と再会します。シマーが消滅したことで、ケインはすぐさま回復したのでした。
レナは、ケインに"本当"のケインなのか尋ねます。ケインは「そうは思わない」と答えます。そして、ケインもレナに「君は本当のレナ」なのかと答えます。
レナは黙ったままです。
二人は抱き合い、二人の目の虹彩が変わるショットで映画は終わります。
キャスト
- ナタリー・ポートマン:レナ(生物学者、その前は兵士)
- ジェニファー・ジェイソン・リー:ドクター・ベントレス(心理学者、隊のリーダー)
- ジーナ・ロドリゲス:アーニャ・ソーレンセン(救急医療隊員)
- テッサ・トンプソン:ジョージー:ラデク(物理学者)
- トゥヴァ・ノヴォトニー:キャス:シェパード(人類学者)
- オスカー・アイザック:ケイン(レナの夫、前の探検隊メンバー)
- ベネディクト・ウォン:ロマックス
- ソノヤ・ミズノ:ケイティ&ヒューマノイド
- デヴィッド・ジャーシー:ダニエル
評価
海外最大の映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、128人中87%の批評家が肯定的評価をしています。点数は7.6/10。
観客からは、69%の人から高評価。
「アナイアレイションは視覚的な驚きや、心の底からのスリル感を味わえる作品です。野心的なテーマがあり。観客はエンドクレジットロールが終わっても、映画のストーリーを把握するために熟考する必要があります」という感想がありました。
目の色が変わる謎のエンディングシーンですが、これはシマーが二人の中に息づいているということです。