2015年に発行された本で、本当に読むべき本は何か――。
英フィナンシャル・タイムズ紙の編集者らが2015年に発行された本を調査し、「The FT’s best books of 2015」として各23ジャンルごとに本当に読むべき本を厳選した。
そのなかでもすでに日本語に翻訳され、すでに出版している本をランキング順に紹介する。
経済部門
1位 Inequality/21世紀の不平等
解説
「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティの師であるアンソニー・アトキンソンによる、「格差をあきらめない15の方法」。不平等研究の権威アトキンソンが現代社会の根本を問い直す。思想の大転換を迫る書。
著者:アンソニー・アトキンソン
2位 The Courage to Act/危機と決断 前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録
解説
2008年秋、米大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻を機に世界を襲った金融危機。放置すれば世界大恐慌のような経済崩壊と大量失業に陥ってしまう――。その当時、金融政策の舵を取ったFRB議長ベン・バーナンキが語る闘いの全て。全米でベストセラーの話題作。
著者:ベン・バーナンキ
3位 Misbehaving/行動経済学の逆襲
解説
「行動経済学」それは伝統的な経済学の大前提に真っ向から挑んだゆえに「異端の学問」とも呼ばれる。「異端の学問」のパイオニアであるリチャード・セイラーが、「行動経済学」が支持を集めるようになった過程を描く。これからどう「行動経済学」によって世界を変えられるのかリチャード・セイラーがすべてをこの本に書き尽くした。
著者:リチャード・セイラー
ビジネス部門
1位 The Rise of the Robots/ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日
解説
ホワイトカラーの仕事もロボットの台頭によって減少してゆくという論が様々なメディアで言われていますが、その具体的内容に迫るビジネスマン、そしてこれから社会に出ようとしている学生必須の著書。
雇用はロボットに代替され、中間層が消滅。格差拡大、消費の縮小などが見込まれる近未来にあって、経済社会のルールの根本的な組み替えを行うことを推奨している。
著者:マーティン・フォード
2位 The Silo Effect/サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
解説
世界金融システムのメルトダウンや、ソニーを打ち破ったアップルの台頭など、世界にはびこる現象に共通の原因と解決策を見出す。
文化人類学者という肩書を持つジャーナリスト:ジリアン・テットの渾身の作。
著者:ジリアン・テット
3位 How Music Got Free/誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち
解説
Apple Musicなど安価で大量の音楽が聴ける時代に突入した現代。その理由をmp3の開発者やレコード会社のCEOなどへのインタビュー、調査によって明らかにする本書を読めば、今後の音楽業界の見通しも開けてくる。全ビジネスマン必須の著書。
著者:スティーヴン・ウィット
日本では海外での発行から数か月~2年経ってようやく読めるのが常識だが、世界の情勢は瞬く間に変化している。しかし、この記事で紹介した本を今すぐに読めば、世界の情勢の中心で動くビジネスマンや研究者に追いつけるかもしれない。