ウィーンミュージカル「シカネーダー」のあらすじ・キャスト・音楽・魅力についてまとめました!数多くのウィーンミュージカルを日本版として上演してきた東宝や宝塚歌劇団の次回作としても期待される作品です。
写真は全て公式サイトより
ミュージカル「シカネーダー」を5分で解説!注目すべき3つのポイント
1 作曲・演出について
作詞・作曲:ステファン・シュワルツ
「ウィキッド」作詞・作曲&「ノートルダムの鐘」作詞、アカデミー賞3つ受賞の音楽家
ステファン・シュワルツは1948年アメリカ生まれの作詞・作曲家です。
「ゴスペル」「ピピン」「ウィキッド」などのヒットミュージカルの音楽を生み出してきました。また、ディズニー映画への貢献度も高く、「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」「魔法にかけられて」の作詞を手がけています。
今までに3度のグラミー賞とアカデミー賞を受賞、6度トニー賞にノミネートされています。
最新作はミュージカル版「プリンス・オブ・エジプト」です。
演出:トレバー・ナン
「キャッツ」「レ・ミゼラブル」の演出家
トレバー・ナンは1940年イギリス生まれの演出家、映画監督。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・ナショナル・シアターなどの芸術監督を兼任。
ナンの代表作としてミュージカル「キャッツ」「レ・ミゼラブル」、演劇「ニコラス・ニクルビー」「マクベス」があります。
また、今までに「キャッツ」「レ・ミゼラブル」「The Life and Adventures of Nicholas Nickleb」でトニー賞の演出賞を獲得してきました。2008年には、テレグラフ紙によりイギリスの文化で最も影響力を持つ人に挙げられています。
2 あらすじ・ストーリーについて
役者・詩人・演出家としてカリスマ性を発揮する主人公シカネーダー
役者、歌手、詩人に演出家、それに劇場支配人と若く才能にあふれたエマニュエル・シカネーダー。彼のカリスマ性により、観客だけではなく、多くの女性も虜にしていました。
妻エレノアとの助け合いによりシカネーダーは成功をつかみとる
多くの女性ファンを持つシカネーダー。しかし、シカネーダーの心は妻であるエレノアがつかみとり、2人は公私ともに素晴らしいカップルとして周りから思われていました。
シカネーダーとエレノアの2人の関係を遮るものはなく、2人は自分たちの劇団を持ち、アウグスブルクからウィーンまで多くの観客を魅了します。
2人は舞台の才能にあふれ、どこで上演しても拍手喝采を浴びないことはありませんでした。
すぐさま2人の名は国中に知れ渡ります。そしてシカネーダーは、長年の夢であった演出家、そして詩人としての才能を発揮し、社会的階級を越えて観客を楽しませようと志します。
シカネーダーの不倫により2人は決別
しかし、ここで唯一2人の関係を台無しにすることが起こります。実は、シカネーダーはエレノアに隠れてずっと不倫していたのです。
シカネーダーの振る舞いに怒ったエレノアは、自分だけでやってゆくことを決めます。そして劇団を若い団員ヨハン・フリードルと一緒に去り、アウフ・デア・ヴィーデン劇場の支配人になります。
ただ、エレノア一人での劇場経営や作品づくりはあまり上手くゆきません。それに加え彼女のパートナーが亡くなってしまいます。
ついに、エレノアは劇場を諦めるか、それとも再びシカネーダーとともに劇場を運営するか悩みます。
2人はいつも協力して数々の成功を収めてきたのです。
再び2人はひとつになれるのか!?
かつて愛し合った2人に新たな試練が訪れます。
再び信頼をお互いに得て、ともに助け合うことができるか。この試練を勝ち抜くことができれば、失った魔法のような演出、作品を再度生み出すことができるでしょう。
ここに、信頼と成功とを得るためのゲームがはじまるのです。
ストーリーの見所:ロマンチックでコミカルなウィーンオペラの世界を伝えるミュージカル
ロマンチックでコミカル、時にシリアスで感動の場面も多い素敵なミュージカル「シカネーダー」は彩りにあふれ、また激動の時代であった18世紀ウィーンの演劇・オペラの世界を伝えてくれる作品です。
3 音楽について
はじめに伝えておきます。ミュージカル『シカネーダー』音楽が良いです。ただの良いではなく、素晴らしすぎる。
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ミュージカルとオペラの融合
オペラとミュージカルの融合。ここまでミュージカルができるのか!と驚愕します。あなたのミュージカルの世界観を広げてくれる作品です。
おそらく、ウィーンミュージカルだからでしょう。ウィーンミュージカルの俳優たちの底力を見せつけられます。
作品としては、ストーリーが比較的平坦なので日本人向きかはあえて言いませんが、とにかく音楽が素敵すぎる。
むしろミュージカルを聴くようなハードルの低さでオペラの世界を楽しめるというのでしょうか。心が優雅な気持ちになります。
声楽科出身のミュージカルスターで日本版を!
日本人キャストで上演するかどうか、私なら迷います。音楽のハードルが超高いからです。しかし、もし上演するのであれば、声楽系のミュージカルスターを集められるだけ集めます。
井上芳雄、佐藤隆紀、また四季出身ですが濱田めぐみも大丈夫でしょう。劇場を舞台にした作品であり、歌の実力がないと18世紀ウィーンの世界観が崩れてしまいます。
日本では東宝・宝塚歌劇団の二択
ウィーンミュージカルといえば宝塚歌劇団、そして東宝。今までに「エリザベート」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「モーツァルト!」「レベッカ」「ルドルフ」を日本版として上演してきました。
2018年にはシルヴェスター・リーヴァイ作曲「モーツァルト!」が再演されます。
井上芳雄のシカネーダー見てみたいですね!
ウィーン版キャスト紹介
シカネーダー:マイク・セイバート
ドイツ・フランクフルト出身の俳優。ドイツ版「ウィキッド」フィエロ、「ダンス・オブ・ヴァンパイア」クロロック伯爵。ウィーンでは「ジーザス・クライスト・スーパースター」ジーザス・クライストを演じています。
エレノア:ミリカ・ジョヴァノヴィッチ
ロンドンの王立音楽アカデミーで学んだ後に、ドイツ版「マイ・フェア・レディ」イライザなどを演じ、その後も「サウンド・オブ・ミュージック」「エビータ」「メリー・ポピンズ」で主役に抜擢されています。
まとめ
華やかでコミカルな振付も魅了のミュージカル「シカネーダー」。
コレオグラファーのアンソニー・バン・ラアストは「シスター・アクト」「マンマ・ミーア!」「イン・トゥ・ザ・ウッズ」など名作の振付を担当してきました。
また、ご存知かとは思いますがミュージカル「シカネーダー」は実在したオーストリア、ドイツで活躍した俳優・劇場支配人のエマニュエル・シカネーダーを描いた作品です。エマニュエル・シカネーダーはモーツァルト作曲のオペラ「魔笛」の台本を執筆しました。
モーツァルト「魔笛」との関わり合いを含め、歴史的な側面からも楽しめる最高にウィーンらしいウィーンミュージカル、日本で観られることを楽しみにしています!