銀座のシャネル・ネクサス・ホール(シャネル銀座ビルディング4F)で開催中の写真展『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』の感想やおすすめポイント、待ち時間や混雑具合をお伝えします。
『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』公式ホームページ
この記事の内容
この記事では、現在シャネル銀座ビルディング4Fのシャネル・ネクサス・ホールにて開催中の写真展『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』の感想や、おすすめポイント、デートに向いているかどうか、果たして行くべきか⁉︎などあらゆる情報をお伝えします。
目次
『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』会期とオープン&クローズ時間
3月14日(火)ー 4月9日(日)※無休
会期は1ヶ月もありません。悩んでいる方、とてつもなく素晴らしい作品が展示されています。普通の写真展ではありません、必ず行きましょう!
12時00分ー20時00分
ロバート・メイプルソープの写真が一度に集まる機会はすくないため、現在東京で開催中の美術展の中では最も注目を集める写真展です。
人も休日になると多くなりますので、できれば、平日や夜のゆっくりした時間に鑑賞できると良いですね。
待ち時間や混雑具合について
私が訪れたのは3月の平日夜17時です。入場待ちや、入場制限はありませんでした。
しかし、人気写真家の作品展なので、休日には混雑が予想されます。夜の時間帯がおすすめです。
会場
シャネル・ネクサス・ホール
中央区銀座3-5-2 シャネル銀座ビルディング4F
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東京駅から歩いて10分以内の距離でした。帰りは銀座駅から帰りましたが、有楽町駅からも歩いて行ける距離にあります。
チケット
入場無料
1時間過ごしても飽きないくらい素晴らしい写真展が無料!なんてことでしょう!絶対に行くべきです。
あとの情報は『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』公式ホームページまで。
『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』ダイジェスト
プロローグ
「Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション」について
20世紀後半にもっとも影響力のあったアーティストの一人、ロバート・メイプルソープは、その卓越した写真技法や構図だけでなく、高度に様式化され、時として物議をかもす写真作品で知られます。
本展覧会では、メイプルソープ作品の最も重要なコレクターの一人であり、シャネル銀座ビルディングの設計を手がけるなど、国際的に活躍する建築家ピーター・マリーノのプライベートコレクションを展示いたします。
マリーノは自然美と肉体美、束縛と破壊をテーマに作品を構成しました。構造物としての肉体、生物や彫像といった形式的な古典主義と、より挑発的な被写体に対する単刀直入な表現とを対比させることによって、メイプルソープの作品群が持つ複雑な二元性に迫ります。
Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション パンフレットより
ロバート・メイプルソープ Robert Mapplethorpe (1946-1989)について
「Self Portrait」@tate
アメリカのニューヨーク州ロングアイランド生まれ。ブルックリンのプラット・インスティテュートで絵画と彫刻を学ぶ。1972年ポラロイドカメラを入手したのを機に写真制作を開始し、76年初個展。
厳密なバランスと細やかな諧調を特徴とする静物、ポートレート、黒人男性のヌード写真、花などのモノクロームプリントにより高い評価を得る。
作品が猥雑であると物議を醸したり、ゲイ・カルチャーの旗手にまつり上げられたり、晩年まで耐えることのなかった毀誉褒貶は、ポストモダンの文化・社会状況を反映していた。86年にエイズを発症、3年後42歳で逝去。
現代アート辞典
作品紹介
『Orchid』 1988 Gelatin Silver Print ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.
『Tulip』 1984 Gelatin Silver Print ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.
『Watermelon with Knife』 1985 Gelatin Silver Print ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.
『Ken Moody & Robert Sherman』 1984 Gelatin Silver Print ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.
『Memento Mori ロバート・メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション』の感想とおすすめポイント
「Memento Mori/メメント・モリ」
展覧会の題名にもなっているこの言葉をどこかで聞いたことがありますでしょうか?
ラテン語で、「自分の死を忘れるな」という意味です。
写真展のイントロダクションから「メメント・モリ」について書かれた箇所をご紹介します。
「Memento Mori(メメント モリ)」(死すべき運命を芸術的あるいは象徴的に思い起こさせようと、しばしば視覚的に表現されるラテン語のフレース)という幾分皮肉な展覧会タイトルは、被写体の刹那的な特質や作家の早すぎる死を思いおこさせます。
メイプルソープによる作品群が、審美的、社会的、政治的に大きな影響力を持ち、一時代の定義づけにまで寄与したことで、不朽の名作となり、受け継がれていく遺産となったこととはあまりに対照的です。
ロバート・メイプルソープとアンディ・ウォーホル
ロバート・メイプルソープの写真は全てモノクロです。
対象を極限まで白黒の単なる「もの」として見ようとする眼差しはアンディ・ウォーホルにつながります。
「アンディ・ウォーホル」ロバート・メイプルソープ撮影 @www.vanityfair.com
ロバート・メイプルソープの裸体にはエロスがない
数多くの女性の男女の裸体。そして、同性愛者の写真。
しかし、彼が撮影した男女には性的なエロスはありません。
The Robert Mapplethorpe Foundation
どんな人間にも死は訪れますよね。
死が人間へ与える恐怖、いや死の働きこそ、あらゆる対象を白黒の単なる「もの」に還元してしまう写真と同じなのです。
しかし、ロバート・メイプルソープの写真には激しいエロスがある
ゲイであり、AIDSに感染してしまったロバート・メイプルソープ。
彼にとって、男も女も、ゲイもレズもすべての人が結局は同じ「もの」だと表現したかったのではないでしょうか。
ただ、面白いことに英語で「black and white」とは「白黒」という意味だけでなく、「書かれている」という意味にもなるのです。
例えば、受験の合格発表で私の名前が掲示板に書かれている時、
「That's my name in black and white」
と言います。ロバート・メイプルソープの写真には単なる「もの」にされてしまった対象の世界が広ります。
メイプルソープのフォトペーパーには人間の誰もが見たことのない、「死の世界」が印刷されているのです。
モノクロで撮影されたロバート・メイプルソープの作品には、アンディ・ウォーホルの「快適な虚無感」以上に、自分もモノクロにされたい、つまり死へと誘うエロティシズムが感じられます。
ロバート・メイプルソープの作品を見ると、「写真の中に入りたい」という欲望がふつふつと出てきますよ。
会期は4月9日(日)まで。絶対におすすめの写真展です。
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