ミュージカルの歴史上最も歌うのが難しい歌は何か?
今回はそんなミュージカルファンの疑問に17の曲で答えましょう。
海外に「ブロードウェイワールド」という大手ミュージカルサイトがあるのをご存知でしょうか。
ブロードウェイミュージカルのあれこれが掲載されているサイトですが、そこで面白そうなスレッドを見つけました「Most Difficult Musical Theatre Song」。
日本で上演されている「スウィーニー ・トッド」のような有名な作品から、ブロードウェイレビュー「Two on the Aisle」まで様々な作品の曲が挙げられました。
ただ、有名な曲はあまりありません。正直コアなミュージカルファン向けです。
しかし、海外のミュージカル俳優たちも投稿するスレッドで「難しい曲」と言われている曲が何か気になりませんか?
この記事では曲名と共に難曲を歌う動画も掲載しました。
難しい曲をいとも簡単に歌うブロードウェイスターの実力の高さに驚愕します。
それでは、「Most Difficult Musical Theatre Song」に掲載された曲をまとめてご紹介します。
歌うのが最も難しいミュージカルソング17
「キャンディード」より『Glitter and Be Gay』
作曲:レナード・バーンスタイン 作詞:リチャード・ウィルバー
初演1956年。ジャンルではオペレッタとも言われています。
動画で歌うのは初演「ウィキッド」でグリンダ役を演じたクリスティン・チェノウェス。
「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」より『Finishing the Hat』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
2017年にはジェイク・ジレンホール主演で上演されています。
コメントによれば言葉が多く、会話とメロディーが微妙な組み合せになっている点が難しいそうです。
「カンパニー」より『Someone is Waiting』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
1970年に初演を迎え、トニー賞では過去最高の14部門にノミネートされ、6部門で受賞した作品です。
なにこのメロディー......
歌うのはトニー賞のホストも務めたニール・パトリック・ハリス。
「カンパニー」より『Getting Married Today』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
「スウィーニー・トッド」より『Epiphany』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
劇中でスウィーニー・トッドの歌う「Epiphany」。「Epiphany」と聞くとアルターボーイズを思い出す人もいるかもしれません、エピファニーとはひらめきという意味です。作中で登場人物や物語の本質が突然明らかにされたりすることをエピファニーとも言います。
「スウィーニー・トッド」より『City on Fire』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
歌詞を覚えるのが大変というコメントがありました。
「スウィーニー・トッド」より『Green Finch and Linnet Bird』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
「Into The Woods」より『So Happy』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
「Into the Woods」2幕のプロローグで歌われる曲。様々な登場人物が会話のように歌ってゆく曲で、こういった曲が多いのが「Into the Woods」の特徴でもあります。
「Into The Woods」より『Your Fault』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
「フォーリーズ」より「Country House」
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
1971年ブロードウェイ初演のミュージカル「フォーリーズ」。振付はマイケル・ベネット、演出はハロルド・プリンス&マイケル・ベネット。
トニー賞では10部門にノミネートされ、作曲賞含む7部門で受賞を果たしました。
「Two on the Aisle」より『If You Hadn't But You Did』
作曲:ジューリー・スタイン 作詞:ベティ・コムデン&アドルフ・グリーン
「Two on the Aisle」は1951年にブロードウェイで上演されたミュージカルレビュー。
動画で歌うのはクリスティン・チェノウェス。イディナ・メンゼルの陰に隠れがちですが、チェノウェスも相当すごい人ですよ。
「チェス」より『Pity the Child』
作曲:ベニー・アンダーソン&ビョルン・ウルヴァース 作詞:ティム・ライス
ABBAの元メンバー、ベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲し、ディズニー作品で知られるティム・ライスが作詞を担当しています。
日本でも2015年に中川晃教や安蘭けい主演で上演されました。
「The Magic Show」より『Two's Company』
作詞・作曲:ステファン・シュワルツ
「The Magic Show」は1974年にブロードウェイで初演を迎えた一幕のミュージカル。1,920回の上演され、1978年12月31日にクローズしました。トニー賞では助演女優賞や演出賞にノミネートされています。
「The Magic Show」より『Lion Tamer』
作詞・作曲:ステファン・シュワルツ
歌うのはクリスティン・チェノウェス。
「ドリームガールズ」より『And I Am Telling You I'm Not Going』
作曲:ヘンリー・クリーガー 作詞:トム・アイン
ジェニファー・ハドソンの歌う映画版をぜひ。凄すぎて笑いが出てきます。
2006年に映画化されていますが、初演は1981年ブロードウェイと今から約30年以上も前の作品です。トニー賞では13部門にノミネートされました。
「City of Angels」より『Theme from City of Angels』
作曲:サイ・コールマン 作詞:デイビット・ジッペル
このオープニングは宝塚のレビューみたいでかなりカッコイイ!!!ぜひ一度聴いてほしい。
「City of Angels」は1989年にブロードウェイで初演を迎え、トニー賞では10部門ノミネート、さらに作品賞・作曲賞・脚本賞などを獲得したミュージカル。
ローレンス・オリヴィエ賞ではリバイバル含め2度の作品賞に輝いています。
ちなみに、2018年9月「シティ・オブ・エンジェルズ」が日本でも山田孝之&柿澤勇人主演で上演されます。
「ジキル&ハイド」より『Confrontation』
作曲:フランク・ワイルドホーン 作詞:レスリー・ブリカッス
「Confrontation」は最後にジキルとハイドが対決する場面。2幕の最後で体力を消耗した中で、一番激しいソングという意味での難しさも含んでいます。
2018年3月より石丸幹二主演で日本でも再演されます。
いかがでしたでしょうか。
ここで紹介された約半分もの曲を手がけたスティーヴン・ソンドハイムの曲はメロディーラインが複雑で、おそらく多くのミュージカルスターたちも苦しんでいるのでしょう。
それでも、良い曲に聞こえるのがスティーヴン・ソンドハイムの魅力であり、また海外ミュージカルスターたちの確固たる努力があってこそこうやって耳にすることができているのですね!
また、私たちが普段よく耳にする「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」、ディズニーミュージカルなどの歌は一つも挙げられませんでした。
どれだけミュージカルの世界が奥深いのかを思い知らせてくれます。
このサイトでは今後もミュージカルを深く知るためのきっかけになる記事をご紹介してゆきますよ!